告白
大分長くなっちゃってごめん。もう少し付き合ってもらえると嬉しいけど大丈夫?
……ありがとう。とりあえずお茶を淹れ直すね……はい、どうぞ。
じゃあ続きを話させてもらうね。
悩み相談としてこの能力を使い始めてもう一年以上が経つけど、その間に色んな人と関わって来たんだ。
しかも他の人たちに悩み相談のことを広めてくれた人もそうなんだけど、関わった人の中には悩み相談後も何かと僕と関わり続けてくれる人も多くてさ。能力を通してそれまで想像も出来なかった交流を得ることが出来た。その一点だけでも頑張ってきて良かったって思えたよ。
でも自分に出来ることをやろうと必死に走り続けて、ある程度の達成感を得て、ようやく一息ついた時にふと思ったんだ。僕自身は何をしたいんだろう? って。
僕自身は勉強も運動も人並みかそれ以下だと思うんだけど、関わってくれる人の中には勉強の出来る人、運動の出来る人、クリエイティブな才能に恵まれた人に多くの人に慕われる人を始め、目標を持って頑張っている、僕よりすごい人が沢山いるんだ。
だからこそ僕も人のことだけじゃなくて自分のことも考えてみようって思ったんだよね。
とはいえ急に何かに打ち込もうと思っても何も思いつかない。
そりゃそうだ、能力に目覚めて以降ほぼ悩み相談のことだけ考えて動き続けてきたようなものだったから。しかも元々悩み相談の関係で学校に居ることが多かったし保健室を使えるようになってからは更にその傾向が増していたことあって、何かをやろうにもそもそもやれることのバリエーションが少なかったし。
かといって四六時中誰かが来てる訳でもないから必然的に暇な時間が多いのもあってさ。せっかく時間があるしと、悩み相談開始以来忙しくて読めていなかったラノベに回帰してみようと思い立って学校の図書館を覗いて───そこで出会ったのが竹中さん、君だった。
悩み相談の内容が重かったりして気分的に結構負担になることもあったからか、読書自体もそうだけど、静かな図書館で本を選ぶ時間は思っていた以上に僕を癒してくれていた。
そんな安らげる場所だったからかな、図書委員として受付をしていた竹中さんのことが徐々に気になるようになっていったんだ。
そして借りた本の感想を通して少し会話出来るようになってからはそのほのかな想いが確信に変わった。
自分でも驚くくらい単純な理由だと思う。でも切っ掛けなんてそれで良いとも思うんだ。
何せ異性として人を好きになったことなんて初めてな僕だから、この想いをどうしようかずっと迷っていた。いっそ自分に『勇気』を付与して告白する勇気を出そうかと思ったくらいだった。
でもそれをする気にはなれなかった。
はは。散々付与で人の悩みしてきた奴の言葉とは思えないよね。
能力の効果を知っているからこそそれに頼らず、例えどんな結果になろうともそれを自分の成果として受け入れたかったんだ。
そう考えると、今まで付与で問題を解決することが出来た人の中にも、付与のことを知っていたら付与を断った人も居たかも? 能力について伝えたりは出来ないにしても悪いことしちゃったかもなあ。
おっと、また話が逸れちゃう所だった。
じゃあそろそろ長かった話を〆ようか。
あ、僕自身に付与をしていないのはもちろんだし、信じてもらえるかは分からないけど竹中さんにも何の付与もしてないよ。
その上で、一人の何の変哲も無い生徒として竹中さんに伝えようと思います。
「僕、木下は竹中さんのことが好きです。付き合ってください」




