精霊魔法
レオが手入れという名の育成をしていたミスリルの剣の性能は……
さて、毎日手入れしたミスリルの剣のレア度はどうなってるか……
(そう言えば最初はこんな感じだったよな)
◆◆◆
ミスリルの剣(ランク★★★)
ミスリルで作られた剣。魔力を帯びているため、魔法に弱い相手には有効な武器。前衛職にとっては憧れの一品で、持っていることが、一つのステータスとされるほど。攻撃+34
(特記事項)長年手入れをされずに放置されていたため、性能が著しく低下している。元々はかなりの業物。スキル効果で性能に一時的にブーストがかかっている。追加効果 : 切れ味UP(中)
◆◆◆
元はいい剣だが、今は使えなくもないが……というレベルだった。
(昨日見た時は★★★だったな)
手入れをしたからって急に効果が出るわけじゃない。ただ一時的には性能がアップするみたいで、色々調べた感じでは★一つ分くらいは上がるみたいだ。
(よし、じゃあ〈鑑定〉!)
どうなってるかな……
◆◆◆
ミスリルの剣(ランク★★★★★)
ミスリルで作られた剣。魔力を帯びているため、魔法に弱い相手には有効な武器。前衛職にとっては憧れの一品で、持っていることが、一つのステータスとされるほど。攻撃+47 魔法攻撃+10
(特記事項)スキルの効果で元々の性能を取り戻してきている。が、まだまだ真価を発揮出来ていない。スキル効果で性能に一時的にブーストがかかっている。追加効果 : 切れ味UP(中) 武器耐久力UP(中)
◆◆◆
おおっ、性能が上がってる!
(しかも昨日よりレア度も上がってる!)
これはひょっとしてあの日替わり効果の影響か。
(一時的にブーストされる性能が上がってるのか、レア度を向上させる力まで上がってるのかはよく分からないが……)
テキストを見たり、試したりしてる感じだと〈雑用(Lv3)〉の装備品のレア度を上げる効果って一時的に性能を上げる効果と恒常的に上げる効果がありそうなんだよな。
(とにかくステータスを見てみるか)
◆◆◆
レオ 人間(男)
Lv 55
力 39
防御 34
魔力 32
精神 32
素早さ 35
スキル
〈雑用(Lv3)〉
※スキル効果UP(大)・力UP(大)・防御UP(大)・素早さUp(大)•取得SPUP(大)
〈ブースト(Lv3)〉
〈ステータス操作〉
〈鑑定(Lv3)〉
〈アイテムボックス〉
〈糸魔法(Lv1)〉new!
SP 330
◆◆◆
このスキル効果UP(大)っていう追加効果は初めてみたから選んでみたけど、かなり使えそうだな。
(ステータスは今朝追加効果を選んだ時と変わりないか)
後で他のスキルも試して……ん?
(……って〈糸魔法(Lv1)〉?)
何だこりゃ?
“!!!”
ん、シオンか?
“どうしたの?”
(ハーディア!)
え、俺って声出してたかな?
“シオンの気配がしたからね。間近で精霊が動けば気がつくよ”
(そうか、なるほど……)
やっぱり凄い精霊だな、ハーディアは。
“で、どうしたの? 何か面白いことあった?”
好奇心全開だな……でも、まぁ、相談相手としてはこの上ないか。
(実は……)
俺が事情を話すとハーディアは説明してくれた。
“ああ! 精霊の宿主になるとその精霊の持つ魔法が使えるようになるんだ”
が……
“でも、糸魔法なんて聞いたことがない。大体精霊魔法は火とか水とかの属性を持っていることがほとんどだし”
そうなのか。一体どんな魔法なんだろう。
◆◆◆
〈糸魔法(Lv1)〉
糸を創り出す魔法。
◆◆◆
……うーん、分からん。
(まあ、使ってみるしかないか)
元々魔法には憧れがあるし、せっかくシオンがくれた力だ。どう生かすかを考えたいな。
「レオさん、これはどうですか?」
「いや、レオ様にはこちらの方が!」
アイラとエレインが装備を持ってこっちにやってくる。
(二人にも話さないとな)
“だね。選ぶ装備にも影響するし”
そうなのか。まあ、関係なくても話すけどな。
「実は……」
魔法を習得したことを話すと、二人は驚いた顔をした。
「精霊使いじゃないのに精霊と契約し、更に魔法まで!? レオ様、凄すぎです!」
エレインはそう言った後、“そんなレオ様に私はあんな無礼を……また罰が必要♡”等と呟いているが、冗談だよな?
「す、凄いです! 魔法まで! 流石レオさん!」
アイラは軽く興奮気味にそう言うと、肩の辺りにシオンが現れた。ん、どうした?
「勿論シオンも凄いよ!」
アイラがそう言うと、シオンに反応が……
“!”
これは喜んでるのかな。しかし、アイラは流石だな。精霊の気持ちが分かってる。
“アイラは色んな精霊と契約して付き合ってるからね”
(そうなのか?)
意外だ。いつもハーディアといる姿にを目にしていたから……
(他の精霊とも契約ってことは、水属性以外の魔法も使えたりするのか)
“………”
あれ? 何か不味いことを聞いたか?
“……ちょっと色々あって”
珍しいな、ハーディアが口ごもるなんて。なんか事情があるのかな。
(レオに出合ってからアイラは変わった。勿論良いふうに。だから、これからも力を貸して欲しいな)
“ああ、分かった”
珍しく真剣な声色をするハーディアに俺は色々な疑問を呑み込み、頷いた。
読んで頂きありがとうございました!
次話は明日の昼12時に投稿します。
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