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第30話『帰還と再会』



バルムとの戦いから数日。

村は静けさを取り戻し、双子も少しずつ笑顔を取り戻していた。

俺は、仮面を外したまま、空を見上げていた。

あの日の裂け目はもうない。

でも、胸の奥には、まだ熱が残っている。


---


その夕方。

風が柔らかくなった頃――彼女が帰ってきた。


「ただいま」


リリィは、以前よりも若く見えた。

肌は輝き、瞳は澄み、魔力は静かに満ちていた。

その姿は、まるで――時を巻き戻したようだった。


---


「……若返ったのか?」


俺の問いに、リリィは微笑んだ。


「マギデウスになると、魔力構造を再編できるの。

 年齢も、外見も、魔力の流れに合わせて変えられる」


「……なぜ、そこまで」


リリィは、俺の手を取った。

その手は、昔と同じ温もりだった。


「ごめんなさい。

 あなたと一緒に生きたくて……だから、マギデウスになったの。

 あの修行は、苦しくて、何度も心が折れそうだった。

 でも――あなたの隣にいたいって、それだけが支えだった」


---


沈黙が、風に溶ける。

俺は、彼女の手を握り返した。


「……ありがとう。

 一緒に生きよう。これからも、ずっと」


その言葉に、リリィは涙を浮かべて笑った。


---


ユウとミナが駆け寄り、母の変化に驚きながらも、すぐに抱きついた。


「ママ、なんか若くなってる!」

「でも、ママの魔力だってすぐわかったよ!」


「ふふ、ただいま。みんな、よくがんばったね」


---


>「誰かのために強くなる。

> 誰かの隣にいたいから、限界を超える。

> それが、愛のかたちだ」


この日、家族は再びひとつになった。

そして、物語は――新たな章へと進んでいく。


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