表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/169

シオン

 アイラの涙で立ち直ったレオ。一件落着に見えましたが……

 一騒動あって、ようやくアメリア様のところへ向かうことになったのだが……ふぅ、大変だった。


「そう言えば、どうやって俺の居場所が分かったんだ?」


“その子が教えてくれたんだ”


「?」


 その瞬間、俺の肩に紫の光球が現れた。


「シオン、お前が?」


“薄々思ってはいたけど、やっぱりレオの意志じゃない……ってことはその子には自我があるんだ”


 自我を持つ精霊……それって


「ってことはやっぱり相当高い精霊ってことですね!」


“まあ、まだまだ成長の余地はあるけどね”


 成長……精霊も人間みたいに成長するのか。何だか意外だ。


「精霊ってどんなふうに成長するんだ?」


「うーん、私はあまり詳しくないですね。“あるがままが精霊だ”って教えられたことはありますけど」


 うん、確かに精霊ってそんなイメージだ。


“表現が難しいけど……周りの影響で強くなったり、弱くなったりってことはあるよ。レオも雰囲気で流されて……ってことはあるだろ”


 なるほど……って何かトゲを感じるな。


“話しかけたり、気にかけたりしてあげたら良いんじゃないかな。存在を認めてくれる誰かがいるかどうかで変わってくるのは人間も精霊も同じだよ”


 そうか……そうだよな。


(助かった。ありがとう、シオン)



(アイラ視点)


 言っちゃった……


 雰囲気に流された感じはあるけど好きって言っちゃった……


 いつも通りを演じてはいるけど、内心ドキドキが止まらない。


(レオさんは私のことどう思ってるのかな)


 聞きたい……けど聞きたくない……


“あのー、アイラ?”


(ど、どうしたの、ハーディア?)


 もう、びっくりさせないでよ! 


“あの……言いにくいんだけどさ”  

 

 ん? 妙に歯切れが悪いのね。珍しい……


“その……伝わってないと思うよ”


 伝わってない? 何が?


“いや、アイラの気持ちがレオには伝わってないと思う”


(え!?)


 どういうこと?


“アイラの意図通りには伝わってないってこと。好意みたいなのは伝わったと思うけど、それ以上は多分……”


 そ、そんな……何で?


“まあ、レオは鈍いよね……こういうことにも鈍そうだけど、自分に対して無茶苦茶過小評価してるから”


 自分に過小評価? 何で? 


(あんなに凄くて優しいのに……)


 うーん、よく分からない。


“その……そもそもアイラがレオのことを好きになるなんてことは有り得ないとか思っていそう。釣り合わないとかそう言うことじゃなくて、そもそも次元が違うというか”


 次元が違う……よく分からない。


(でも、それが分からないと私の想いは伝わらないってことなのかな……)


 ふぅ……私一人が舞い上がっていただけか。


“……アイラ、大丈夫?”


(うん、大丈夫)


 大丈夫じゃない。けど、大丈夫だ。


(だって、それって今まで通りで良いってことだよね)


 正直、残念な気持ちよりも一緒に居られなくなるという不安がなくなった安堵感の方が大きい。


(それにどさくさに紛れて……って何だかズルいよね)


 大事なことはちゃんと場を整えてはっきり言わなきゃ駄目だよね。



(レオ視点)


「失礼しました」


 まずはアメリアさんに急に席を外したことを謝罪する。が、アメリアさんは逆に頭を下げてきた。


「こちらこそレオさんの気持ちを考えず、勝手に話を勧めて申し訳ありませんでした。待ち侘びた人物を眼の前にして浮かれてしまったようです」


 いやいや、オレの事情はアメリアさんには関係ないし、悪いのはオレだ。


 ボンッ!


「まあまあ、とにかく話を先に進めようよ。レオの祭器を選ばなきゃ」

 

 わっ! 急にハーディアが現れた!


「ハ、ハーディア様! 相変わらず神々しいお姿で!」

 

 子犬のような姿のハーディアをアメリアさんは眩しそうに仰ぎ見る。こういうところを見ると、やっぱりハーディアは凄い精霊なんだと実感するな。

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

 「面白い」「悪くないな」「まあ次話を読んでみるか」等などと思われた方、ブクマやポイントをポチッとして頂けれると筆者のモチベが爆上がりします。是非ご一考下さいませm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] シオンは不思議な存在ですね。 物語でどんな役割を果たすのか。 鈍感レオをアイラはどう攻略するのか。 この後のストーリーを楽しみにしております。 まずはどんな祭器を手に入れるのか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ