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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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(日本)俺たちは新参ですからね

 豪毅から依頼を受けた翌日、二人は都内にあるラオキア教団の集会所に来ていた。


 ドレスコードが決まっているため、伊織は黒いスーツ、紅は胸が大きく開いた赤いドレスを着ている。


 選んだ集会所はタワーマンションの一室にあり、二人は入り口で偽造した身分証明書を提示してから中に入ると、広いリビングには20名ほどの男女がいた。この場にいるのは全員がラオキア教団の幹部候補だ。大人しい見た目で年齢は20代前半が多い。刺青やピアスがあって30歳近い二人は少し浮いて注目を浴びていた。


 集会場でやることは主に信者同士の交流がメインである。


 今月はどれほどの喜捨をして、幹部から課せられたノルマは達成できたのか。そういった話題が多い。


「君たちは初めて見る顔だけど、名前を教えてくれないかい?」


 シャンパングラスを片手に近寄ってきた男は、質問をしながら紅の胸を無遠慮に見ている。


 それに腹を立てて、潜入任務をしているというのに機嫌は悪くなってしまった。


「先に名乗るべきじゃない?」

「おっと失礼。僕は早川です」


 紅の無遠慮な言葉にも気分を害した様子はない。さらりと受け流して名前を言った。


 それがさらにイラ立ちを加速させる。胸を隠すように腕を組み、紅が暴言を吐こうとしたところで伊織が前に出る。


「ご丁寧にありがとうございます。俺は風見で彼女が早乙女です」


 顔に刺青があり厳つい雰囲気なのに物腰が柔らかく、早川は眉を上げて驚いた顔をした。


「交流会に来れるということは、二人とも相当の喜捨を支払っているですよね?」


 話しかけてきた理由は、場の雰囲気にあわない新顔を警戒していたからだ。


 世界的に追われる立場である彼らは、新顔が警察関係者であれば、即刻逃げるつもりである。そのための脱出用の装置まであるのだ。

 

「この見た目で不思議ですか?」

「失礼を承知で言えば、その通りです」

「探索者時代に一山当てましてね。お金はあるんですが……そのせいで探索協会から排除されてしまいましたが」


 疑われるだろうことはあらかじめ覚悟していた伊織は、設定された経歴を淀みなく言った。


 実力さえ伴えば見た目は問われない職業であるため、探索者には刺青やピアスを入れている人も多い。伊織みたいに顔まで入っているのは珍しいが、いないわけではないのだ。


 早川は納得しつつも完全には警戒を解かない。


 続けて質問をする。


「探索者だったのですね。スキルカードで財産を築かれたので?」

「ご推察の通りです。ちょっとした伝手があってスキルカードは入手しやすく、教団にも二十枚近く提供して、ようやくここまで来れるようになったんですよ」


 幹部候補になるのであれば、十枚近くのスキルカードか大金を喜捨する必要がある。これが最低限のノルマだ。


 また立場を維持するために、毎月一枚のスキルカードを渡さなければならない。


 伊織の目の前にいる男はまだ今月のノルマが達成できていないため、もし伝手が本当であればチャンスだと考える。後がないため警戒が緩くなってしまったのだ。


「おお! それはすごい! スキルカードの確保は誰もが苦戦しておりますから、相当なポイントを稼がれたのでしょう。もし余っているスキルカードがあれば耳寄りな情報を教えられるんですが、どうですか?」


 もし断るのであれば、やはり新顔は怪しいと追求して追い出してもいい。


 早川の気持ちは前のめりになりながら伊織の回答を待つ。

 

「希望の種類はありますか?」

「何でもいいです」

「ふむ。それではエネルギーボルトのカードを1万円で売りましょう」

「取引は現物で?」

「もちろん。ノルマに困っている方も居ると思って、実は用意してあるんですよ」


 事前にラオキア教団のノルマを知っていた伊織は、探索協会からスキルカードを譲り受けていたのだ。


 スーツの胸ポケットから取り出すと早川に渡す。


「本物のようですね……」


 警察関係者であれば金はともかく、現場で不足している貴重なスキルカードを渡すなんてしない。


 新顔が話していた言葉の真実味が増してきた。


「それはお近づきのプレゼントです。もう一枚、同じのがありますよ」


 とどめと言わんばかりに、さらにエネルギーボルトのスキルカードを胸のポケットから取り出した。


 これで早川は欲望に負けてしまい、完全に信じてしまう。


「よろしいので?」

「俺たちは新参ですからね。このぐらいは当然でしょう」

「……それでは取引は成立ですね」


 一万円で追加の一枚と交換をした。


 破格の取引が終わって早川は満面の笑みを浮かべている。すぐにでもラオキア教団に喜捨しようと背を向けると、伊織は肩に手を置いて止めた。


「おっと待ってください。耳寄りな情報を聞いておりませんよ」

「失礼いたしました。そうでしたね」


 興奮のあまり忘れていたのだ。振り返ると小声で情報を伝える。


「風見さんはスキル恩寵会というのを知っていますか?」

「初めて聞きました。もう少し詳しく教えてください」


 探索協会の資料になかった会合だ。


 伊織はターゲットに近づいているのを確信しながら、早川の言葉を待つことにした。


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