第33話『魔王の城へ』
王都を出発したのは、夜明け前だった。
空はまだ青く、風は冷たい。
でも、俺たちの足取りは迷いがなかった。
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目的地は、魔界の裂け目に存在する“ネメスの城”。
空間が歪み、時間が乱れる領域――常識が通じない場所。
そこに、四魔王の一人、アグド・ネメスがいる。
「……空間魔法の乱れがひどい。
この先、魔力の流れが読めなくなるかも」
リリィが魔力探査をしながら言った。
俺は剣を握り直す。
「なら、俺が道を切り開く。
お前は、俺の背中を守れ」
「ううん。私は、あなたの隣にいる」
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最初に現れたのは、バルムに酷似した“絶対悪”の亜種。
黒炎を纏い、空間を裂いて襲いかかってくる。
だが、俺たちはもう迷わない。
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「詠唱展開――光の封鎖陣!」
リリィが空間魔法を封じ、敵の動きを止める。
その隙に、俺が跳ぶ。
「空間断裂斬――!」
剣が、核を断ち切る。
黒炎が消え、空が晴れる。
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その後も、絶対悪の群れが次々と現れた。
だが、俺たちは一体ずつ確実に斬り、封じ、進んだ。
「……まるで、誰かが試しているみたい」
「ネメスだ。俺たちの“絆”を見ている」
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道の果てに、裂け目が現れた。
空間が渦を巻き、城の輪郭が浮かび上がる。
「ここが……魔王の城」
リリィの声が震えた。
でも、俺は仮面の奥で静かに言った。
「行こう。俺たちの剣と魔法で、災厄を断ち切る」
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>「試されるなら、応えるだけだ。
> この絆が、世界を救う力になる」
こうして、俺たちは魔王の城へと足を踏み入れた。
その先に待つのは、四魔王――アグド・ネメス。




