表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/67

第56話『獣の王』



異空間ストレージ――

そこは時間も空間も歪んだ、主の魔力によって構築された閉鎖領域。

火竜ヴァルグレアは溶岩の湖で眠り、死者の王は静かに膝をついていた。


---


「……主よ」


スケルトンキングが朔の前に跪く。

その声は低く、空間に響くように重い。


「我が魂は、汝に従う。命ずるがいい」


---


朔は無言で頷いた。

その眼差しは冷たく、次なる標的を見据えていた。


「スケルトンキング。次に狙うのは“魔獣王”だ。

 知っていることをすべて話せ」


---


スケルトンキングはゆっくりと顔を上げる。

その眼窩に、かすかな光が灯った。


---


「魔獣王――“グロウル=ザ=ワイルド”。

 かつては神獣に連なる血を引く存在。

 だが今は、魔王の呪縛に堕ち、理を喰らう獣と化している」


---


「居場所は?」


「“獣の領域”――かつての聖獣の楽園。

 今は瘴気に満ち、理性を失った魔獣たちの巣窟と化している。

 グロウルはその中心、“咆哮の谷”にて玉座を築いている」


---


「戦力は?」


「魔獣軍は数にして五千。

 そのすべてが高位個体。

 中でも“牙の七将”と呼ばれる幹部は、我が軍勢すら圧倒する力を持つ」


---


朔は腕を組み、思考を巡らせる。


「火竜と死者王を同時展開すれば、正面突破は可能だ。

 だが、奴の使役は容易じゃないな」


---


リリィが異空間に転移してくる。

彼女はスケルトンキングの姿を見て、少しだけ目を見開いた。


「……本当に、従ってるんだね」


「当然だ。俺の使役は絶対だ」


---


朔は静かに言った。


「次は魔獣王。

 あいつを倒して、使役する。

 そして――魔王の首を取りに行く」


---


>「王を狩る者は、王を超える。

> その座にふさわしいのは、俺だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ