表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/67

第43話『灰都の魔導士』



灰都――かつて王都と呼ばれた場所。

今は廃墟と化し、魔族の侵攻によって名を変えた。

それでも、そこに“待っている者”がいる。

祭壇の手紙にそう書かれていた。


>「私はかつて、あなたの仲間だった。

> レイナの息子――ゼイン・レイナード。

> 今は、かつて王都だった場所で待っている」


---


俺はカイ・アマノとミレイと共に灰都へ向かった。

カイは剣士としての素質を持ち、ユウの血を濃く継いでいる。

無口だが、戦いの勘は鋭い。

道中、魔族の残党が現れたが、雷鳴の双刃とカイの剣が交差し、瞬く間に斬り伏せた。


---


灰都に着いた時、空は鈍色に染まっていた。

瓦礫の中に、魔力の流れが微かに残っている。

その中心に、一人の男が立っていた。


---


「……来たか」


男は振り返った。

白銀の髪、深紅の瞳。

年齢は不明――だが、気配は古く、強い。


---


「ゼイン・レイナードか?」


俺が問うと、男は頷いた。


「母の名を知っているなら、間違いない。

 俺は、レイナの息子。

 マギデウスとなったことで、時の流れから外れた者だ」


---


ゼインは、かつての仲間の血を継ぎ、灰都に残っていた。

理由はただ一つ――天野朔が戻る日を待つため。


---


「アグド・ネメスを倒しに行く。

 力を貸してほしい」


俺の言葉に、ゼインは静かに剣を見つめた。

そして、短く答えた。


「母が命を懸けて守ったものを、俺も守る。

 そのために生きてきた」


---


この日、仲間が揃った。

剣士、魔導士――そして、俺。

世界を動かす力が、再び集結した。


---


>「灰の都に残る者は、過去を守る者。

> だが、未来を変える者でもある」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ