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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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私が強奪スキルで奪いましょうか~?

 マンションに戻って一夜明けると、全員が正人の部屋に集まって蟻人族の巣の攻略について話し合うことにした。


 すぐにオーストラリアへ戻らないのには理由がある。


 転移のスキルで繰り返し同じ場所に出現すれば、たとえ蟻人族の知能が高くなくても、その位置に警戒心を持ち、出現ポイントを警備する。したがって、隠れる場所がない現状で戻るのは危険だ。


 蟻人族の巣を攻略するにあたって、解決したい問題はいくつかある。


 その中で最優先なのは、光源を使わずに視界を確保することだ。


 集団で襲われたときに蟻人族はランタンの光に集まっていた。もし明かりがなければ、攻撃を受けるまでに時間がかかるので、襲われても体制を立て直す時間はあっただろう。


「と言うわけで、今さらですけど光源の対策をしたいと思います。暗視スキルを全員分揃えたいんですが、良い案はありますか?」

「ネットオークションで買ったらどうだ」


 ユーリがアイデアを出した。今の資金力であれば買い占めることも可能だろうが、アカウントが個人に紐付いていることが問題であった。オーストラリアにいるはずの正人たちのアカウントが動けば、探索協会も必ず察知する。そこから芋づる式に転移・改のスキルまでたどり着くだろう。


「止めておきましょう。アカウントの問題もありますが、受け取り方法でバレる可能性があります」

「だよなあ……」


 正人の指摘によってユーリは考え込んでしまった。


「私が強奪スキルで奪いましょうか~?」

「却下です」


 スキルを奪うのと同時に命まで奪ってしまう。


 自分たちのために誰かを犠牲にするなんて考えられない正人は、悩むこともなく即座に却下をした。


「他に方法があるとしたらダンジョンで手に入れる、知り合いに譲ってもらう、協会と交渉するですが、どれも現実的ではないですよね」

「うん。冷夏さんの言う通りだ。どれを選んでも暗視スキルは入手できそうだけど、探索協会に動きがバレてしまう。危険性を考えればスキルは手に入らないと持った方が良いだろう。だから、私だけである程度攻略を進めたいと思う」


 正人だけなら逃げる方法はある。また蟻人族が近くにいても隠密スキルで気づかれない可能性も高い。見つからずに行動するという一点においては、ベターな案ではあるだろう。


 だからこそ少数精鋭をさらに削り、単独行動の案を出したのだ。


「一人で大丈夫か? 俺は透明化のスキルがあるから蟻人族から姿は隠せる。役に立つと思うぞ」

「そもそも暗視スキルがないと前が見えないですよ。止めておきましょう」

「だが、正人だけじゃ……」


 単独行動では休むこともままならず、フォローしてくれる人がいないので一つのミスも許されない。


 逃走生活の長かったユーリは一人で行動することがどれほど危険なのかわかっており、正人の案を受け入れきれずにいた。

 

「探索者専用のショップに暗視スコープが売っているわ。それをつければ解決じゃない?」


 助けを出したのは美都だ。


 暗視スコープをつければ視界は確保できる。特に最近で回っている物は非常に性能が高くなっているので、暗視スキルより劣るが移動の邪魔にはならないだろう。


「だが免許を見せて買わなきゃいけないから、結局、正人たち以外に買う必要があるだろ? 頼れる人なんているのか?」


 その言葉にみんな黙ってしまった。スキル昇華を秘密にしなければならないため、正人たちは固定パーティで動いて外部交流を怠っていた。頼れる知り合いなんていない。


 ユーリの知り合いは多いが、長い逃亡生活で連絡する手段は全て捨ててしまったため、気軽に相談できる相手はいない。


 知り合いの人間ですらほとんどいない、レイアやサラは鬼人族であるため論外だ。


 誰か頼りになる人はいないか。全員が頭を悩ませているところで、里香が小さく手を挙げた。


「あのー。烈火君経由で、誠二君に連絡をとれないですかね。あの人なら探索者なので、ショップも利用できると思います」


 正人は現在のパーティを組む前に、冷夏とヒナタは誠二という弓使いと一緒に行動していたのを思い出した。


 誠二は烈火との同級生であり、連絡先を知っている可能性は高い。


 随分と前だが、特殊なオーガとの戦いを経て性格が変わって真面目になったとも聞いている。頼んでみる価値はあるだろうと、正人は判断した。


「いい案だね。烈火に聞いてみる」

 

 正人はすぐにスマホでマンションにいる烈火を部屋へ呼び出すと、事情を伝えた。


 運良くクラスのチャットグループが残っており、誠二への連絡先がわかったので、すぐに連絡をした。


 数度コールが鳴ると誠二が通話に出る。


「……烈火君?」

「おう。久々だな。元気か?」

「うん。毎日、モンスター退治をするほどね」


 離れていてもクラスメイトだったという事実は残っているため、久々の会話ではあるが親しそうな空気は流れている。


「で、何の用かな?」

「詳細は伝えられないんだが、急ぎで高性能な暗視スコープが欲しいんだ」

「僕に頼むってことは、探索者向けだよね? お金はあるの?」

「ああ、それは心配いらない。正人の兄貴がいざって時用に現金を取っておいてあるからな。200万ぐらいならすぐに渡せる」

「それならちゃんとしたのは買えそうだね…………いいよ、買ってあげる」

「いいのか! 助かる! 後で家の住所を送るから直接受け取らせてくれ」

「おっけー。買ったら俺も連絡するね」


 思っていたよりも順調に話が進んで烈火はほっとしていたが、疑い深いユーリは眉をひそめていた。


 順調にいきすぎるというのも、それはそれで疑念を産むものなのだ。

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