表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/169

持久戦

 アイラはサポートの機会を伺いながらレオの戦いを見守りますが……

(アイラ視点)


(すごい、すごい!)


 ルイーザさんの〈フラッシュ〉が決まってからレオさんの反撃が始まったんだけど、これが凄いの一言しか出ない!


(あのタイタン相手に互角……ううん、レオさんの方が優勢!)


 タイタンは一言で言えば、闘神。鍛え抜かれた体と技を持つ精霊だ。それは今のように“狂って”いても変わりはない。なのに……

 

 ズバッ! ザッ! ズバッ!


 一撃加えたら回避するレオさんの攻撃はもう五回以上成功しているけど、タイタンの攻撃は一度も当たってない。このまま行けば……


“……このままだとレオが負けるね”


 だから、ハーディアがそう呟いた時には耳を疑った。


(え!?)


“アイラ、今のレオの動きは普通じゃない。それはアイラにも分かるだろ?”


(確かにそうだけど……)


 レオさんはいつも凄いけど、こんなのは見たことない……


“一見レオの方が優勢に見えるかもしれないけど、要は持久戦だ。体力勝負でどちらに分があるかは明らかだ”


 タイタンの身長は四〜五メートル。体の大きさは比べるまでもない。


“大体攻撃して回避して魔法を使ってなんてこことは本来おかしいんだ。多分精霊と祭器の力を借りてるんだろうけど、それにしたってレオに負担がかかり過ぎる”


 そんな、それじゃ……ううん、違う!


(私の出番、だね!)


“ああ。でも、策を練らないと。それに皆の協力も必要だ”


 策……確かに。


(そう言えば、今、レオさんやルイーザさんと念話ができるのはハーディアのおかげ?)


“いや? 多分レオの祭器の力だよ“


 ……! やっぱり! 


(それにしても不思議な力の祭器……祭器って言えば、勝負を決めるような派手な力を持ったものだと思ってた)


 祭器に選ばれるということは近い将来にギルドマスターになる冒険者だということ。ギルドを束ねる冒険者が強い力を願うのは当たり前って言えば当たり前だけど……


”多分この力はレオの考え方が反映されてるんだろうね”


 レオさんの考え方……


“〈雑用〉もそうだけど、他の人の力も高めてみんなで立ち向かうっていうのが、レオの理想なんじゃないかな”


 みんなで……そうか。だから、レオさんの周りには人が集まるのかな。


“まっ、とにかく今度はボク達がレオをサポートする番だ! ルイーザとあのダグラス家の子どもに連絡しよう!”


 ダグラス家の子どもってエリオットのことよね……本当に協力する気あるのかな?


(レオ視点)


 一撃、また一撃……


 何度打ち込んでもタイタンは倒れない。が、俺はそれでも攻撃を続けた。


(とにかくコイツが倒れるまで続けるしかない!)


 攻撃、回避、魔法、攻撃、回避、魔法……


 絶え間なく続けたことで体には疲労が溜まり切っている。が、ヤツにはまだ疲れの色は見えない。それどころか、段々反撃は正確になってきている!


(さらに攻撃力と素早さを上げるか……!)


 それはつまりHPを下げると言うことだ。HPの最大値を減らしたところでHPが減らなければ死に繋がることはないはずたが……


(食らわなければ同じことか……)


 回避の後、運良く物陰に隠れることが出来た俺は再びステータスを操作した。


◆◆◆


レオ 人間(男)

Lv   57

HP   10/10

MP 94/136

力   445

防御   0

魔力  33

精神   0

素早さ 451


スキル

〈雑用(Lv3)〉

※スキル効果UP(大)・力UP(大)・防御UP(大)・素早さUp(大)•危機感知

〈ブースト(Lv3)〉

〈ステータス操作(LV2)〉

〈アイテムボックス〉

〈糸魔法(Lv3)〉

〈復讐の剣(Lv3)〉


SP 0


◆◆◆


(よし、ここまですれば大丈夫だろ!)


 素早さが上がったことでタイタンの攻撃はより余裕を持って回避できるようになるはず……だったのだが


 ブンッ!


 拳の風切り音が耳元で響く。くそっ、ヤツは俺の動きを捉え始めている。


(オレの動きはかなり早くなったはずなのに……)


 この学習速度の高さはやはり魔物とは違う。単純な攻撃力の高さや攻撃速度の速さではなく、この戦士としての知性がタイタンの真の怖さかもしれない。くそっ、見誤ったか。


(後何発入れたら良いんだ……)


 そんな弱気なことを考えたせいだろうか。斬りつけた後、回避しようとした瞬間──


 スルッ……


 俺は足を滑らせ、体勢を崩してしまった!


(しまった!)


 転倒こそしなかったものの、十分に距離を取ることが出来なかった! このままじゃタイタンの攻撃を受けてしまう!


 ブンッ! 


 砲弾の様な硬さとスピードで迫る拳。俺にはもはや為す術もない。


(ここまでか……)


 危機感知が発動する。必死に距離を取ろうとするが、間に合わな──


 パリィィン!!!


 次の瞬間、氷の壁が現れた! それはヤツの拳にぶつかって砕ける。だが、これで拳が止まって……


(……止まらないのか!?)


 タイタンの攻撃は威力も速度も落ちたが、止まってはいない。普段のステータスなら耐えられたかもしれないが……


(やられるッ!)

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

 「面白い」「悪くないな」「まあ次話を読んでみるか」等などと思われた方、ブクマやポイントをポチッとして頂けれると筆者のモチベが爆上がりします。是非ご一考下さいませm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 体力勝負とはオッサンには辛そう。 そして仲間たちも奮起するようですね。 祭器の力はレオの願望を反映したものでしたか。 それを見抜くハーディアも只者ではないと感じさせられました。 今まで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ