第47話『終焉の咆哮』
「星よ、応えて」
リリィの声が空間を貫いた瞬間、
魔力が天へと突き抜け、上空に巨大な魔法陣が展開された。
それは、星術――軌道を操る術式。
空が震え、星々の軌道が揺れ始める。
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ゼインが息を呑む。
「星術……! 本当に呼ぶ気か……!」
ミレイが魔力の流れを感じ取り、言葉を失う。
カイは剣を構えたまま、空を見上げる。
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ネメスが叫ぶ。
「何を呼ぶ気だ……!
この空間は我が領域! 星など届くはずが――」
その言葉が終わる前に、空が裂けた。
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魔法陣が輝き、空間の上層から巨大な隕石が現れる。
それはただの岩ではない。
星の記憶を宿した“星の刃”――リリィが精神世界で編み出した、最終奥義。
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「あなたを砕くもの。
私が選んだ、最後の力」
リリィの瞳が光を放ち、隕石が軌道を変えて落下する。
玉座の中心へ、ネメスの影を貫くように。
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「やめろォォォォォ――!」
ネメスの咆哮が空間を震わせるが、
星の刃は迷いなく降り注ぎ、玉座ごと影の王を貫いた。
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光が走る。
裂け目が収縮し、空間が静まり、魔力が消えていく。
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リリィは膝をついた。
朔が駆け寄る。
彼女は微笑みながら言った。
>「私は囚われていたんじゃない。
> あなたを倒すために、ここにいたの」
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この日、影の王は砕けた。
だが、魔界の裂け目はまだ完全には閉じていない。




