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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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逃げるしかないのか……

 疲れ果てていた正人は簡単な報告を済ませると、シャワーを浴びてからベッドへ倒れ込んだ。


 ナイトテーブルには両親が健在だった頃の家族写真が飾られている。


(蟻人族を倒して世界を救った後に日本を捨てる……本当にそれでいいのだろうか)


 最もモンスターの被害が多いの国、それが現代の日本だ。


 日本最強とまで呼ばれる正人が他国へ行ってしまえば、強力なモンスターが出たときに探索者から多くの犠牲が出るだろう。またラオキア教団についても大きな懸念は残る。


 先ほどリビングにいたとき、またラオキア教団の信者がモンスターを召喚する被害が発生したのだ。テレビ中継では探索者が迅速に対応したため人的被害はほとんどなかったとのことだったが、次回も幸運が続くとは思えない。


 特にラオキア教団は日本を中心に破壊活動を続けており、『精神支配』スキルの影響がどこまで広がっているかわからないため、被害が大きくなることは予想できる。


 だがスキルカードコピーの存在は決して楽観視してよいものではない。正人のユニークスキルを狙って強奪スキルを使われる可能性はあるのだ。弟を人質に取られたら、無抵抗で命を差し出す自信がある。


 約束を守ることのない探索協会は、禍根を元から絶つために正人を殺した次に春と烈火も極秘裏に抹殺されるはずだ。


「逃げるしかないのか……」


 レイアとサラの結論が出ていないためどうなるかはわからないが、彼女たちが残る選択をしたとしても正人は国外脱出をする可能性が高い。


 帰還したときに談笑していた五人の姿を思い浮かべると、自分の罪悪感など捨ててしまうべきなんだろう。


 正人はそんなことを思いながら、瞼を閉じて眠ることにした。


 ◇ ◇ ◇


 蟻人族の巣に残ったユーリは、『透明化』のスキルを使って運び屋の追跡を続けていた。


 魔力の消費効率はよいとはいえ、長時間スキルを使い続けるのは肉体的にも精神的にも負担がかかる。


 汗を拭い、乱れる息を整え、道を記録、目印を付けながら標的を見失わないように進む。


 複雑に入り組んだ道を進み、また開けた場所に出た。


 第二の食料庫だ。ここにも大勢の蟻人族が滞在していてマザーへ運ぶ食料の選別を行っている。腐ってしまった物はロイヤルガードや隊長級が食べてしまい、新鮮なものだけをさらに奥へ運んでいく。


 食料は動物から人間、都市で手に入れた加工食品まで幅広い。


 どれもマザーが子供を産む活力源となる。


 追跡していた運び屋は食料庫の中に入っていったので、ユーリは誰もいない建物に入るとスキルを解除した。


(頭痛が酷い。少し休むか)


 正人と離れてから四時間は経過している。約束の時間まで余裕があるので、警戒をしながら床に座って目を閉じる。


 すぐに意識を失い浅い睡眠に入ったが、一時間ほどで目覚めてしまう。


 足音が聞こえたのだ。


 すぐに『透明化』のスキルを使って部屋の隅で待機していると、ロイヤルガードが2体入ってくる。それぞれ片手で振るえる剣を持っていて、激しい言い合いをしている。


「ギィィ」

「ギィギィ」

「ギィィィギィイ!」


 正人がいれば『多言語理解』によってわかっただろうが、ユーリはまったく聞き取れない。だが、身振り手振りから緊急事態が起こっているだろうことは察せられた。


(ロイヤルガードを三体倒したのが広まったのか? もしそうなら警戒が厳重になるな……)


 知能が低い蟻人族とはいっても、最上位の兵隊がまとめて倒されてしまえば危機感を覚える。地上で食料を探している一般兵が巣へ戻るようになり、通路を歩き回って侵入者がいないか巡回を続けている。


 食料庫にも増員が増えていて、部屋に閉じこもっているロイヤルガードも出てきたのだ。


 道のりは険しくなっている。だが、マザーにつながる部屋はロイヤルガードが減っていて攻めやすい。


 困難の中にこそチャンスがあるのだ。


 言い合いを終えたロイヤルガードの一体が建物から出て行った。


 僅かな仮眠でも体力が回復したユーリは立ち上がり、短槍を構えてから『短槍術』を発動させて、残ったロイヤルガードの頭部を貫く。攻撃したことで『透明化』は解除されている。左半分の頭部が吹き飛んだロイヤルガードは、振り返ると筆を振るってきた。


 とっさに後ろへ飛んで回避すると、ロイヤルガードは剣を振り上げた。

 

 ぽたり、ぽたりと緑の血を流しながら、ユーリに近づく。


(昆虫の性質を受け継いでいるのかしぶといな……)


 助けを呼ばれる前にユーリはスキルを発動させる。


 ――アラクネの糸。


 地面から粘着性のある白い糸が出現して、ロイヤルガードの手足を縛り、口を塞いだ。


 これでしばらくは増援の心配はない。


「悪く思うなよ」


 動けないロイヤルガードに向けて短槍を着き放つ。残っていた右半分も吹き飛んで、糸で縛られたまま息絶えた。


 単体であれば十分戦える。


 レベル四にも達したユーリは確かな手応えを感じてた。


 建物を出ると食料庫内の構造を把握してから、付いてきた道を戻る。


 正人と別れた場所にたどり着くと、時間になるまで再び仮眠を取ることにした。

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