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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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焼き肉美味しいですね

「目をつけられない……ユーリさんほどのベテランでも協会は怖いんですか?」


 正人の直接的な指摘に、苦笑いした。

 間を置くために店員を呼ぶと追加注文をする。


「当然だな。探索者を続けるのであれば、命令には決して逆らうなよ。と言っても実感は、わかないか……まぁ、少し話してやる」


 昔を思い出すかのように、青い目がやや上を向く。


「ある日、協会のお偉いさんから協会が選んだ有望なヤツをサポートしろって命令がきたんだよ。要は新人教育だな。本当に全員有望なら良いんだが、たまにゴミのようなヤツもいてな。そんときは苦労したわ」


 正人は話を聞きながらも、ユーリが探索協会幹部のお気に入りとだと噂されていることを思い出した。


 一方的に使われているのか、相互にメリットがある共存する関係なのかは不明だが、あながち的外れな噂ではなかったと確信した。


 この場で関係を探るようなことをして、探索協会に目をつけられたら怖い。噂については触れることはせず、質問をする。


「だから、私にも声をかけたと?」


「まぁな。信じる、信じないは任せるが、そんな感じだ」


 やっと分かったかと、言わんばかりの笑みだ。


 偶然見かけて声をかけたわけではなく、狙いがあったことに、正人は安堵した。

 目的が分かれば、正体不明の人物から「上に逆らえない探索者」といったラベルが貼られることになり、理解できる範疇に収まるからだ。


 だが理解できるからといって、正人が予想する事が合っているとは限らない。そんなことは彼も分かっているが、一時的にでも信じようと思えるほどの変化はあった。


「ここまで説明してもらえたんですから信じます。里香さんはどう?」


「同じです。説明してもらった内容に嘘はないと思いました。冷夏ちゃんやヒナタちゃんにも声をかけていますよね?」


「おう。里香ちゃんの後にコンタクトを取った。ついでに言うと、誠二君にもな。そいつらにも同じことを言ってるぜ。な?」


「そうですね。二人から話は聞いています」


 里香は双子の二人から、誠二に連絡をとっていることは聞いていたため、ユーリの発言の裏は取れていたのだ。


 彼が包み隠さず伝えたことで、里香は信じても良いと思った。


「納得してくれて嬉しいよ。この前言ったメリットも嘘ではない。が、本来は協会のジジィどもに頼まれているんだが……どうする?」


 関係を続けるか、ここで分かれるか、判断を迫られている。


 彼が今まで言ったことに何一つ嘘はなかった。他から聞いた話と整合性がとれている。人当たりも問題はなさそうだ。


 二人は良き先輩、アドバイザーとして頼っても良いのではないかと決断した。


「「お世話になります」」


 偶然にも声はそろっていた。


 ユーリは「ほんと、お前ら仲が良いな」と呆れてから、片手でジョッキを持つ。ずっと肉を食べ続けていた仁、和則は何を話していたのか聞いていない。内容は理解していないのだが、空気を読んでジョッキを持った。


「うっし! じゃ、改めて乾杯だな!」


 この挨拶によって、今後もお互いに交流を続けることが決まった。

 お互いを探るような会話はなくなり、もっと踏み込んだ内容に変わる。


「でだ、お前らは二人でずっと活動を続けるつもりか?」


「もっと先に進みたいので、増やしたいとは思っています」


「そうか。なら早めの方が良い。危機を乗り越えた数が信頼関係の強化に繋がる」


 探索者に限っての話ではあるが、過ごした時間より質を重視する傾向にある。トラブルもなく長年だらだらとパーティーを組んでいた人間より、一度でも危機を一緒に乗り越えた人間を信頼できる相手だと評価するのだ。


 危機だけではなく、未知のエリアを探索でもよい。要は、何が起こるか予測がつかない状況。頼れるのはパーティーメンバーだけ。モンスターと戦いさらに奥へと進む。そういった経験を積み重ねることによって、本物の関係が作られていく。


 そういった考え方が、ベテランになればなるほど強くなっているのだ。


「お前たちの場合は、さっきの三人が良いだろう」


 そういった考えを持っていれば、誠二、冷夏、ヒナタをお勧めするのは不思議ではなかった。


 オーガの特殊個体という特大の危機を乗り越えたのだから、ゼロから探すより良いだろう。


 正人も理解できないといったわけではない。一考の余地はあるとは思っている。だが即決には至らない。


「あの三人ですか……」


 脳裏にレベルアップ時の暴走が思い浮かぶ。あれは正人にとって苦い思い出だった。


 次に里香がレベルアップした時に暴走するかどうかは分からない。暴走する場合もあれば、しない場合もある。確率は不明。博打のようなものだった。


 そういった不安を抱えているなかで、過去にトラブルのあった相手をパーティーメンバーに加えても大丈夫なのだろうか。そういった疑問、不安が正人を悩ます。


 この話題について里香がどう思っているのか知りたくなり、横目で見ると――。


「冷夏ちゃんとヒナタちゃんの二人なら賛成です」


 夜な夜な女子会をする相手ということもあり、二人の参加は前向きだった。逆に、弓を射かけた誠二はどうしても入れたくないといった意思を正人に伝える発言でもある。


「……もう一度、一緒に行動してみる?」


「そうしましょう! 家に帰ったら相談してみますね!」


 正人の賛同を得られて喜ぶ里香。お互いに見つめ合う。


「よし! 話はまとまったようだな」


 二人の世界を壊すようにユーリが割り込んだ。


「他にも色々とアドバイスしたいが、まぁ、先ずはパーティーメンバーの連携を確認しつつ、七階層目を目指すといい。そこで四人での戦闘や探索に慣れるんだ」


 神妙な顔をしながらアドバイスを聞く正人は、新しく加入する二人にどこまで話すか考えていた。


 現在は、ある程度は信頼できるが、すべてを打ち明けるほどではないといった評価だ。


 スキル昇華は黙ったままだとして、確実にスキルを持っていると伝えている『ファイアーボール』の他、見せたことのある『短剣術』『投擲術』は教えても問題ないだろう。『格闘術』『隠密』『索敵』『肉体強化』『料理』などは要検討……そう考えながら整理をしていく。


 スキルは二つでも持っていれば上出来。三つ、四つとなれば上位の探索者にでもならないと手に入らないだろう。すでに十個近く持っていると伝えてしまえば、どんな反応をするか予想がつかない。


 隠し事をしているくせに信頼しろとは、やや無理のある言い方ではあるが、このタイミングは無理だ、仕方がないと、正人はあきらめる。


 悩みが一つ解決したと思ったら、すぐに新しいのが出てくる。

 人生とはままならないものだ。


 そんなことを考えている間に、店員が最後に注文した品をテーブルに置いていった。


「ほら、締めの冷麺がきたから食べるぞ!」


 六人前はあるが、数が足りない。早速、和則が声を上げた。


「ボス! 俺、二人前で!!!!」


「仁、ずるいぞ。俺も二人前で!」


「ワタシの分も残してくださいね!」


 騒がしい四人を温かい目で見ながら、正人も争奪戦に参加するのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「すでに十個近く持っていると伝えてしまえば、どんな反応をするか予想がつかない。」 自分の能力を行く行くは、さらけだしたいと考えているのかな?
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