表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/67

第67話『平和の到来 ― 完』



魔王城――

黒き尖塔が並び立つ要塞の玉座の間は、今や静寂に包まれていた。

魔王バルゼルドは雷刃に刻まれ、契約陣により完全に沈黙。

その巨体は異空間へと吸い込まれ、支配者の座は空となった。


---


リリィが転移してきて、深く息を吐く。

「……終わったんだね。魔王が倒れた。これで、世界は平和になる」


朔は雷刃を収め、玉座を見下ろす。

「王も魔王も狩った。

 もう、この世界を脅かす存在はない。

 平和は――俺が切り拓いた」


---


世界の変化


魔王の死と同時に、世界を覆っていた瘴気は消え去った。

獣の領域は静寂を取り戻し、荒野には草花が芽吹き始める。

人々は恐怖から解放され、街には歓声が響き渡った。

長き戦乱の時代は終わりを告げ、平和の時代が始まった。


---


人々の声


各地の民は朔の名を讃えた。

「王を超えた者」「魔王を討った英雄」「世界を救った支配者」――

その呼び名は様々だったが、どれも敬意と感謝に満ちていた。


リリィはその声を聞きながら微笑む。

「あなたはもう、人間じゃない。人々にとっては希望そのものだよ」


朔は静かに答える。

「俺はただ、戦い続けただけだ。

 だが……その果てに平和があるなら、それでいい」


---


仲間たちのその後


- 火竜ヴァルグレアは天空へ帰り、世界の守護竜として人々を見守る存在となった。

- 死者王スケルトンキングは冥界へ戻り、魂の循環を正す役割を担った。

- 双牙の姉妹や牙の七将は各地に散り、守護獣として人々を助ける存在となった。

- 魔獣王グロウルは森の奥で眠りにつき、再び目覚めることはなかった。


彼らはもはや「敵」ではなく、世界を守る「力」として存在し続けた。


---


玉座に座す者


朔は玉座に腰掛ける。

だが、その瞳は支配者のものではなく、守護者のものだった。

「玉座は奪った。だが、俺は王にはならない。

 この座は、世界を見守るためのものだ」


リリィは隣に立ち、静かに頷いた。

「なら、私も一緒に見守るよ。

 あなたが切り拓いた平和を、ずっと」


---


エピローグ


空は晴れ渡り、星々は輝きを取り戻す。

人々は笑い、歌い、未来を語る。

戦乱の時代は終わり、平和の時代が始まった。


天野朔は玉座に座し、世界を見守る。

その姿は、もはや「王を狩る者」ではなく――

「世界を守る者」として刻まれていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ