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自信

 とりあえずSPはふらずに迎えた翌朝。出発の準備を整えた俺がステータスを開くと……


◆◆◆


レオ 人間(男)

Lv   29

力   23

防御  21

魔力  20

精神  20

素早さ 22


スキル

〈雑用(Lv1)〉

※徹甲・攻撃力UP付与中 new!


SP 158


◆◆◆


 ちなみに徹甲とは“攻撃時に防御力無視してダメージを与える”という強効果だ。


「あ、今日も〈雑用〉の効果が発動してる。しかも、昨日と違うね……面白いなあ」


 ハーディアはアイラのステータスを覗き込みながらニヤニヤしている。何が面白いんだ?


「ごめん、でもあまりアイラには役に立たない効果だよな」


 アイラは魔法による攻撃が主だから“徹甲”の恩恵が得られないのだ。


「そんな! 魔物の注意を引き付けて貰えるだけで十分ありがたいです! むしろお世話になりっぱなしで、お役に立てるかどうか……」


 お世話……SPが大量に手に入ったことかな? でも、まあ、あれはたまたまだし……


「アイラ、謙遜しすぎだよ。昨日〈下級精霊魔法〉のスキルLvを上げて新しい魔法を覚えただろ? 今日はレオに負けない活躍が出来るはずさ」


「活躍って……大体新しい魔法を覚えられたのはレオさんのおかげなのに」


 アイラはそう言って顔を伏せる。すれと……


“レオ、フォロー!!”


 えっ、フォロー??? えっと……


「昨日もアイラには助けられたし、今日も頼りにしてるよ」


 彼女いない歴=年齢の俺にはこの程度が精一杯。だが……


「ほっ、本当ですか! レオさん!」


 わ、わっ! 近い!


 まるでキスしそうな位置まで距離を詰められた俺は反射的に後ずさったのだが、手を握られているのでどうにもならなかった。


「私、今日も頑張りますから見ててくださいね!」


 うわっ……なんて可愛い顔をするんだ。こんな顔を向けられたら好きにならない男なんていないんじゃ……  

  

“レオ――ッ!”


 はっ、危ない!


「ああ。……あの、そろそろ手を」

「あっ! 私ったら!」


 顔を赤くしながら慌てて手を離す仕草も可愛らしい。本当にいい娘だな。

 

(……手、柔らかったな)


 だが、そう考えた瞬間、また殺気を感じたため、俺は慌てて余計な思考を頭から追いやった。



「〈雨弾〉!」

 

 大量の水弾がランドタートルへ降り注ぎ、一体、また一体と撃ち倒していく。


(新しい魔法は範囲攻撃が出来るのか……)


 ハーディアが自慢していたのも納得する威力だな。


(でも、こんな凄い魔法を覚えたのに何でアイラはあんなに謙遜していたんだろう……)


 謙遜というより、いっそ……


“色々あってね。アイラは自信がなかなか持てないんだ”


 自信が持てない? あんなに可愛くて魔法も使えておまけに精霊守。ちやほやされてもおかしくない気がするが……


“だから、僕はアイラに自信をつけたくて……アイラはレオのこと、気に入ってるみたいだし、協力してくれると嬉しいな”


 アイラが俺のことを……? いやいや、有り得ないだろ。だけど、どうもアイラに自信がないというのは確かっぽい。


(役に立てるかは分からないが……出来ることならやるよ)


“ありがとう、レオ。やっぱり君はいい奴だな”


 お前もな……まあ、ちょっと過保護過ぎるけど、それもアイラに自信がないことと関係してるのかもな。


“……! レオ、新手だ!”


(分かってる!)


 こんな会話をしていても戦闘は継続中だ。スキルのおかげで甲羅を豆腐のように裂くことが出来るとはいえ、数は多い。相手の攻撃をかわしながら剣を振らなくてはいけない。


 ズバッ! ブンッ! スパッ!


 厄介なはずの魔物だが、今の俺達にとっては楽な相手だ。


(油断は禁物だが……正直いい稼ぎ相手だな)


 戦っていると、レベルアップするたびにバイブするように設定した冒険者プレートが何度も振動する。野営地についてステータスを見るのが楽しみだ。


 休みを挟みつつ、昼ごろまで戦い続けると、ようやく次の野営地が見えてきた。



 グツグツグツ……


 野営地についた俺は鍋でランドタートルの肉を茹でている。ランドタートルの肉は知る人ぞ知る珍味。調理がちょっと面倒くさいが、グルメが大枚をはたいて求めることもあるのだ。


(料理は雑用じゃないから手早くはならないんだよな……)


 肉を切ったりといった下ごしらえは〈雑用〉が発動して手早く出来た。多分、これで明日も何らかの効果を得られるだろう。


(SPはどうするかな……)


 ちなみに今のステータスは……


◆◆◆


レオ 人間(男)

Lv   29

力   23

防御  21

魔力  20

精神  20

素早さ 22


スキル

〈雑用(Lv1)〉

※徹甲・攻撃力UP付与中


SP 503

※ランドタートル連続撃破ボーナス


◆◆◆


 ランドタートルの方はパラライズクロウラーより数が少なかった分、昨日より得られたSPが少ないと思ったのだが、そうでもない……というか、何だこの数字は。


(そう言えば、〈雑用〉のスキルLvを上げるにはどれくらいのSPがいるんだろう)


 普通、スキルLvを上げるには習得に必要なスキルの半分程度。だが、〈雑用〉はSPを払って覚えたスキルではないので正確なところは分からない。


(まあ、20〜30ってとこだろう。50ってことはないだろうな)


 そう思いながらステータスを操作すると……


◆◆◆


〈雑用(Lv1)→〈雑用(Lv2)〉 

 SP503  →SP3


◆◆◆


 なっ……何ぃ!? 

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旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




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