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第八話 いざ王都へ

新キャラはどんなのにしよっかな~

「納得出来ません。」


ギルドにて、ラルゴに詰め寄っているのは美貌のメイドにしてレオンの従者リディ。


「仕方無いだろ。俺の権限じゃどうにも成らないんだよ。」


対して、少々困り顔で抗弁するのはベルナのギルド長ラルゴ。


「レオンの奴が本当は強いのは分かってるが、実績がねぇんだ。幾らシーダ様に勝ったつっても、あの人はギルドに所属してないしな。」


「お労しい…」


リディが憤慨しているのはレオンのランクについてだ。


シーダとあれほどの激戦を繰り広げたのだ。きっとギルドランクも著しく上昇しているに違い無い…と期待を胸に訪れたのだが、結果は現状維持のD。不服を唱えるもギルドの規定を盾にされては成す術が無かった。


ラルゴにしてもこの事は悩みの種である。当時はレオンの勝利に大喜びで職員や冒険者連中と祝杯を上げたものの、後になってみれば扱いに困る事態となってしまった。


支部のギルド長が自分の裁量で上げられるランクはワンランクまでなのだ。


幾ら倒した相手がSランク並みとはいえ、Dランクから頂点であるSランクへ一足飛びなどとは前例が無い。


「だがまあ、手がない訳じゃねぇ。俺から推薦状書いておくからよ。それを持って王都へ行ってくれ。そうすりゃ本部で正当なランクを与えてくれる筈だ。」


「王都ですか。」


「ああ。恐らくそこで何らかの仕事を依頼されるだろう。それを成功させりゃ、晴れてランクアップだ。」


地方のギルド長としての範疇を越える事態だ。そうやって後は上に判断を任せるしかないだろう。


「分かりました。推薦状はいつになりますか?」


「明日にでも取りに来てくれ。」


「はい。では失礼致します。」


リディとしてもラルゴの立場が分からない訳ではない。些か不満は残るが、主の奮闘は無駄にはならないようだ。ここは大人しく引き下がる事にする。


後はあの主をどう説得するかだ。





「ご主人様ではないですが面倒ですね。ランクくらい直ぐに上げてくだされば宜しいのに。」


プチプチと愚痴を零しながら帰途へ着くリディ。そんな彼女に最近、急激に親しくなった女性が声を掛ける。


「リディではないか。ギルドへ行ったようだな。どうであった?」


つい先日、自分と同じくレオンの従者になったシーダだった。


そうだ。彼女に相談しよう。シーダもレオンの力を知っている。自分の考えを理解してくれるに違いない。


リディは期待を込めてギルドでのやり取りを話した。




「王都にか。」


「はい。ですが、あのご主人様が素直に行って下さるかどうか…」


「ふむ。確かに主殿ならば面倒の一言であろうな。」


「そうですね。」


リディも同意見だ。出世欲の希薄な主を奮起させるにはどうすれば良いだろうか。


「やはり色で釣るしかあるまい。」


「私もそう思います。」


何といってもレオンは好色だ。シーダと戦ったのも、その美しい肢体を味わいたいというのが動機だった。

ならば上手くエサをちらつかせて誘導するのがもっとも成功率が高い筈だ。


「やり方は未だ思い付かぬが安心せいリディ。我も主殿が軽んじられるのは我慢ならん。世に主殿の力を示すは我らが大義。助力は惜しまぬ!」


「ありがとう御座いますシーダ様!私としましては万の援軍を得た気持ちです!共にご主人様に尽くしましょう!」


初めて同じ価値観を持つ仲間に会えたリディは歓喜する。また一歩理想に近付いた思いだ。


「うむ!我らは同志だ!主殿の元へ集いし雌として従者として、互いに力を合わせようぞ!」


「はい!」


「では家へ戻り早速対策を練るとしよう。」


「茶菓子もご用意致しますね。」


「ハッハッハッ!やはり良く分かっておるな。」


自宅へと戻った二人は、対策会議と銘打ったガールズトークを繰り広げるのだった。



作戦No.1正攻法


「ご主人様、シーダ様との決闘の成果として、王都のギルドへ行けばランクアップが出来るそうです。」


「別に上げなくて良いんじゃないか?面倒だし。」


予想通り失敗。これで動くようならレオンではない。



作戦No.2娼姫


「主殿、娼姫というのをご存知か?」


「なにそれ?」


「主に貴族・王族を相手にする娼婦のことよ。噂に寄れば、美しく、またアッチの方も大変巧みだそうだぞ。」


「ほほう?何処に居るんだ?」


「王都だ。」


「遠いよ!」


善戦したものの失敗。要因は娼姫の情報不足。写真の一つも有れば重い腰を上げたかもしれない。



作戦No.3色仕掛け


「ほぅらぁ…王都に行くと約束するのだ主殿…ペロペロ…」


「お約束下されば…もっと良くして差し上げます…チロチロ…」


「うぐぐ…ま、負けるものかっ…」


「しぶといのう。主殿、行ってくれるならば今夜は○○○を××して、△△△なのだぞ?」


「私も××を○○○に御座います。その後はじっくりと×××に△△致しますのでどうかご再考を。」


「く、くそぅ…二人してそんな卑猥な台詞を…燃えるじゃないかっ!」


成功!王都行きを承諾させる。勝因は舌使い。しかし代償は大きかった。代わりに二人も色々と約束させられてしまった。


そして翌日、二人は丸一日ベッドから起き上がれなかった。




王都行きが決定して三日後、リディは準備に追われていた。引っ越しである。


元々ベルナの自宅は仮住まいの拠点でしかなかった。三人で話し合った結果、いっそ王都に移ろうという事になったのだ。


リディとしては異論はなかった。主の力を発揮するには人の多い都会は最適である。より多くの人間にレオンの素晴らしさを広められるのだから。


シーダは元々レオンに会わなければ強者を探して王都へ行くつもりだった。ベルナはその通過点に過ぎない。


最後にレオンだが、王都は娼館の規模も大きく、数も多いと聞いて二つ返事で了解した。


出立の際はちょっとした騒ぎになった。街の入り口がレオンを見送る人達で溢れかえったのだ。特に娼婦は全員が集結し、店は開店休業状態。中には泣いている者も居た。


「王都まではどれくらい掛かるんだ?」


「歩きならば十四日というとこだな。」


答えたのはシーダだ。彼女は竜族の族長として何度か王都へ行った事がある。城まで赴き王と面会したのだ。その際、狼藉を働こうとした王子の一人を返り討ちにしたと言う。


「クク…あのバカ王子は余程我の肉体にご執心らしい。未だに里へ文を寄越しているからな。」


「でもシーダの肉体は俺のもんだからな。」


レオンがシーダの引き締まった腰に手を回す。抱き寄せられたシーダも嬉しそうに目を細め、レオンと唇を重ねた。


「んっ…チュッ…ククク…あまりしつこいようなら、目の前で主殿と交わってやるか。奴めさぞ悔しがるだろうよ。」


「それも面白そうだなぁ。」


「お二人とも少しご自重下さい。ランクアップ前に問題を起こしては本末転倒で御座います。」


悪乗りする二人をリディが窘めるのだった。




「ムフフッ、さてお二人さん?」


ベルナの街が見えなくなる程歩いたところで、レオンが唇の端をつり上げる。


ニイッと笑うのレオンとは逆に、落ち着かない様子のリディとシーダ。


「むう…やはりやるのか主殿?」


「…さすがに節操が無いかと…」


「問答無用!」


キッパリ言い切るレオンに説得は不可能だと悟り、従者達はおもむろに服に手を掛ける。身に着けていたものは全てレオンによって回収され、二人の身体を隠すものは何もない。全裸である。


「うひょう!絶景絶景!」


野外の、それも道のど真ん中で素肌を晒す美女達。褐色の健康的な肌のシーダに、真っ白なシミ一つ無い絹のような肌のリディ。


何度もベッドで見てきた筈の二人の肉体だったが、太陽光に照らされキラキラと輝いて見える。周囲の景色も相まって最高の光景だ。


改めて二人の美しさを再確認するレオン。これが王都へ行く条件の一つだ。王都に着くまでの旅の間、二人は裸で過ごさなければ成らないのだ。


「これは…里の者にバレたら解任ものだ…」


「少々はやまりましたね。」


「さあさあ!二人とも、まだまだ先は長いぞ!どんどん進もうじゃないか!」


意気揚々。レオンは二つのお尻を鷲掴みにしながら王都を目指すのだった。






ファンタジーでストリーキングは斬新じゃね?


少なくとも作者は他で読んだ事無いです。

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