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中央情勢は複雑怪奇。

朝廷工作とか滅茶苦茶難しかった。ホントワケワカメ。


ウィキペディア先生に聞いても、作者の頭ではほとんど理解不能。なのに書いちゃった、そんな話しです。


 

 南部領の大発展とともに南部家の中央への工作が始まった。


 南部家は豊富な資金力と絶大な武力を背景に、形骸化しているとはいえ強い影響力を持つ室町幕府を通じて、朝廷(天皇家、公家)への多額の献金を行った。


 工作とは言っても要するに、ひたすら貢いでご機嫌取りをするだけである。だが見返りとして、領国を支配することへの正当性を得られるのは大きい。


 加えて南部家は数多ある武家の中でも、清和天皇をその祖に持つ、由緒正しい清和源氏の家系である。


 その格式は初めから相当高いものだった。


 実際、有名ではあるが、どこの馬とも知れない成り上がり者だった伊勢盛時(北条早雲)や松永久秀は、戦のとき兵を集めるのにも苦労していたらしい。


 奇妙ではあるが、どんなことでもまかり通る戦乱の世は、古臭い権威すらもまかり通っていた。


 



 権威を蔑ろにしたところで、強者たるものを罰することは、誰にも出来ないというのに。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 天文14年(1545年)

 室町幕府本拠地 二条御所




 「南部大膳大夫晴政に御座います。義晴様はお久しぶりですが、相変わらずご壮健そうで何より」


 「おおっ、晴政‼︎本当に久方ぶりじゃのう‼︎」


 オレは大量の貢ぎ物と共に海路にて上洛し、室町幕府12代将軍足利義晴に謁見していた。


 義晴はかつて上洛した晴政に、自らの名から[晴]という字を与えている。まだオレが晴政に憑依する前の話だが、つまるところ知らない仲ではない。


 「晴政ぁ〜、ワシは実は全然元気じゃないのだ……。細川の野郎共との戦に負け続けじゃ‼︎ぶははっ、ウケる‼︎」


 「笑っている場合ですか……」

 

 とんでもないことを軽く言う義晴に、隣で聞いていた彼の息子の菊童丸(後の義輝)が呆れている。


 「心中お察しいたします。一幕臣としては一刻も早い足利家の権威の再興を願っております」


 オレはひたすら平身低頭に徹して、早くこの無益な時間が終われと懸命に願っていた。大体、幕府の権威なんてもんが復活したら南部家は、日の本の北方を不法占拠する国賊である。もっともほとんどの戦国大名がそうなのだが……。


 どうせ何が言いたいのかは分かっている、金が欲しいのだろう?最初からそう言えば良いのに。


 しかし晴政は将軍という立場にありながら、偉ぶることもなく、あっけらかんとした性格の義晴のことが心の奥底では嫌いになれなかった。


 まあ、距離的に離れ過ぎているため積極的に助けられるかと言ったら、可哀想だが答えはNOと言うほかないだろう。


 溜息をつく息子を無視して、義晴は話を続ける。


 「しかし悲報凶報だらけだったこの二条御所にも、最近ようやく朗報が舞い込んだ。お主のことじゃ晴政‼︎かつてワシの一字を与えた息子同然のお主が、遥か遠方、陸奥国にて幕府を無視する不届き者達を一挙に成敗するとは、まさに痛快とはこのことなり‼︎」


 義晴は持っていた扇子を開き、天晴れ天晴れと小躍りする。何か見てて癒されるなこの人。そんなオレ達を傍目に菊童丸は頭を抱えている。


 「将軍様よりそのような言葉を頂けるとは、この晴政、恐悦至極に御座います。して本題に参りましょうか、朝廷への口聞きの方はどんな調子で?」


 多少無礼だが、このままだと話がさっぱり進まないので一つ鎌をかけてみた。


 「ふふふ、朝廷だけでなくこの幕府に対しても、膨大な寄進、見上げるばかりじゃ。当然、お主に相応しい見返りを用意しておるぞ。だがもう一つ頼みたいのぉ……」


 ふざけた態度から一変して、義晴は一瞬で鋭い目付きに変わる。腐っても将軍か、この時代にまだ幕府を保っているだけのことはある。


 「頼みとは?」


 緊張した様子で晴政が問い返す。焦らすように少し間を置いて、義晴はにやりと笑い口を開いた。





 「昨晩食べたお主が生きたまま持ってきた鮭は、とても美味だった。あれを今晩も食べたいのう」


 一同は盛大にずっこけた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 「源朝臣南部大膳大夫彦三郎晴政、お主を従五位下陸奥守、出羽守に叙任する。更に幕府より奥州探題、羽州探題への任官の要請が来ておる。朝臣として日の本北方の戦乱を鎮圧せよ」


 後日、朝廷にて南部晴政へ上記の官位が下賜された。朝廷と幕府両方から認められたこの官位の存在により南部家以外の陸奥、出羽の大名達はその支配の正当性を完全に失うこととなる。


 今は国内の平定に良いように使われてやろう。陸奥、出羽にて奪ったものは今後の南部家にとって、全て正当に所有する権利があるのだ。まさに切り取り次第といったところか。


 国内の纏まりもより一層、強くなっていくだろう。


 ほくほく顔で宮中を後にしようとする晴政、しかしそこで居並んでいた公家の一人に呼び止められた。


 何の用だ。あまりの雅な雰囲気に何だか悪酔いしていて、晴政は京の都を一刻も早く脱出したかった。






 「昨晩食べた鮭は美味だったでおじゃる。持ってきた鮭はもう残っていないのか?」


 今も昔も人々は酒と鮭が大好きである。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 

 それにしても朝廷もなかなか思い切ったことをするものだ。この任官は内乱で分裂する伊達家を見限り、完全に南部家に鞍替えするという意思の表れだ。

 

 更には幕府より東北の実質的な支配者となる奥羽探題の両職。足利義晴はこうして各地の有力大名を味方に付け、日の本を再統合する計画を持っていたのだろう。


 しかしこの地方割拠政策は、自らの武家の棟梁たる権威を分割させることにもなる。ああ見えて相当切羽詰まった上での苦肉の策ということか。


 詳しくは知らないが、その後のほぼ独立状態となった各地の戦国大名達を見るに、史実ではさっぱり上手くいかなかったのだろうな。


 とにかく南部家にとっては当初の計画通り、これからの東北での戦にて大義名分を得ることができる。


 兵を集めるのも楽になるし、国人達のこちらへの寝返りも期待できるだろう。



さあ来いよ‼︎読者の皆様はツッコミどころ見つけまくってんだろ‼︎


震えながらお待ちしております……。

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