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精霊使い

 ヤバい精霊を起こしてしまい、追い詰めらるレオ。柱の影に隠れるが、長くは保ちそうにありません。どうする……!?

(どうしたら……)


 その瞬間、辺りで冷気が爆発した!


 ピキーン!


 柱や床、空気さえも凍りつき、身動きを止める。そして、それはあの紫の靄やその触手さえも例外ではなく……


“レオ! 大丈夫!?”


(ハーディアか! アイラは?)


“大丈夫。エレインが見てくれてる”


 エレインも大丈夫そうには見えなかったが……俺のことを心配して来てくれたんだろうな。


“それよりレオ、そいつはまだ一部が微睡んでるだけだ。起きた部分だけ切り取ってしまえば、他は寝たままだ”


 なるほど……って割りと大雑把な存在なんだな。


“そいつは元の堕ちた大精霊の周りに色んな負の感情や堕ちた精霊が集まって出来てるから……いや、そんなことより動きを止めてる間に触手を切って!”


 っ! 確かにな。よし、刃筋を立てて──


 ズ──ガキンッ!


 くっ……硬い。少しは切れたが、威力が足りない!


(そうだ! 〔霊刀〕のスキルのLvを上げれば……)



◆◆◆


〔霊刀(Lv3)〕

 実体のないものに物理攻撃が当たるようになる。また、実体がない相手への攻撃は与えるダメージがかなり増え、クリティカルヒットする可能性が増加する。


◆◆◆



 よし、さらに余ったSPでこれを……



◆◆◆


〔超会心〕

 クリティカルヒットした際のダメージが増加する。


◆◆◆



 さらにLvも上げて……



◆◆◆


〔超会心(Lv3)〕

 クリティカルヒットした際のダメージがかなり増加する。


◆◆◆


 よし、これで……


(待たせた! もう一度やらせてくれ!)


“頼むよ、レオ!”


 行くぞ……


 スパンッ!


 やった! 今度は切れた!


“流石レオだ! 今なら逃げ切れる。背中に乗って!”


 すると、風のような速さでハーディアが……ってデカい! 熊ぐらいの大きさになってるじゃないか!


“力をかなり解放したからね。とにかく早く乗って!”


 俺がハーディアの体に手をかけた瞬間、ハーディアは風のように走り出す。この時、そのスピードに驚いた俺は気づかなかった。俺が切り落とした触手がうねうねと動き出していたことに……



「レオさん、大丈夫ですか!?」


“心配しなくていいよ、アイラ! エレインも落ち着いて”


 合流するなりえらい騒ぎだが、悪い気はしない。


「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」


「や、良いって。何か事情があったんだろ?」


 俺はそう言うが、アイラは項垂れたままだ。


「足を引っ張ってしまい、申し訳ありませんでした、レオ様。どのような罰でも──」


「いや、そんなことはしないし!」


 またとんでもないことを言い出すな!


「結局無事なんだから気にしないでくれ。別に理由を問い質すつもりもないし。勿論、話したければ聞くが」


“ほら、二人共。レオもこう言ってるんだし、頭を上げなよ”


 ハーディアにそう言われると二人はしぶしぶ顔を上げ……ってどうした?


「レオさん!」「レオ様!」


 な、何だ!?


“こいつ、ついてきてたのか!?”


 ついてきた……って


(オイオイまさか!)


 何と左腕に例の紫の触手が絡まっている! これってさっきの……


“……サマ、ケイヤクヲ”


 何だ? ハーディアと同じように頭に声が……


“……ナサマニシタガイマス。ナマエヲオアタエクダサイ”


 ???


 声がかすれていて聞きづらいな……


 パァァァ!


 触手が光を発し始めた。一体何が!?


“レオ、名前だ! その子に名前をつけて!”


 名前だって!?


(名前、なまえ……)


 そんなものいきなり……って言うかこれが何なのかも分からないのに名前なんてつけられるわけ──


「紫苑……」


 俺の口から溢れたのは古い古い記憶に存在する名前。冒険者になる前、生まれ育った村で出会ったある友人の名前……


 フッ!


 光が収まり、俺の肩に紫の毛玉のようなものが現れた。


“ふぅ……良かった”


 ハーディアが安堵した表情を浮かべるが、俺には何が起こったのか分からない……


「えっと、その子はレオさんの使い魔になったんですよ」


 使い魔……?


“簡単に言えば、僕とアイラみたいな関係さ”


 え……マジで?


「それって俺が精霊使いになった……ってことか?」


 精霊使いとは精霊を使役する力と資格を持った人のことだ。ちなみに冒険者に力を与える精霊神とコンタクトできる精霊守は精霊使いから選ばれる。


“いや、違うよ。普通は精霊使いじゃないと精霊を使い魔には出来ないんだけど、レオには何故かそれが出来ちゃっただけ”


 え……何だよそりゃ


「流石レオ様です! 私でも精霊を使い魔にすることは出来ていないのに!」


 そう言うと、エレインは精霊を使い魔にすることが如何に難しいことかを説明してくれたが……正直何で出来ちゃったのかの方が気になるな

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

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 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] これで大精霊じゃないんですか。凄まじい存在です。 まともに戦わなくて何より。 レオのチートがなければ、どうなっていたことやら。 これが仲間になるとは…… レオとどんな関係性を築くのでしょ…
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