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顔が良い男

 無事冒険者ギルドに帰ったレオとアイラが出会ったのは……

 それからは特に魔物に遭うことなく、俺達は無事にロザラムに辿りついたのだが……


「……何か騒がしいな」


 とりあえず冒険者ギルドに向かったのだが、いつもと様子が違うな。


「どうしたんかな……何かあったのかな?」


 ルイーザも異変を感じてるみたいだな。一体何が……


「まあ、とにかく入ってみるしかないか」


「だね」「そうですね」

 

 皆とそう確認し、ギルドに入ると……


「あっ、ルイーザ!」


 受付嬢の一人が慌てて近づいてくる。この人は確か副ギルド長のメアリーさんだな。


「大丈夫なの!? 貴方だけ帰って来なかったから心配してたのよ!」


「危ないところを運良く助けてもらえたの」


「助けて……って誰に? トーマス達を連れたギルド長だってやられて帰って来たのに!」


 え、ギルド長が?


「レオさんがやっつけてくれました……格好良かったんですよ!」


 いや、ルイーザにも助けてもらったし、アイラにも頑張って貰ったぜ。


「えっ……レオさんが?」


 メアリーさんが戸惑った顔をするのも無理はない。彼女が知る俺の実力なら考えられないことだもんな。


「実は……」


 俺が説明しようとしたその時、突然二階にある貴賓室のドアが開いた!


「アイラ様!?」


 貴賓室から出てきた赤毛の女性はアイラの姿を見るやいなや、飛び降りる! おいおい、二階までは四、五メートルはあるぞ!


 トンッ!


 赤毛の女性は難なく着地すると、凄まじい勢いでアイラの元へ駆け寄った!


「よ、よくぞご無事で! 怪我は! 怪我はありませんか!?」


「ちょっ、ちょっと、エレイン!」


 服の下を改めようとする赤毛の女性をアイラが慌てて制止しようとする。が、正直目のやり場が……でも、放っといていいのか?


「何だ、貴様! 何を見てる!」


 あ、バレた。


(見てたというよりも、目の前で繰り広げられてただけなんだけどな)


 まあ、そんな言い訳通じるわけもないが。


「エレイン、この方はレオさん! レオさんのおかげで私は無事にここまで来られたの!」


「この男のおかげ……?」


 エレインと呼ばれた赤毛の女性は胡散臭そうな目を俺に向ける。


 使い古した年代物の革鎧、腰に帯びたミスリルの剣、それに顔……


(あ、これダメなやつだ)


 キリリとした眼差しがまるで俺を射殺すように鋭くなる。やっぱり俺ってブサイクでパッとしな──


「アイラ様。道案内程度で素性の知れないものを信用なさってはいけません。顔が良ければなおさらです」


 ん? 今なんて言った?


「違うの、エレイン! レオさんは本当に凄くて、ほらハーディア! 出てきて説明して!」


“むにゃむにゃ……現在睡眠負債を返済中……”


 そう言えば今までは無理して長い間具現化してたからしばらく休むって言ってたな。


「剣を持っているので、戦闘には加わったのでしょう。魔物の注意をひくくらいのことはしたのでしょうが、ハーディア様とアイラ様がほとんどの魔物を倒されたのでは? 助けられたのはこの男のほうでしょう。これだから顔のいい男は!」


 あ、やっぱり聞き違いじゃないんだ。


(ザガリーギルド長達には団子っ鼻ってバカにされてたんだけど……変わった美的センスの人だな)


 ちなみにエレインは顔立ちがキリリとした美女だ。可愛いというよりカッコいい。男だけでなく、女性にもモテそうだ。


「違うの! ランドタートルやクロムレイヴンだってどんどん倒しちゃうし……最後はアウルベアの亜種だって一対一で! あ、それとレオさんはギルド職員だから身分は確かだよ!」


「ギルド職員!?」


 あれ、目つきが更にキツくなってない?


「貴様、この嘘つきかつ不誠実かつ恥知らずなギルドの職員か?」


 え、どうなの? 何か首って言われたような気がするけど……


「た、多分な」


「多分とはなんだ、多分とは! お前、顔が良いからってそんな答えで私が折れるとでも思ってるんだろ! 舐めるなよ!」


「止めて、エレイン! 確かにレオさんはかっこいいけど、それとこれとは何の関係もないの!」


 何だ、このカオス展開……って、アイラ今なんてった?


(ザガリーギルド長視点)


 トントン


 ギルド長室のドアがノックされる。誰も来るなと言ったはすだが……


「ギルド長、メアリーです。至急お耳に入れたいことが……」


 正直怒鳴りつけてやりたいが、今メアリーに辞められたら困る。聞くしかないか。


「分かった、入れ」


 俺はベッドから身を起こした。怪我は既に回復魔法とポーションで癒えているが、精神面は絶望的だ。


(一体これからどうすれば……)


 見つからない精霊守、下がり続けるクエスト達成率、それに……


「精霊守がご到着されました」


 何!?

 読んで頂きありがとうございました!

 次話は明日の昼12時に投稿します。


◆お願い◆

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旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] ここでもレオはイケメン扱いされますか。 これも精霊守関連の伏線だったりするのでしょうか? そしてついにギルド長との対面。 読者としてのオタノシミはここからもですね。
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