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ルースリーの里

 皆様のおかげですジャンル別月間一位達成! 応援ありがとうございます! これからも頑張ります!


 辛くもヤバい精霊から逃れたレオ達。しかも、レオには精霊が……一体どうなる!?

“まあ、切れ端だからね。精霊と言っても最下級だし、こういうことが起こったんじゃないかな”


 切れ端……確かにコイツは俺があの厄介な精霊から切り落とした一部だったな。


(でも、切れ端でも精霊は精霊。なんか嬉しいな)


 そんなことを考えた瞬間、紫の毛玉が嬉しそうに跳ねた。


「あ、考えたことが伝わるのか」


「強い力を持つ精霊なら快·不快といったぼんやりとした感情が伝わることがありますが……その子は凄い力を秘めているのかもしれません」


“切れ端とはいえ、あの大精霊の一部だからね。潜在能力は高いかも”


 そうか。じゃあ、これからが楽しみだな。


“……って和んでる場合じゃないよ。追手が来るかも知れないし、早く里に戻ろう!”


 あ、確かにそうだな。



 アイラ達の里、ルースリーは落ち着いた雰囲気の里だった。


(活気は控えめだし、規模もロザラムより少し大きいくらいだ)


 正直、現在の精霊守であるアイラがいる里だったからもっと栄えてるんじゃないかと思ってたんだが……


“思ったのと違った?”


(まあ、少しは)


“ルースリーは色々あって精霊使いの部族の中でも小さいんだ”


(そうなのか。まあ、落ち着いてて俺は好きだけど)


“ありがとう、レオ”


 基本、刺激よりも平穏が欲しい年だからな。おっさんに必要なのは安定ですわ。


「あ、アイラちゃん! アイラちゃんが帰って来た!」


 誰かがそう声を上げると、次々に人が集まって来た。


「無事で良かった……魔物に襲われたりしなかったかい?」


「魔物よりダグラス家だよ! ホムラのサポートがあったと聞いたけど、何もなかったんだろうね?」


 オイオイ、進めねーよ!


「みんな、ありがとう! 色々あったけど、ここにいるレオさんのおかげで無事に旅が出来ました!」


 アイラがそう言うと、集まった人達の視線が一斉に俺へと向いた!


「この人がアイラちゃんを助けた……」

「人間が護衛……」


 や、やっぱりこんなパッとしないアラフォー冒険者がアイラの護衛だなんて信じられないよな……


「ありがとう、イケメンの冒険者さん!」


「顔だけじゃなくて腕までいいなんて、流石アイラちゃんの護衛だな!」


 え、えええ……


(イケメンとか顔が良いとかどうなってるんだ?)


 いや、大事なのはそこじゃないか。エレインには初対面ではボロカスに言われたんだが。


“あの時はエレインはホムラの対応に大分怒っていたから、レオのマナの活性度に気づけなかったんだよ”


 マナの活性度……よく分からんが、それが強さと関係があって、ルースリーの里の人達はそれが分かるってことか。


「ごめんなさい、みんな! 私、早く長に帰還の報告をしないと……」


「そうだね、長も心配してたよ! 早く行ってあげて!」


「確かに……後でいいから寄ってくれよ!」


 ようやく集まった人達が道を開けてくれた。ふぅ、一時はどうなることかと思ったぜ。


「行きましょうか。それにしても相変わらずアイラ様の人気は凄いですね」


「もうっ! 恥ずかしいからそんなこと言わないで!」


 そんな風に言いながらもアイラも嬉しそうにしている。


(みんなに愛されてるんだな、アイラは)


 ……ん? でも前にハーディアはアイラには色々あって自信がないとか言ってたよな。


(こんなに愛されてるのに自信がないなんてことがあるのか?)


 うーん、よく分からない。


「それに私よりもレオさんの方が注目を浴びてるし!」


 確かにあちこちから視線を感じるな。ホムラのときとは違った感じだけど……


“ほらほら、二人共! 早く長のところへ行くよ! まだまだ寄るところがいっぱいあるんだから!”


 何故か俺に向けられる好奇の視線に落ち着かない思いをしながらしばらく歩くと、周りより一際大きな建物が見えてきた。


(屋敷……いや、神殿か)


 いや、精霊守の里なんだから神じゃなくて精霊を祀ってるんだろうけど……


「アイラです。長に取り次いでいただけますか?」


「おおっ、アイラ様。勿論です。さあ、中へ」


 中へ入ると程なく俺達は呼び出され、応接間のような部屋に通された。


「アイラ、無事で良かった!」


 部屋に入るなり、長らしき人はアイラに駆け寄り、彼女を抱きしめた。


「アメリアさん……心配かけてごめんなさい」


「道中襲撃を受けたと聞いた時にはどれほど心配したか……」


「本当にごめんなさい。でも、エレインとはぐれてから直ぐにレオさんが助けてくれて、後は何も危ないことはなかったんですよ」


「確かホムラのギルド職員で……ええっと、今は解雇されて冒険者なのかしら」


 そう言いながら、アメリアさんは俺に視線を向けた途端、急に佇まいを正した。


「なるほど。全て合点がいきました。あなたは“導き手”ですね」


 “導き手”ってまさか俺のことじゃないよな? 

 

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ルースリーの里の価値観が気になるところ。 どういった経緯でこのような特殊な人々が生まれたのか。 そして導き手とは、レオに特殊設定が生えましたね。 アイラを何にどのように導くのか、楽しみで…
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