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ざまあ

 一難去って……どうなった?

 エレインの爆弾発言を何とか収拾させて迎えた次の日、俺はやや寝不足だった。


(罰を考えておくとは言ったが……困ったな)


 断っておくが、俺が寝不足なのはエレインへの罰を考えていたからじゃない。〈ステータス操作〉を使ってコモンスキルのこと──特にスキルLvを上げていくとどう派生していくか──を調べていたからだ。


(色々試してみるつもりだが、当面はこれが安定するかな……)



◆◆◆

レオ 人間(男)

Lv   55

力   39

防御  34

魔力  32

精神  32

素早さ 35


スキル

〈雑用(Lv2)〉

〈ブースト(Lv3)〉

〈ステータス操作〉

〈鑑定(Lv3)〉

〈アイテムボックス〉


SP 1330


◆◆◆

 


 有用なスキルは他にも色々あるが、状況によって足せるようにSPは残しておいた方がいいしな。それに……


(〈雑用〉と〈ステータス操作〉のどちらのLvを上げた方が良いかな)


〈雑用〉のスキルLvを3に上げるのに必要なSPが1000、〈ステータス操作〉のスキルLvを2にするのに必要なSPが500なので今のSPだとどちらかしか上げられないのだ。


(しかし、どちらも捨てがたい……)


〈雑用〉のLv3のテキストは──


「レオさん、おはようございます。お待たせてしてすみません」


 アイラだ。実は朝食は食堂で一緒にと言われていたので待っていたのだ。


「レオ様、おはようございます!」


 アイラがいるということは当然エレインもいる。今までとは態度が変わったな……いや、変わりすぎだ!


「いや、様とかいらないし」

「いえ、必要不可欠です」


 あ、これ、取り付く島がないやつだな。


「ところでレオ様、私への罰の件ですが──」


「エレイン、先に朝ご飯にしよう。レオさんもお腹減ってると思うし、それに今日の予定も確認しなきゃ」  


「はっ……申し訳ございませんでした、レオ様」


 何処から突っ込んだら良いのか分からねぇ……



(首になった次の日にくるはめになるとはな)


 俺はそんなことを内心で愚痴りながらアイラ達と共に冒険ギルドのドアをくぐる。すると、見たことのない顔をしたギルド長が頭をヘコヘコさせながら現れた。


「精霊守のアイラ様、お越し頂きありがとうございます。昨日はよくお休みになれたでしょうか」


「ザ、ザカリーギルド長……?」


 う、嘘だろ!? あの横柄と横暴が服を着て歩いているようなザカリーギルド長がこんな……


「うるさい、黙ってろ!」


 俺の声が聞こえたのか、鬼のような形相で俺を怒鳴ってくる。そうそう、これが俺の知るザガリーギルド長だ。


(あれ……でも、いつもより勢いがないな)


 よく見たら疲れが顔に出ている……一体何があったんだ?


「貴っ様! レオ様に何という無礼を!」  

「ヒィッ!」


 エレインが怒鳴るとザガリーギルド長は腰を抜かして後退る。お、おい。ビビリすぎじゃ……


「レオさんには私の護衛をお願いしています。失礼な態度は止めてください」


「ぐっ……失礼しました」


 ザガリーギルド長がそう言ってアイラに頭を下げるが……


「謝る相手が違う! レオ様に謝罪するのだ!」


 げ……エレイン何言ってるんだ!


 ギリギリギリ……


 激しい歯ぎしりの音の後、ザガリーギルド長は俺に向き直り……


「も、申し訳ございませんでした」


 ザガリーギルド長が俺に頭を下げる。長年虐げてきた相手が頭を下げる。いわゆるざまぁ展開なのだが……


(普通に怖いわ……)


 パッと見た感じには謝ってるように映るかも知れないが、全身の圧が凄い。もう、“いつか見てろよ”というオーラが立ち上っているんだ。


「真剣味が足りない! お前はレオ様がどれ程のお方なのか分かって──」


 ひぃぃ、止めとけよ! ザガリーギルド長は気が長い方じゃないんだぞ!


「いいって、話が進まない」

「……レオ様がそうおっしゃるなら」


 ふぅ……良かった。


「で、では改めて。わざわざご足労頂きありがとうございます。道中不手際がありましたことを深く反省しております」


「それを次に活かすだけで赦されることだと思うなよ。この件は里の長老にも──」


「エレイン、今は止めましょう。幸いにもレオさんのおかげで私は無事でした。勿論、レオさんはギルドの職員ではないので、ホムラの不手際とは関係がないことですが」


 おおぅ……アイラ、言うなぁ。


(つまり、俺の働きで助かったからと言って、ザガリーギルド長達の失点が回復するわけじゃないってことか)


 もしかして、俺が首にされたことを大分怒ってくれてるのかな。俺の知る限り、アイラはこんな言い方をする娘じゃない。


「さて、要件は確かシステムの不具合でしたね」


 サバサバした声もアイラらしくないが、ザガリーギルド長はむしろ救われたような顔をしている。まあ、自分がしたい話の方へ進んでいるんだから当然だよな。


「はい、実は──」

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

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ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 雑用とステータス操作のさらに上の効果があるとは、想像もつきません。 お披露目が待ち遠しいです。 エレインは忠犬染みたキャラになりましたね。 しかしギルド長は何を思っているのやら…… そし…
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