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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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案内は任せた

 落とし穴に落ちたアイリスの後を追うべく、正人はロープを使って落とし穴の下に降りる。続くのはユーリ、里香、美都の三人。残りは四人を引き上げる役として待機だ。


 全員が無事に穴の底に到着すると、正人が発見した細い通路の前まで案内する。


「青いマーカーは発見したときから移動していないようです。中に入りましょう」


 先頭は正人、その後ろをユーリが続く形で通路に入る。高さは一メートルほどなので、中腰の状態で進まなければならない。この場でモンスターが出現したら戦うのは困難だろう。


 通路は曲がりくねっていて、迷路のように分岐もしている。正人は目印をつけながら紙に簡易的なマップを描いていくと、


『マップ:一度訪れた場所であれば、どこにいるかわかる』


 新しいスキルを覚えた。脳内に沖縄ダンジョンのマップが広がる。ほとんどは黒く塗りつぶされているが、正人が訪れたことがある場所には通路などの詳細が描き込まれている。現在歩いている通路も記録されているので、このスキルがあれば帰り道に迷うことはないだろう。


 もう地図を描く必要はないのだが、急に止めてしまえばユーリが不審に思ってしまう。もう既に遅いとはわかっているものの、正人は隠し通す努力は最後まですると決めて、地図の作成は止めない。そのため歩くスピードは遅いままだ。


「あの女は移動しているか?」

「いえ、場所は変わっていません。止まったままです」

「おかしいな……休憩にしては長すぎる」


 自己回復スキルを覚えていることもあって、傷で動けないという可能性はない。逃げ続けて疲れたから休んでいたと考えていたユーリだが、それにしては長すぎる。完全に振り切ったと安心して油断しているのであればよいが、別の理由であれば厄介だ。


「どう思う?」


 結論が出ないユーリは、この場で最も状況が把握できている正人に聞くことにした。


「わかりません。ですが、落とし穴に落ちた先で新たな罠を仕掛けているとは考えにくいので、彼女にとって不測の事態があった可能性は高いと思います」

「確かにそれはありえる。こういった隠し通路には、強力なモンスターが出現する場合が多いからな」


 ユーリの発言で正人は巨大なスケルトンと戦った時のことを思いだした。あの時も、ダンジョントラップとも言えるような形で地面が崩壊し、戦うことになったのだ。今回も同様のことが起こっても不思議ではない。


 強力なモンスターと出会っていても不思議ではない状況ではあった。


「急ぎましょう」

「おう。俺も道は覚えておく。案内は任せた」


 アイリスに死なれてしまえば美都の強奪スキルは使えない。万が一、盗んだスキルを彼女が覚えていた場合、取り戻せなくなるのだ。そうなったら今回の仕事は失敗となってしまうので、それだけは避けたかった。


 新しく覚えた『マップ』と『索敵』のスキルを組み合わせ使い、複雑な通路を進む。時間にして十分ほどで青いマーカーがある場所にまで着いた。


「これ……は」


 細い通路を抜けた広い空間に、白い蜘蛛の糸に縛られたアイリスが横たわっていた。近くでは全長が二メートル以上はある真っ黒な大蜘蛛と黄色に黒いまだら模様のある大蛇が争っている。


 モンスターが人を襲うことはあるが、モンスター同士が争う姿は目撃されたことがない。あり得ない光景に、正人はまた罠があるのではないかと疑ってしまい、すぐに動き出せなかった。


「モンスター同士が争うなんて……」

「俺でも初めて見た。理由が分からん」


 里香のつぶやきにユーリが反応した。ベテランのユーリでさえ初めて見る光景だと知り、正人や里香はさらに驚く。


「ビックリしたのはわかるけど、あれ、放置で良いの~?」


 美都が言ったあれとは、簀巻すまき状態になっているアイリスのことだ。大蜘蛛の足下に転がっていて、今にも踏み潰されてしまいそうだ。彼女は身動きが取れず恐怖で顔を引きつらせながらも、モンスター同士の戦いを見ていた。


 モンスターは戦いに集中しているため正人たちに気づいていない。

 隠れて近づけば救出できる可能性はある。


「私がいきます」


 宣言すると正人はスキルを使う。


 ――隠密。


 存在感が一気に薄くなった。無傷だったナイフと復元スキルで修復したナイフを両手で持ち、静かに移動する。


 大蛇が口を大きく開いた。上下にある黄色い牙から毒の液体がしたたり落ちる。警戒した蜘蛛は数歩下がり、足が正人の目の前にくる。数センチずれていたら当たっていただろう。


 モンスターの動きを予測しながら正人は慎重に進むが、モンスターは待ってくれない。大蛇が蜘蛛の大頭にかぶりつき、苦しみながら蜘蛛の足が無軌道に動き出した。このままだとアイリスが踏み潰されてしまう、隠密の効果が切れるとわかった上で、正人は一気に動いた。


 全力で走り、アイリスを抱きかかえようとするが、体を動かして抵抗されてしまう。思うように運べず正人が戸惑っていると、大蜘蛛の足が二人をまとめて踏み抜こうとする。


 ――自動浮遊盾


 青い半透明の盾が頭上に集まり、足を受け止めた。と、同時にモンスターが異物の存在に気づく。


 大蛇が首を上げて大蜘蛛を持ち上げると、地面に叩きつけようとする。その下には正人がいた。


「正人さんッ!」


 短距離瞬間移動の効果は本人のみ。体が密着していても他人には使えず、逃げ出せない。正人は自動浮遊盾の強度を信じるしかなかった。


 大きな衝撃音とともに土煙が舞う。大蛇は動かなくなった大蜘蛛から口を離すと、尻尾を持ち上げる。


「蜘蛛ごと正人を叩き潰すつもりだ!」


 今から走っても間に合わない。ユーリはスキルを使うのと同時に短槍を投げる。


 ――魔力爆発。


 短槍が降下中の尻尾に当たり、爆発。鱗が飛び散り軌道が横にずれる。地面を叩きつけた。


 横やりを入れられた大蛇は、ターゲットを正人からユーリに変える。


「いいぞ、こっちにこい!」


 ユーリは挑発しながら後ろに下がる。前には里香が立つことになった。


「ってことで、俺は武器がないからお嬢ちゃんに任せた!」


 喧嘩を売るだけ売って、他人に任せたユーリをジト目で見る里香だったが、大蛇が動き出したので意識を切り替える。


 無茶振りをされたが正人を助けるためだと思えば、やる気は出てくる。全力で戦おうと決めていた。



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