第55話『死者の王、千体の軍勢』
地下ホールに火竜ヴァルグレアが咆哮とともに突入した瞬間、死者の軍勢が一斉に動き出した。
骸骨兵1000体が剣を振り上げ、炎に抗うように突撃してくる。
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「焼き尽くせ、ヴァルグレア!」
朔の命令に応じ、火竜が口を開く。
灼熱のブレスが地下を薙ぎ払い、骸骨兵が次々と崩れ落ちていく。
炎が骨を砕き、魔力の核を焼き切る。
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リリィが星術で空間を固定し、死者の魔力が暴走しないように制御する。
朔は雷刃を構え、ヴァルグレアの背に乗って中央へと突撃する。
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「スケルトンキング――出てこい」
炎の海の中、黒い甲冑を纏った巨体がゆっくりと姿を現す。
死者の王、スケルトンキング。
その瞳は赤く輝き、手には巨大な黒剣を握っていた。
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「使役されるつもりはないか。なら――力で黙らせる」
朔が雷刃を振るい、スケルトンキングの剣と激突。
衝撃が地下を揺らし、魔力が火花を散らす。
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リリィが星術の槍を放ち、スケルトンキングの動きを封じる。
朔は刻印を展開し、使役の契約陣を地面に描く。
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「ヴァルグレア、押さえろ!」
火竜がスケルトンキングの背後から炎を浴びせ、動きを止める。
その隙に朔が契約陣を完成させ、魔力を流し込む。
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「スキル:使役――発動!」
空間が震え、スケルトンキングの身体が硬直。
黒剣が地に落ち、瞳の赤が消える。
契約の刻印がその胸に浮かび上がった。
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「使役、完了。異空間ストレージへ格納」
スケルトンキングの巨体が光に包まれ、ヴァルグレアと同じく異空間へと吸い込まれていく。
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リリィが息を吐く。
「これで、死者の王も味方になったね」
朔は静かに頷く。
「火竜、死者王――戦力は揃った。
だが、次はもっと厄介だ。
次は――魔獣王だ」




