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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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海や川で遊ぶのも楽しいですよ?

 翌日の昼。正人たちが泊まっている部屋にユーリが一人でやってきた。


 大きめなサングラスをかけており、アロハシャツとハーフパンツにサンダルというラフな格好をしている。バカンスを楽しみに来た観光客の様に見えるが、好きだから着ているわけではない。仕事できたと悟られないための工夫の一つだった。


「いや~。この部屋はクーラーが効いてていいな。外は暑くてたまらん」


 ユーリはソファーに座るとオレンジジュースの入ったペットボトルを飲む。リラックスしていて緊張とは無縁のように見える。


 ローテーブルを挟んだ先に正人たち四人が並んで座っているが、ユーリとは反対に緊張した面持ちだ。どんな無茶ぶりをされるのか、心配で仕方がないと言った心境だ。


「真夏の沖縄ですからね。一歩でも外に出たら汗が止まりません」


 四人を代表して正人がユーリの言葉を返した。


「だな。俺は暑いのは苦手だし、北海道に引きこもりたいぜ」


 ユーリの肌は太陽に弱い。陽に当たるとすぐ真っ赤に腫れてしまうこともあり、沖縄に入ってからは強力な日焼け止めを塗って、日陰が多い場所を歩くといった苦労をしていたのだ。


 長袖を着れば良かったのだが、ユーリがイメージする観光客スタイルを貫くために、そこはあえてアロハシャツとハーフパンツスタイルを選んでいる。


「海や川で遊ぶのも楽しいですよ?」

「お前たちみたいに若くないからな。俺は避暑地で酒を飲みながら、何もせずに一日を過ごすだけで良いんだよ」


 探索者業で激しく体を動かしていることもあり、休日のユーリは家でゴロゴロとして引きこもっていることが多い。アウトドアには興味がないので、観光地にきても飲みに行くぐらいしか楽しみがないのだ。


 もう一度、ユーリはオレンジジュースを飲んでから、ソファーの背もたれに体重をあずけて足を組む。すーっと目が細くなった。


「休みボケのお前たちに、親切な俺が改めて仕事の説明しよう。探索協会が保管していたスキルカードを盗んだバカがいることは覚えているよな?」


 沖縄に来た理由につながるので忘れるはずがない。正人は首を縦に振って肯定すると、ユーリは淡々とつまらなさそうに話を続ける。


「今回の仕事はスキルカードを持っている犯人の確保だ。沖縄から船で逃げ出す計画があることまではつかんでいる」


 都内ではなく沖縄から国外に逃亡する計画を立てた理由は明白だ。主要都市の空港や港は警備は厳重でレベル持ちの警官も多く、捕まるリスクが非常に高いのだ。


 一方、沖縄であれば不人気ダンジョンのおかげで探索者は少なく、レベル持ちの警官はほとんどいない。仮に警官に捕まったとしても逃げやすい状況なのだ。


 さらに有名な観光地ということもあり、見知らぬ人がいても気にする人は少ないこともあって、国外逃亡に利用する場所として選ばれたのだった。


「そこまで分かっていると言うことは、犯人の居場所も分かっているのですか?」

「もちろんだ。先に現地入りしていた川戸が潜伏先まで調べ上げているから、後は突撃するだけだな」


 自動浮遊盾のスキルを正人に見せた川戸は、誰より先に沖縄に入り、入念に犯人の潜伏先を調べていた。昨日になってようやく居場所が判明したのだ。


 連絡をもらったにユーリはすぐに作戦を決めていき、後は戦うだけという状況になっている。


「これからお前たちに依頼したい内容を話す。この地図を見てくれ」


 バッグから大型のタブレットを取り出したユーリは、テーブルの上に置くと地図アプリを立ち上げた。


 指を動かし沖縄の地図を表示させると、一つの港を指さした。海外のフェリーが入るようなターミナルで利用者が多い場所だ。


「明日の昼過ぎに大型のフェリーに乗って日本を出て行くらしい」


 地図を拡大すると、港から少し離れた場所でユーリの指が止まった。


「で、潜伏場所はここだ。閉店したバーに住んでいるらしい。人数は判明しているだけで三人だ」


 正面は通りに面しているが、周囲に建物はなく正面は車でしか来れないような場所にあった。勝手に住み込んでも気づくのに時間はかかるだろう。


 ユーリたちがスキルカードを盗んだ犯人と戦闘になったとしても、目撃される心配は少ない場所でもある。「思う存分戦えるぞ」とユーリは言いながら正人たちの役割を伝える。


「俺たちは正面から襲撃をかける。お前たちは逃走ルートになりそうな、ここで待機をしていてくれ。バーと言ったが二階建ての建物だ。上から飛び降りてくる場合もあるから気をつけるように」


 指定された場所は店の裏側だった。隠れるような場所はなく、もし犯人が裏口から逃げ出したらすぐに気づかれてしまうだろう。そうなったら戦うか、もしくは逃げる相手を捕まえるかの二択になる。


「もし犯人がこっちに逃げてきたら?」

「許可を取ったのでスキルを使ってでも足止めをしてくれ」


 危険だからと言う当たり前の理由で、探索者はダンジョン外でのスキル使用は禁止されている。もしこの法を無視したら捕まってしまうのだが……何事にも例外はある。今回は探索協会の威信がかかっているということもあり、探索協会が裏から手を回して特別に使用許可を得たのだ。


 ユーリが小さな名前と顔写真入りのカードを四枚置いた。

 スキル使用許可書と書いてある。


 これを持っていればスキルを使用しただけでは捕まらない。多少の暴力までは許容してもらえるが、流石に殺してしまえば犯罪者として捕まってしまうので注意が必要だった。


 正人はカードを受け取って三人に配ってからユーリを見る。


「決行日はいつですか?」

「もちろん今晩だ。フェリーに乗って逃げる前に潰す。俺と一緒に向かうぞ」


 面倒な説明が終わりようやくユーリが笑った。その目は、初めて共闘したときと同じような好戦的なものだった。

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