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第十六話 ご購入ー!!

キャラが増えます。さばき切れるんだろうか。不安です。

「アンタのせいでー!!」


檻の中だというのにレオンに襲い掛かろうとする女盗賊。当然それは硬い鉄格子に阻まれる。


「ハッハッハッ!そんなに怒るなよ。あんなに情熱的に身体を重ねた仲だろ?」


「そっちが一方的にぶつけただけじゃないかい!」


女盗賊は憎らしい相手を何とか捕まえようと、鉄格子の隙間から手を伸ばす。


「こらっ!お客様に手を上げるな!」


店主が何処からか取り出した鞭で女盗賊を打つ。ピシャリと音が鳴り女盗賊は痛みで悶絶した。


「~~~~~~~っ!」


「申し訳ありませんお客様。」


「ああ、良いから良いから。」

 

尚も折檻を続けようとする店主を宥め、レオンは女盗賊の顔を覗き込む。


「大分酷い目に遭ったみたいだな。」


よく見ると女盗賊の顔は以前よりやつれていた。前はもっと日焼けした顔が健康的で、生気に充ちていたように思う。身体には所々に痣や打撲跡が見られ彼女の苦労を物語っていた。


「そうだよ…あの後、他の盗賊に捕まって散々弄ばれて…挙げ句の果てに奴隷にされちまったんだよ。」


「何だお前、肉便器だったのか。」


「うぐ…」


「因果応報って知ってる?」


「うるさいっ!」


檻を蹴り付けて威嚇する女盗賊。その態度に再度鞭を振り上げる店主を、レオンは手をかざして制止する。


「反省してるならここから出してやるぞ?」


「え?」


「俺の女になるならな。それに奴隷の身分からも抜け出せるぞ。」


「なっ!?」


「ほらほら、どうする?」


「くっ~!誰がなるか!」


本当なら願ってもない機会だ。奴隷にとってはどんな主人に買われるかは運命の分かれ道である。もしも使い潰すような主人に買われれば、悲惨な最後を遂げるのは間違い無い。その点、レオンが提示した条件は破格の待遇だ。


しかし女盗賊はレオンの小憎らしい態度に思わず反発してしまった。


「ふ~ん。」


ニヤニヤしながら店主に向き直るレオン。彼の言葉を聞いて女盗賊の薄っぺらな虚栄心は脆くも崩れ去る。


「オーナー、この奴隷格安で売り出して。差額は俺が出すからさ。そうだな~超不細工で出来るだけ変態趣味の主人が良いな。三日で壊すくらいヤバい奴に売ってやってくれ。」


「何だって!止めとくれ!」


檻の中で考えていた最悪の結果が現実に成ろうとしていた。女盗賊は慌ててレオンに懇願する。


「クク、じゃあどうする?俺の女になる?それとも変態趣味野郎の奴隷になる?アレはヤベーぞぉ。女の顔殴りながら犯す奴とか、絶頂中に首切り落とす奴とか。俺でもドン引きだわ。ハハッ。」


「なる!なるから!あんたの女になるからそれだけは止めとくれ!」


「クスクス…やっと素直になったな。そういえば名前を聞いてなかったな。」


「…ライラだよ。」


「宜しくなライラ。」


レオンは一人目の奴隷の購入を決めたのだった。




「さて、次はっと…」


二人目の奴隷を探して部屋を歩くレオン。


「主殿、珍しい者が居るぞ。」


「へぇ~何処だ?」


シーダが見付けた奴隷は亜人。それも相当珍しい部類だった。


「おおぅ!確かに珍しいな!」


檻の中に一人きりで入っていたのはラミア。下半身が大蛇の亜人だ。


「さすがは竜人様。お目が高い!これは最近入荷した希少種のラミアです。見ての通り外見も美しく、更にこの種は脚を生やす事も出来ますので、性奴隷としてもイチ押しで御座います。」


「脚が生やせるのか。実はそこが気になってたんだ。」


檻の中のラミアは綺麗な青い髪をしていた。蛇の下半身も同色の鱗に覆われていて、その造形はとても美しく見応えがある。


だが脚が無いと行為が限定されそうだと懸念していたのだった。


不満が解消された事で購買意欲の増したレオンはラミアの購入を決める。


「ラミア族のナーシャと申します。どうか末永く可愛がって下さいご主人様。」


檻から出されたナーシャは丁寧に挨拶する。商会イチ押しなため調教も行き届いているようだった。


「これで二人ですが、まだお求めになりますか?」


店主が尋ねる。ライラはともかくナーシャは店で一番の高額の為、レオンの懐具合を気遣ったのだろう。


しかし、レオン本人はまだまだ品定めに夢中だった。そんな彼に今度はリディが声を掛ける。


「ご主人様、少し宜しいでしょうか?」


「うん?何だ?」


「この店で一番安値の奴隷を購入しては如何でしょう?」


「安値?あんまり美人は居ないんじゃないか?」


「確かに安値という事は質が悪いのかもしれません。ですが例外も有ります。例えば怪我でその価値を損なわれているとすれば…」


「成る程!」


合点が行ったとばかりに手を叩く。


つまり元は美人だが顔に傷を負っていたり、治しようの無い怪我をしていたりで価値の低い奴隷も、レオンなら能力で治せば良いという事だ。これなら安価で上等な奴隷を手に入れられる。


更にそうやって怪我を治してやればレオンへの忠誠心も高くなるだろう。


「オーナー、一番安い奴隷は何処だ?」


「安い奴隷ですか…そちらはお客様の満足のいく奴隷は居ないかと思いますが?」


「大丈夫だ。案内してくれ。」


「はぁ、ではこちらへ。」


ラミアのような高額の奴隷を買う客が、安い奴隷に何の用なのか。きっと使い潰すか仕事にでも使うのだろうと解釈して、店主はレオン達を案内する。


「どんなのが居るかな~?」


檻の中を見渡すレオン。やはり安いというだけあって、顔の傷や手足の怪我などマイナス要素の多い奴隷ばかりだ。


「お?」


物色中のレオンの目を引いたのは三人の少女達。部屋の隅で寄り添うようにして蹲っている。彼女らは皆、特徴的な長く尖った耳をしていた。


「エルフの奴隷か…。オーナー、あの娘達は何でここに居るんだ?もっと高値で売れそうだけど?」


エルフというのは亜人の中でも種族的に美形が多い。本来なら店の目玉商品となってもおかしくない筈だ。


「はい、確かにお客様のお察しの通りエルフは見た目も良く、高値で取引されています。しかしあれらはここへ売られて来るまでの間に相当手荒に扱われたようで、性機能は失われ更に性病にも掛かっております。」


「ああ、それでか。」


見た目の良いエルフの使用目的は殆どが性奴隷だ。その機能が使えなければ価値は大幅に下がる。


「しかし何故そんな奴隷を入荷したんだ?」


「それは…先程お客様が購入なさったラミアと仕入れ先が同じでして。先方がこれらと一緒でなければ売らないと…」


「抱き合わせ商法かよ。」


人気商品に不人気商品を合わせる事で、体よく在庫を消化してしまおうという訳だ。まさか奴隷でもその商法が活用されているとは。職種は違えど商売人のやる事はどこも同じなようだ。


だがこの商会は当たりだ。客とのトラブルを避ける為かもしれないが、エルフの状態を隠して高値で売り飛ばすような真似はしていない。紹介してくれた衛兵の言う通りボラれる心配は無いと見て良いだろう。


「ともかくあの三人も売ってくれ。」


「宜しいので?」


レオンが性奴隷を求めているのは分かっている。店主はそんな彼がエルフとはいえ、使えない奴隷を買うとは意外だった。


逆にレオンやリディには狙い通りだ。怪我も病もレオンの能力で治せるので、安値でエルフを三人も買えるのだ。相場からすれば激安も良いところである。





奴隷の代金を支払ったレオンは、五人を馬車へと運び込む。格安で買ったエルフ三人は、荷台にナーシャが居るのを見て驚く。


「お姉様!」


「エマ、ミナ、サラ!貴女達もご主人様に買われたの!?」


「そういや一緒に連れてこられたんだっけ。」


店主は仕入れ先は同じだと言っていた。顔見知りなのは当然だ。エルフ三人はまだ怯えている様子なので、全く知らない者と居るより気が楽だろう。嬉しい誤算である。


「先にライラから治すか。」


レオンは再会を分かち合う四人が落ち着くのを待つ間に、ライラの治療を行う事にした。


「ライラ。」


「な、何だい…?」


チョイチョイと手招きするレオンに、おっかなびっくり近付いていくライラ。嫌な予感がするものの、紛いなりにも相手は主人で自分は奴隷だ。警戒しながらも従うしかない。


「キスするぞ。」


「はぁ!?…なんで…んむっ!」


レオンが腰に手を回し、ライラを抱き寄せると唇を重ねた。強引な口付けに身をよじるライラだったが、強張った身体からは徐々に力が抜けていく。


「んっ…ふぅ…んんっ!」


口内の隅々にまで舌を這わされる。全身に快感が走り驚愕するライラ。まさか口付けだけでここまで気持ちが良いとは思わなかった。それなりに経験の有る彼女には信じられない出来事だ。


それもその筈、実はレオンの能力で快感が走るように調整されているのだ。そうとは知らずライラは無意識に舌を差し出しキスに没頭し始める。


「ん…ふぅぁ…」


レオンが唇を離すとライラの瞳は潤み頬は赤く上気していた。


「何…したんだい…。」


気持ち良かったにしろ口内を弄ばれた事には変わりない。しかも明らかに普通ではない刺激的な口付けだ。

ライラはジロりとレオンを睨み付ける。


「身体の怪我を治したんだけど?」


「え?」


ライラは自分の身体の状態を確認する。驚く事に身体から一切の傷が消えていた。古傷から盗賊に凌辱された時のアザや打撲など全てだ。まるで傷など元から無かったかのように、シミ一つ無い肌になっている。


「ライラは俺の女だ。傷が残るなんて許せないからな。」


「あ、ありがと…」


「えー?聞こえないなぁ?ありがとう御座いますご主人様。お礼に好きなだけ抱いて下さいだろ?」


「い、言うか馬鹿!」


反射的に憎まれ口を叩くが、少しだけ自分を買った主人を見直したライラだった。


「次はナーシャだな。おいで。」


「わたくしは怪我は御座いませんが?」


「念の為だよ。自覚のない病気に掛かってる可能性はあるだろ?妙に咳の多い奴隷とか皮膚病のやつとか関わったりしなかったか?」


心当たりが有るのだろう。ナーシャは頷きながらレオンの側へと歩み寄る。


「ほら、ここに。」


「はい、失礼します。」


淑やかな態度で膝の上に座るナーシャ。レオンはこちらを見上げる彼女の唇に自分の唇を重ねる。


「んん…チュッ…んっ!」


ライラの時と同様にナーシャの身体に快感が走る。舌が押し込まれるとそれは更に強く甘く身体を侵食し始めた。


「んんぅ…んっ!ふくっ…チュク…」


口内で舌が暴れまわる度にナーシャの身体がピクピクと震える。彼女には予想外の事態だ。


男性経験が無いので想像するしかなかった口付けだが、これは遥かに想像を超えている。主の舌が与える快感が全身を駆け巡る。気を抜くと意識を手放してしまいそうだ。


自分を姉と慕うエルフの少女達の手前、何とか無難に凌ごうと考えていたが、それどころではない。


「あたしの時より念入りじゃないか…」


キスする二人を見つめてライラが愚痴を零す。彼女自身、それを嫉妬だと気付いてはいない。


「ん…はぁ…ご主人様…」


周りの目さえ気にならなくなり、流し込まれた唾液を喜んで飲み下すナーシャ。唇が離れると名残惜しそうに主を呼ぶ。


「フフッ、続きはまた今度な。」


「はい…お待ちしております…」


ナーシャはトロンと目を細めたまま頷く。


「最後はあの三人だけど…」


「申し訳御座いませんご主人様!あの娘達はまだ怯えていまして…。」


キスの余韻に浸っていたナーシャが我に返り三人を庇う。これが普通の主ならば奴隷には容赦が無いだろう。鞭で打ち据えられるか、殴り飛ばされるか…。ナーシャはいざとなれば自分が変わりに叱られる覚悟でいた。しかし彼女が考えるような叱責は無く、レオンは三人娘の頭を順に撫でるだけだった。


「はい、終わり。」


「え?」


「か、身体が…!?」


レオンに撫でられた三人は、自分の身体の変化に目を見張る。怪我が全て癒え、性病による不快感や苦痛も消えていた。


「身体は治したぞ。性器のほうもな。ちゃんと子供も産めるぞ。」


思わず自分の下半身を覗き込む少女達。男に弄ばれ醜く変形してしまった筈の場所は、まだ清らかだった頃の乙女の姿に戻っていた。奇跡のような出来事に呆然とする三人は、事態を把握すると歓声を上げてナーシャと抱き合う。


「グスッ!お姉さま!」


「良かったわね皆…。」


喜びのあまり泣き出す三人を、涙ぐみながら抱き締めるナーシャ。大した縁でもない三人にここまで感情移入するとは、情の深い女性だ。


「ありがとう御座いますご主人様。ほら、皆も。」


「「「ありがとう御座います!」」」


「ほいほい。」


ナーシャに習い礼を述べる三人娘。レオンもそれに軽い調子で応える。しかし一部始終を見ていて納得のいかない者が約一名…


「ア、アンタ…」


「ん?どうしたライラ?」


「そんな簡単に治せるなら何でキスしたんだい!」


「ハッハッハッ!治すのにキスが必要なんて言ってませんが何か?」


「うがーーーっ!また嵌められた!」


「確かにハメたな。今後もハメるけどな。」


「絶対違う意味で言ってるね!?」





ラミアとナーガ。どっちか迷って響き優先でラミアにしました。

エルフ三人も入れちゃったよ!名前が覚えるのが面倒臭い。

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