表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/67

第53話『火竜との邂逅』



火山の奥へ進むにつれ、空気は重く、熱は鋭くなっていった。

岩肌は赤く脈動し、地熱が魔力のように渦巻いている。

ゴーレムたちは先行し、道を切り開いていたが――その先に、異質な気配があった。


---


「……来るぞ」


朔が雷刃を構える。

リリィは星術陣を展開し、空間の軌道を読み取る。


---


地鳴りが響いた。

火口の中心、溶岩の海から巨大な影が姿を現す。


---


それは、伝説の火竜――“ヴァルグレア”。

全身が灼熱の鱗で覆われ、目は溶岩のように赤く燃えていた。

翼を広げるだけで空間が軋み、咆哮は雷鳴のように響く。


---


「星術、展開完了」


リリィが告げる。

朔は雷刃に魔力を込め、刻印を浮かび上がらせる。


---


「行くぞ――リリィ!」


「了解!」


---


戦闘開始。

リリィの星術が空を裂き、光の槍がヴァルグレアの翼を貫く。

朔の雷刃が地を走り、火竜の脚を焼く。


---


だが、ヴァルグレアは咆哮とともに反撃。

炎の奔流が空間を焼き、ゴーレム3体が一瞬で蒸発する。


---


「魔力密度が高すぎる……!」


リリィが結界を張り直す。

朔は一瞬の隙を突き、雷刃を火竜の胸部へ突き刺す。


---


「今だ――使役の刻印!」


魔力が爆発し、空間に刻印が展開される。

火竜の動きが止まり、意識が封じられていく。


---


ヴァルグレアが崩れ落ちる。

その爪の間から、赤く輝く首飾りが転がり出た。


---


「……これが、使役スキルの鍵か」


朔が首飾りを拾い、装備する。

瞬間、魔力が脈動し、“スキル:使役”が解放された。


---


「契約完了。ヴァルグレア、異空間へ格納」


火竜の身体が光に包まれ、異空間ストレージへと吸い込まれていく。

リリィが息を吐く。


「これで、魔王戦の布石が整ったね」


---


朔は空を見上げる。


「次は――死者の王だ。

 スケルトンキングを、焼き尽くす」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ