表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/169

切り札

 倒したはずが……倒せてない!?

 フェイクゴブリンキングは白目を剥いたまま立ち上がる。すると、みるみるその姿が変貌していく!


 グググッ!


 角は引っ込み、体は引き締まった筋肉質の体に。デブっとした今までの体はまたたく間に変貌し、今やガッチリとしたたくましい体だ。それに伴い、体も少し大きくなっている。


(これはもう魔物というより……)


 いや、そんなはずは……


“!!!”


 シオン……ってことはやっぱり


「これはまさかタイタン……そんな」


“祭器を通じて地属性の大精霊が受肉したみたい。これは面倒だな……”


 ハーディアがそう言いながら歯ぎしりする。こんなハーディア始めてだ。


「レオさん!」

「レオ様!」

「アイラ様! レオ様!」


 ルイーザとエリオット、それにエレインか! さっきからの騒ぎを見て駆けつけてくれたのか。


「大規模な魔法の発動を感じてただ事ではないと思って……あれは何ですか?」


「一体何が? さっきの魔物は何処へ行ったんですか!?」


 現場にいなかった二人にとってら最もな疑問だが、全部を説明している時間はないな……多分。


(ハーディア、どうすればいい? さっきまでみたいに倒せばなんとかなるのか?)


“そうだね……アイツも祭器の暴走のせいで現れたんだから、祭器を鎮めれば何とか。ほら、あれさ”


 ハーディアに言われた方を向くとが額の辺りに何かが……あれはもしかして祭器か?


“あいつを倒して祭器に手にする、まずはそうしないと”


 なるほど。内部に潜んでいた本体がようやく表に出てきた……ということにしよう。相手が魔物から精霊になったと考えるより大分楽だからな。


(鎮めるっていうのは具体的に何をしたらいいんだ?)


“……それはその時に説明するよ。大丈夫、そこまで来れば僕もサポート出来る”


 なるほど、まずはヤツを倒すことを考えるか。


「……という訳だ。まずはアイツを倒す」


 オレとハーディアの会話はみんなに聞こえていたようだが、今までの経過と合わせて簡単な説明をし、しなければならないことを伝えた。


「……分かりました。私は妨害と回復を」

「僕はルイーザさんの護衛ですね」


 ルイーザとエリオットにとっては十分な説明にはなってないと思う。が、二人も冒険者だ。やらなければいけないことを理解してくれたみたいだ。


「私はレオさんの援護をしますね」


「頼む。負担がかかるかも知れないが、糸を使い分けるかもだから属性は……」


「大丈夫です!」


 アイラが作ったガッツポーズにホッとしながらオレはタイタンの方を向く。丁度奴も変化に終わったようで、オレの方を向──


 ビービー!


 なッ!


 周りの景色がゆっくりになった時には目の前に壁……一体何が!?


(タイタンの拳か! 速すぎだろ!!!)


 オレはとにかく回避する。そして、その瞬間、周りの世界の速度が戻った!


「え? 何!?」「レオさん?」


 突然オレの姿が消えたことに皆が一瞬混乱する。ヤバい。早く立て直さないと!


「オレは大丈夫だ! それより隠れながら戦うんだ! さっきまでとは段違いのスピードだ!」


 そう言いながら建物の影に潜もうとするオレにタイタンが投げた礫が向かってくる。クソッ、このタイミングじゃ回避は無理か!


(頼む!)


 オレの声に応えた祭器が先端を伸ばして壁を作る。よし、間に合っ──


 ガガガガッ!


 祭器の壁は確かにタイタンの放った礫を防御してくれた。が、その凄まじい衝撃は不十分な体勢の俺を吹き飛ばした!


(目を閉じて!)


 宙を飛ぶオレにルイーザの声……念話か。いや、それより──


「〈フラッシュ〉!」


 カッ! 


 まぶた越しでも網膜を焼きそうな白い光の奔流にタイタンの悲鳴が木霊する。よし、効いたか!


(今日も先制(妨害スキル使用時)が出てよかった……)


 とにかく今のうちに体制を立て直さないと。


(ヤツの動きは早すぎる。見てからじゃ無理……というか、目にも止まらない速度だ)


 なら、感じればいい!


「〈糸弾〉!」


 オレは辺りを当てずっぽうに殴りつけるタイタンの周りに糸を張って結界を作る。糸が切れればその反応がオレに分かるという仕組みだ。


(だが、もう一手足りないな)


 これではまだ回避がマシになったかなというレベル。ヤツへの攻撃については未解決なままだ。


(……あれしかないか)


〈ステータス操作(Lv2)〉の力を使う。もうそれしかない。


 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

 「面白い」「悪くないな」「まあ次話を読んでみるか」等などと思われた方、ブクマやポイントをポチッとして頂けれると筆者のモチベが爆上がりします。是非ご一考下さいませm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] タイタンとの戦いですか。強敵との連戦は緊張感があります。 糸使いとしてレオも糸の使い方が冴えわたっておりますね。バトルの勉強になります。 そしてここでステータス操作も加わりどんな戦法を見せ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ