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連携

 レオ、アイラ、ハーディアは連携してフェイクゴブリンキングに挑みます!

(アイラ、準備が出来たら頼む)


 再び〈網弾〉を放ちながらアイラにメッセージを送る。すると……


“分かりました!”


 気合いに満ちたアイラの声。あ、でも……


(悪い。贅沢を言うようだが、属性は……)


“大丈夫です!”


 流石……わざわざ言うまでもないか。魔法のことは事前に共有してあるからな。


「ギギギギィ!」


 フェイクゴブリンキングがイライラした声を上げる……そろそろ本気で来るな!


(何か来る!)


 ヤツが急に体を丸めた! 一体何をする気だ!?


 ビービー!


 再び頭の中でアラートが鳴り、周りの世界の動きがスローになる。


(危機感知!? またか!)


 フェイクゴブリンキングが体を起こして咆哮を上げると同時に地面から岩石で出来た槍が無数に飛び出してくる! 


 ドン! ドン! ドン! ドン!


 ヤツの周囲からオレの方へと槍が飛んでくる。狙いはあまり正確じゃないが、とにかく数が多い!


“レオさん!”


 しまった! 後ろにはアイラがいるのか。回避するのはマズイ!


(だが、この威力……盾は意味ないな)


 建物に穴が開くのを見て、オレは背中の盾に手を回すのを止めた。こうなれば一か八か直撃しそうな槍は〈ブースト〉で叩き切るか……


“!”


 シオンが何か訴えかけたかと思うと、祭器の先端が伸びる。それはまるで壁のように広がって……


 ガン! ガン! ガン!


 祭器に当たった岩石の槍はまたたく間にヒビが入り、崩れていく。スゲーな、こんなことまで出来るのか!


(もしかして……)


 広がった祭器の先端を見て、ふと思いついた! ひょっとしたら、ここから……


「行けっ! 〈網弾〉ッ!」


 大技を放ち、隙を見せるフェイクゴブリンキングに〈網弾〉を放つと、広がった祭器の先端からも〈網弾〉が!


「ギギッ!」


 フェイクゴブリンキングが苛立った声を上げる。ここだ!


(ヘイトの魔道具!)


 オレの魔道具だと効果が見込めるのは下級の魔物くらいだから最近はあまり使っていなかったが、苛立った今ならコイツ相手でも効果があるかも……


「ギギギ!」


 フェイクゴブリンキングの目が血走る。よし! 効いた!


 ビュッ!


 オレはヤツの注意を引きつけながら再び屋根の上に上がる。すると──


 バリバリバリッ!


 背後から雷がフェイクゴブリンキングに襲いかかった!


(アイラ! やったな!)


 規模は小さいが、確かに精霊魔法! それに例え威力が多少低くても……


 ビリビリビリッ!


 体中に巻きつけた〈網弾〉によりアイラが創った雷がヤツの全身を焼く。乾燥していない〈網弾〉は粘度が高い上に電気をよく通すのだ!


「ギ……ガガッ」


 予想外のダメージにフェイクゴブリンキングに大きな隙が出来る……が、残念ながら倒れそうな気配はないか。


(後一押しが必要か……)


 あと一発……何かヤツに痛手を与えられれば勝負が一気に決まる!


(そうだ、角!)


 だが、誤爆を防ぐためフェイクゴブリンキングとは距離をとっている。剣で届く距離じゃな──


(そうだ!)


 オレが思いつくと同時に祭器が姿を変える。先端はスルスルと伸び、適当な長さになった後はボールの様に丸くなる。


(行くぞッ!)


 オレは祭器を振り回す


 ブンブンブン……


 振回す度に溜まる力を逃さないように注意しながらオレは祭器をヤツの角目がけて振り下ろした!


 ドッカーン!


 大砲の様な音を立てて角に命中! すると……


 ピキ……ピキピキピキ……


 何かにヒビが走るような音は次第に大きくなっていく。それと同時にフェイクゴブリンキングの角にも割れ目が現れる。そして……


 パキンッ!


 やった! 折れた!


「ガ……ギギギ……」


 ヤツが白目を向いて仰向けに倒れる。よし! 倒したぞ!


「レオさん! 流石です!」


 アイラ、無事か。


(頼むぞ)


 祭器の先端が手のような形になって伸び、地面を掴む。またたく間にオレはアイラの傍へと着地した。


「アイラこそ完璧じゃないか。火に続いて雷属性まで……凄いよ」


「そんな……レオさんのおかげですよ」


 いやいや、そんなことはないぞ。何があったのかは分からないが、克服したのは間違いなくアイラ自身だからな!


「オレは大したことはしてないさ。全部アイラの力だ。誇りに思って良いんだ」


「……レオさん」


 アイラが額をオレの胸に当てる。その何とも言えない甘酸っぱい雰囲気に鎧越しでも彼女の体温を感じるような……


“……待っ”


 ハーディア!? しまった、忘れてた!


“違う……違わないけど今はアイツ!”


 アイツ……待てよ!


 ゴゴゴ……


 フェイクゴブリンキングの死骸はまだ消えてない。普通死んだ魔物の体はすぐに灰になって消えるはずなのに!


“ヤツは……まだ死んじゃいない!”

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


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 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 今まで研鑽してきた努力が結実した実力による戦闘は、とてもアツかったです。 しかし第二形態がきそうですね。 レオとアイラたちの絆の力が通用するか、刮目いたします。
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