買い物
ようやくアイラと合流! しかし……
「良かった! 探したんですよ!」
嬉しそうに笑うアイラは例えようもないくらい可愛い。可愛い過ぎて思わず、“あまり無防備に笑顔を振り向かないように”だなんて注意したいくらいだ。
「悪い。宿を決めたら冒険者ギルドに伝言を残そうと思ってたんだが」
「いやいや、良いんですよ! 元はと言えば私達が悪いんですから」
「フンッ!」
最後のはエレインだ。結局エレインが俺の同行に納得しなかったから俺達は一旦別行動をとることになったんだ。
「やっとエレインも納得してくれました! 改めて護衛をよろしくお願いします」
「フンッ! その前に本当にLvが50を越えてるのか確かめさせてもらおうか!」
エレインはそう言いながら半信半疑という様子で俺に詰め寄ってくる。
(まっ、Lvだけならいいか)
スキル欄を見せると色々面倒くさそうだしな。ちなみに俺のステータスは今こんな感じだ。
◆◆◆
レオ 人間(男)
Lv 55
力 39
防御 34
魔力 32
精神 32
素早さ 35
スキル
〈雑用(Lv2)〉
※危機感知・力UP(中)・素早さUp(中)付与中
〈ブースト〉
〈ステータス操作〉
〈鑑定(Lv3)〉
〈アイテムボックス〉
SP 1370
※ 特殊条件 : リベンジ達成ボーナス1000
※ 亜種モンスター初討伐ボーナス50
◆◆◆
〈鑑定〉と〈アイテムボックス〉を選んだ理由は──
「Lv55……確かにな。仕方ない。アイラ様をここまで守ったことに免じて護衛に加わることを許してやるが……足手まといになったら斬るからな!」
「ちょっとエレイン!」
はぁぁ。まあ、護衛に加えて貰えたらだけマシか……
「分かった。気をつけるよ」
そんな返答をしてみたのだが、やはりお気に召さなかったようで思いっきり顔をそむけられてしまった……
(これから一体どうなるんだろう……)
必死で俺に頭を下げるアイラを止めながら、そんな考えが頭をよぎった。
※
「何故アイラ様が貴様の用事に付き合わなければならんのだ……」
あの後、俺が防具を見に行く途中だというと、アイラが一緒に行きたいと言い出したのだが……どうもエレインはそれが気に入らなかったらしい。
「私に合う防具が見つかるかも知れないじゃない」
「こんな街にエレイン様がお持ちになられているもの以上の品があるわけがありません!」
一見エレインの発言は失礼な発言に思えるかも知れない。ただ、これは事実ではある。アイラの装備は飾り気はあまりないが、一目でかなり上質の装備であることが分かる品だ。例えば、アイラの着ているローブを〈鑑定〉で見てみると……
◆◆◆
精霊のローブ(ランク★★★★★)
精霊の加護を得た布地で作られたローブ。常に低位の精霊が集まるため、かなりの魔法防御力がある。防御+32 精神+57
◆◆◆
やっぱり凄い品だな。
(★★★★★か……ロザラムなら★★★★があるかないかだな)
★★★★★ともなればAランク冒険者が身に着けるような装備。店で買える装備としては最高級と言える。
「いらっしゃい……ませ」
扉を開けた俺達を向かえた店長の声が急に丁寧になったのはアイラが目に入ったからだ。精霊守とは知らなくても、この美貌を見れば只者でないことくらい分かるだろうな。
「レオさん、どんな鎧が欲しいんですか?」
いつもなら無骨な店長から聞かれるような台詞がアイラの口から出てくる。何だが、これ以上のミスマッチってないよな。
「そうだな……軽くて丈夫な鎧がいいな」
素早さはまあまああるからそれは活かしたい。だが俺は基本前衛だし、おまけに今は護衛だから、アイラを庇う可能性もあるわけで鎧の丈夫さも重──
「馬鹿か。丈夫なら重くなり、軽くなれば防御力が下がるのが鎧だ」
割って入ったエレインにバッサリと否定された。まあ、たしかにそうなんだが。
「もう、エレイン! 動きを損なわない程度の重さの鎧ってことでしょ!」
アイラはエレインに怒ると店内を見始める。
(鎧の見方とか分かるのかな?)
後衛だから分からなくても無理はないが……
(あ、これとか良いかな)
俺が手に取ったのは胸当てのようなタイプの鎧だ。これなら動きを妨げないし、防御力も確保出来るしな。
(じゃあ……〈鑑定〉!)
さっきは言いそこねたが、俺が〈鑑定〉を習得したのはこうやって品物を調べるためだ。
◆◆◆
鉄の胸当て(ランク★★★)
防御力と身軽さを両立させる部分鎧。値段も手頃なため、この店でも人気の商品の一つ。防御力+34
(特記事項)急造品のため、耐久性が低い
◆◆◆
あ、これは駄目だな。
読んで頂きありがとうございました!
次話は明日の昼12時に投稿します。
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