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出会い

 以前出会った大量の亜種モンスター。その発生原因とは……

「これはアウルベア亜種の体の中にあったものだ。色々調べたけど、多分これが原因だと思う」


 これがアウルベアを亜種に変化させたってことか……


(ただの石にしか見えないけどな)


 まあ、何らかの魔力が込められているんだろうが、俺には全く分からない。


「確かにちょっと変な感じがするけど……」


 アイラが石を摘もうとするとハーディアが制止した。


「ストップ! 触らないほうがいいよ、アイラ。今はもう死んだも同然だけど、良い物じゃないのは確かだから」


「う、うん」


 そんなに危険なものなのか……いや、ハーディアが過保護なだけだという可能性もあるか。


「で、問題なのはここから。これは自然に発生したものじゃない。誰かが意図して製作し、撒いたものだ」


「……魔物を亜種にする目的か」


 一体誰が得をするんだ、それ…


「これで魔物が亜種になる理屈も分かりませんけど、これを意図的に撒く理由はもっとわかりませんね」


「ああ」


 俺達二人の言葉にハーディアも頷いた。


「とにかく今後これを撒いた犯人と出くわす可能性はある。里の中にいても気を抜かないで」


「分かった」


 一体何が起こってるんだ?


(???視点)


 久しぶりにここへ来るな……


「いらっしゃいませ。依頼ですか?」


「ああ……って君が受付してくれるのか?」

 

 眼の前にいたのは年は若いが、受付嬢ではなく明らかに冒険者。いや、どうなってるんだ。


「はい。クエストの合間だけですが」


 ルイーザと名乗った冒険者は一見たおやかで魅力的な女性だが、年の割には中々の実力者と見た。何でこんなことを……


(まあ、俺には関係ないが)


 とりあえず情報収集だ。


「妙に静かだけど、何かあったのか?」

「……実は」


 何っ……クエスト達成率の低下だと! 一体何が……


(俺はまだ何も仕掛けてないぞ)


 まあ、ホムラを蹴落とすのが俺の仕事の一つだし、悪いことじゃないんだが……


(俺の仕込みは誰かにやられてたし、まあ丁度良いとは言えるが……)


 久しぶりに様子を見に行ったら、いい感じに溢れていた魔物がほぼ全滅していたのには驚いた。


(もう少しでスタンピードだったのにな)


 スタンピードを起こしたギルドは評価が下がる。ホムラの評価を落としたら次は……何ていうギルドだったかな。


「で御用件をお伺いできますか?」

「そうだな……」


 予想外の展開になってるみたいだからもう少し話を聞き出したいな。


(もっとペラペラ喋ってくれる相手の方がやりやすいんだが……)


 まあ、贅沢は言っていられな──


 ドタドタドタ!

 

 奥の方からギルド職員の制服を着たおばちゃんが血相を変えて走ってくる。これはただ事じゃないな。


「ルイーザ、救援要請よ! ここは代わるから直ぐに出て!」


「! 分かりました。申し訳ありませんが、失礼します」


 最後は俺に向けての言葉だ。俺に背を向けるルイーザと入れ替わるように荒い息をしたおばちゃんが俺の前に向き直った。


「申し訳ございません、緊急事態でして。続きは私が伺ってもよろしいでしょうか?」


「ああ、構わない。それにしても、大変そうだね」


「ええ。ちょっとごたついてまして……」


 ふむ。さっきの娘よりは口が軽そうだな……


(まあ、色々教えてもらうとするか)


 もしかしたら、色々利用できるかも知れないしな。


(レオ視点)


 朝食後、俺はアイラと共にルースリーの里をブラブラとしていた。


(しかし、アイラはいい娘だよな……)


 最初は一人で行こうと思ってたのだが、アイラが案内を買って出てくれたのだ。


「あ、あそこのお店の三色団子が絶品なんですよ!」


 アイラがそう言って教えてくれたのは地味ながらもいい雰囲気を醸し出している店だ。


(老舗って感じだな)


 流行りの店よりこう言う店の方が好きかも。行ってみたいけど朝食をちょっと前に食べたばかりだしな……


「じゃあ、後で寄ってみようか」

「いいですね!」

 

 アイラは例によって誰でも虜にしてしまいそうな笑顔を浮かべる。あまりに可愛すぎて何か勘違いしそうになるから怖いよ……


「流石アイラはルースリーの里で育っただけあって詳しいな」


「あ、私はルースリーの里で育ったわけじゃないんですよ。ここで暮らすようになったのは三年くらい前からです」


「そうなのか」


 そう言えば、俺はアイラのことを知ってるようで知らないな。


(生まれ育った場所についてもそうだが、ハーディアとの関係についてもよく分かってないな)


 大体好きなタイミングで具現化できる精霊なんて聞いたことがない。そんな規格外の精霊を使役出来るのは精霊守だからと言う理由ではないはずだ。


(でも、聞いていいことなのかな)


 何か訳ありっぽいんだよな……


「あれ、お前はレオじゃないか!」


 ん、誰だ?

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

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ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 何者かがとんでもない事を企んでいるようですね。 ダグラス家のものでしょうか? それとも別勢力か…… アイラもどんな人生を送ってきたのやら。 箱入りっぽいですが、それくらいしか察せませんね…
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