再戦
魔物を倒してエンゾ達を助けたレオでしたが、襲撃はまだまだ終わりません……
それからしばらくして……
「レオさん、来たよ!」
「分かった。エレイン、行けるか?」
「勿論です!」
再び襲ってきた魔物に気付いたミゲル達に促され、俺達は迎撃に向かった。
「お前は……一体何処にいく?」
道中既に片付けを終えたエンゾ達とすれ違う。説明して上げたいけど今は時間が……
「……ッ! 敵か! 皆、行くぞ!」
すれ違う寸前でエンゾは魔物の接近に気付いたらしい。彼らは俺達を追い越すような勢いで走り始めた。
「居た!」
村の外れに向かっている魔物の集団を見つけたぞ!
(あれは確かクレイジーウッド……しかもかなりデカいな)
クレイジーウッドは木に目や口のような穴が空いたような見た目をしている魔物だ。大きければ大きいほど強くなるタイプの魔物で、今眼の前にいる奴を倒すならなら最低でもC級クラスの力はいるだろう。
「今度は俺達が! 行くぞ、お前ら!」
「「「押忍!」」」
クレイジーウッドの群れに突進するエンゾと仲間達。その勢いは中々のものだが……
バキ! ボコ! バキ!
残念ながら敵の方が上手だったようだ。
「レオさん、俺達があいつ等の注意引き付けておくからエンゾさん達をお願い!」
「大丈夫なのか?」
「俺達、さっきの戦いでレベルアップしたんだ! あんな奴らの攻撃なんて当たらないよ!」
思わずそう尋ねた俺にミゲルは自信満々にそう答える。まあ、やばくなったら助けに入ればいいか。
「枯れ木共! こっちだよ! ばぁ〜か!」
ミゲルが魔物達を挑発する。何と言うか子どもらしいストレートな挑発だが……
「ガガガッ!」
「ギギ!」
効果はあったらしく、クレイジーウッド達は注意を地面に倒れているエンゾ達からミゲルへと移した。
「や、やめろ。お前じゃ奴らには敵わない! 逃げるんだ!」
エンゾが弱々しい声を上げる。その瞬間、クレイジーウッドはミゲルに向かって腕を振り上げた!
ブン! スッ……
が、クレイジーウッドの攻撃は空振り。ミゲルは奴の攻撃を回避したのだ。
「なッ……」
ミゲルの動きにエンゾが絶句する。無理もない。俺も見違えるような動きだったからな。
「そんなとろい攻撃当たるかよ!」
カウンター気味にミゲルが放った蹴りにクレイジーウッドは大きくよろめく。チャンスだ!
(よし、今のうちに!)
俺とエレインはエンゾと仲間を後ろに下がらせて前に出る。
「レオさん、俺達に一体任せてくれないか?」
ミゲル達が仲間と連携しながらクレイジーウッドに波状攻撃を仕掛けている。
(まだ攻撃スキルがない分、決定力には欠けるけど、完全にミゲル達のペースだな……)
襲ってきたクレイジーウッドは三体。ミゲル達に一体任せられるなら、俺とエレインで一体ずつに出来るな。
「分かった。だが、無理はするなよ! 少し動きを封じてくれているだけで十分だからな」
「分かった!」
さて、俺もサッサと片付けるか……
「ハッ!」
エレインがクレイジーウッドの幹に鋭い突きを放つ。わさわさと伸びる枝は無視して急所を狙う。まさにお手本のような一撃だ!
ドォォン!
悲鳴さえ上げられずにクレイジーウッドが倒れる。相変わらず強いな……ってか、前より大分強くなったんじゃないか?
「レオ様とクエストに行かせて頂いてレベルアップしましたからね。またお仕置きが必要ですね♡」
塩漬け任務とかも手伝って貰ったからな……って、お仕置きする必要はないだろ!
「俺達が敵わなかった相手を一撃……」
「何て強さ……」
後ろに下がらせたエンゾの仲間達がうわ言のような声を上げる。まあ、それも無理はないくらい見事な一撃だったな。
(……って俺も戦わないと!)
ミゲル達だって心配だ。早く片付けてヘルプに行けるようにしておかないと……
ドォォン!
轟音と共にミゲル達が相手をしていたクレイジーウッドが倒れる。流石に倒せてはいないが、もはや攻撃手段である枝はなく、体勢も崩れている。無力化したと言ってもいいだろう。
「ミゲル達もあいつを!?」
「嘘だろ……あいつらまだ子どもだぞ!」
まあ、地の利にレベルアップと〈雑用〉の追加効果、それに数の優位を生かしたが故の結果だけどな。
「私が止めを指してきましょうか、レオ様」
「頼む」
俺は残ったクレイジーウッドと向き合った。こいつで最後。よし、やるか!
読んで頂きありがとうございました!
次話は来週の昼12時に投稿します。
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