共同戦線
ミゲル達に〈雑用〉が発動! 彼らに発現した追加効果は……
ミゲル達と朝食を摂った後は勿論追加効果の設定だ。
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〈雑用〉の発動条件を満たしました。付与される追加効果を選択しますか?
→ Yes No
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勿論Yesだ。
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ミゲルに付与できる追加効果:
力UP(大)・防御力UP(大)・魔力UP(大)・精神UP(大)・素早さUP(大)・経験値UP(大)・取得SPUP(大)・状態異常無効(大)・五感強化(大)・潜伏(大)
◆◆◆
見たことがないのが混ざってるな。
(効果を確認しておくか)
新しいスキルを見たらまずは詳細を確認……ってのは冒険者の基本だからな。
◆◆◆
五感強化(大)
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚が強化される。対象者が不快だと思った場合は任意で解除も出来る
◆◆◆
おおっ……ミゲル達獣人にぴったりな追加効果なんじゃないか?
で、もう一つの方は……
◆◆◆
潜伏
周りのあらゆる生物から感知されにくくなる。ただし、対象者が味方だと思っている人には働かない。
◆◆◆
これまたぴったり……しかも、かなり強力だな。
(じゃあ、五感強化(大)と潜伏(大)に素早さUP(大)は確定かな)
この後力を借りることを考えると経験値UP(大)も欲しいな。取得SPUP(大)もつけたいけど、ミゲル達の安全を考えると防御力UP(大)と状態異常無効(大)は外せないしな。
「どうですか、レオさん」
「やっぱり見たことがないやつが出たよ」
ミゲル達に俺の〈雑用〉について説明しようかとも思ったが、”いつも以上の力が出る“なんて聞いたらハリキリ過ぎる気がするから秘密だ。
「あ、今、アイラの追加効果も見るから」
「ありがとうございます、レオさん」
いやいや、そんな大したことじゃ……と言いたくなるような笑顔だ。これが追加効果を付与する対価だとしたら正直……
(……報酬、貰いすぎだよな)
まあ、そんなどうでもいいことを考えないと顔が緩みそうで困る。ついでに言えば、そんなところがハーディアにバレても困るしな。
“あまり上手くいってないけどね……”
ん、ハーディアか?
(……気のせいだよな?)
こんなこと考えてるのがハーディアにバレたら小言で済むわけがないからな。
*
「魔物みっけ!」
「凄い! どっち?」
ミゲルが指を指した方向は……確かエンゾとかいう獣人が仲間と向かった方じゃなかったっけ?
「急ぎましょう、レオさん」
「ああ」
俺達が急いで向かった先には……
「うう……」
「ああ……」
エンゾとその仲間達が倒れている。酷い傷だ!
(……! アイツか!)
魔物の死骸が散乱する中、大きな鹿のような生き物が周りを見回している。
(雰囲気が魔物と違う……もしかしてあれが精霊の眷属か?)
”鹿のような“と言ったのは、時々少し透けて見えるからだ。雰囲気も魔物と違い、何と言うか……澄んでいる。
「レオさん、また魔物が来るよ」
ミゲルが奴に気づかれないようにそっとそう教えてくれる。
(とりあえず、さっさとアイツを何とかしてエンゾ達を助けなきゃな……)
眷属達は拘束すればハーディアが何とかしてくれるらしいからな。幸い、俺の糸魔法はこう言うのが得意だ。
(頼むぞ、シオン)
“!”
シオンもやる気だ。よしっ!
「〈糸弾〉!」
祭器を構えて打った〈糸弾〉はミゲル達のおかげで完全な不意打ちになった。眷属は一発目は回避して見せたが、二発目と三発目はそうもいかない。
「ッ!」
身動き出来ず、眷属は声にならない悲鳴を上げる。よし、今だ!
フッ……
その瞬間、眷属の姿が消えた。
”あの子はボクが保護したよ。だからもう大丈夫“
ハーディア、サンキュ!
「ミゲル、手当を手伝ってくれ。他の子は感知を頼む!」
エレインが素早く指示を出してくれる。流石だ!
「アイラは援護を頼む。俺は前に出る!」
「分かりました!」
そう言うとアイラは精霊魔法で土の壁をエンゾ達の前に創り出す。これでヘイトの魔道具を使えば敵の狙いは俺に集まるって訳だ。
(!)
シオンが俺に注意を促してくれる。それに少し遅れてミゲルの友達の声がした。
「来たよ、レオさん。まずは三時の方向!」
「分かった。ありがとう」
おいでなすったか。まあ、とりあえず蹴散らしてやるか!
読んで頂きありがとうございました!
次話は来週の昼12時に投稿します。
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