表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/118

第一章 高校生活 Ⅴ

 

「さて、僕もそろそろ動こうかな」

 小柄な男子生徒は、二年生のクラス教室がある校舎の二階にいた。

 その視線は、二年七組の教室があった。

 ユウキがいるクラスだ。

 しかし、昼休みである現在ユウキは二年七組の教室にはいない。拓矢たちと食堂へ行っている。

 それを知っていながら、小柄な男子生徒は二年七組へと向かっていく。

「ちょっといいかな」

「? はい」

 教室の扉近くにいた女子生徒に小柄な男子生徒は話しかけた。

「上村悠生(ゆうき)くんっているかな?」

「今は、いないみたいです。たぶん学食に行ったんだと思います」

「そっか。困ったな」

「どうかしたんですか?」

 小柄な男子生徒が困った様子を見せると、女子生徒は親切に尋ねてきた。

「ちょっとね。これを悠生くんに渡してほしいんだ」

「これを渡せばいいんですか?」

「うん。お願いできるかな?」

「はい、いいですよ」

 そう言って、笑顔を見せた女子生徒は小柄な男子生徒の手に触れる。

 その瞬間。



 ニヤリ、と笑う。



「どうかしました?」

 怪訝(けげん)に思った女子生徒が尋ねた。

「ううん、何でもないよ。じゃあ、お願いね」

「は、はい。わかりました」

 小柄な男子生徒は二年七組の教室を後にしていく。

(先手は打ちましたよ、先生。後はユウキがどんな反応を見せてくれるか)

 楽しみですね、と小柄な男子生徒は小さく笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ