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第四章 復讐は誰のために Ⅱ

 

 カツユキとの戦闘後、『覚醒者』であるコウジ、テツヤ、ナオキの三人は旧大竹町の『眠る(スリープタウン)』から離れていた。

 彼らがいるのは、この町にあるただ一つの駅が見える位置にある小さな雑居ビルだ。そのビルの使われなくなったオフィスの一つに彼らはいた。

「どうします?」

 尋ねたのは、髪を明るい色に染めているナオキだ。

 その質問は、黒い帽子を被っているコウジに向けられている。

「話を聞かれていた。おそらく俺たちが『賞金稼ぎ(ゴールドハンター)』を襲うこともしられているだろう」

「なら、やっぱすぐに動くべきだって!」

 声を張りあげたのは、テツヤである。

 カツユキにやられたテツヤだったが、すぐに意識を取り戻し、やり返してやると意気込んでいる。その口には、相変わらず煙草(たばこ)(くわ)えられていた。

「その方がいいかもしれないな。なんだか分からないが、俺たちが『賞金稼ぎ(ゴールドハンター)』を襲うのを止めさせようとしてたくらいだ。タクヤという名前を言ってたから、そいつが『賞金稼ぎ(ゴールドハンター)』にいて、それは奴らの仲間なんだろう。また邪魔されないうちに仕掛けたほうがいいかもしれない」

「だろ?」と、テツヤはコウジの言葉に強く頷く。

 それは最初に尋ねたナオキも同じだった。

「『眠る街(スリープタウン)』での騒ぎも気付かれてるかもしれないですし、先に逃げた女が仲間に報告してる可能性だってありますよね。それこそ『賞金稼ぎ(ゴールドハンター)』に報告して、すでに場所を変えてるかも……。捕まったトシロウさんがまだ一緒にいるなら、ますます助けるのは難しくなりますよ」

「そうだな……。すぐ動くとして、テツヤ。身体は大丈夫か?」

 コウジは先の戦闘で一時的に意識を失っていたテツヤの調子を心配する。

 それにも、

「問題ない。コウジほどじゃないが、身体は頑丈なほうだからな」

「よしっ。なら、今から『賞金稼ぎ(ゴールドハンター)』のアジトへ向かうぞ!」

 コウジの決定に、二人は声を張り上げて応える。



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