第32話『勇者認定』
王都の大広間。
荘厳な魔導紋が床に刻まれ、空気は魔力で満ちていた。
その中心に、俺は立っていた。
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「天野朔殿。
あなたは、王都魔導院および王家の名において――“勇者”として認定されます」
宣言の声が響く。
周囲の貴族、魔導士、軍人たちがざわめく。
俺は仮面を外し、静かに頭を下げた。
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勇者――それは、称号ではない。
責任だ。
世界の災厄を断ち切る者。
四魔王の一人、アグド・ネメスの討伐任務が、俺に託された。
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「……俺にできることなら、やる。
ただし――俺は一人じゃない」
その言葉に、リリィが一歩前に出た。
「私も行きます。
彼の剣となり、盾となり、光となるために」
魔導院の長老たちは一瞬沈黙し、そして頷いた。
「マギデウスの力、王都にとっても希望です。
同行を許可します」
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その夜、王都の塔の上で、俺とリリィは並んで空を見ていた。
「……勇者になったね」
「称号はどうでもいい。
お前が隣にいてくれるなら、それでいい」
リリィは微笑んだ。
その瞳は、あの日よりも強く、優しかった。
「私は、あなたのためにマギデウスになった。
だから、あなたの隣で戦う。
それが、私の“生きる意味”なの」
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>「勇者と魔道士。
> それは、世界を救うためじゃない。
> 隣にいる者を守るための力だ」
こうして、俺たちは再び旅立つ。
今度の敵は、災厄の源。
四魔王――その一人、アグド・ネメス。
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