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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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俺に任せろ

 周囲に敵がいないことを確認すると、正人はレイアに話しかける。


「蟻人族の巣について気をつけることはあるかな?」


 事前に資料で確認しており各国にも通達している情報ではあるが、正人は改めて確認した。


「迷路のように複雑な構造になっているので、自力で奥を目指すのではなく、マザーにエサを運ぶ蟻人族――運び屋を探すべきです」


 蟻人族は一般兵が外でエサを集め、巣の中に入ると体が一回り小さい運び屋がマザーにまで直接エサを運ぶ。


 巣の中には運び屋の他に、エサを運び込んだ一般級、指揮官の隊長級、生まれたての子供、マザーを除いて最強の兵であるロイヤルガードがいる。それぞれ役割が違い、かぶることはない。


「また通常はマザーへたどり着く前に門番……精鋭と呼ばれるロイヤルガードを倒す必要があります」


 マザーの腹を満たすために多くの兵を割いているため、蟻人族の防御については量より質だ。


 迷路を抜けた先の小部屋には必ずロイヤルガードが待機していて、侵入者を全滅させている。


「強さはどのぐらい?」

「一対一であれば、鬼人族の族長でも苦戦するでしょう」

「それほどか……」


 神津島での戦いを思い出しながら、正人はつぶやいた。


 一般的な探索者では時間稼ぎすらできない。ユーリでも一人なら勝てないだろう。里香たちも死にかけたことを思い出し、自然と体が緊張してしまった。


「今回は各国の精鋭が来ているんだ。私たちと共闘すれば負けるはずがない」


 みんなが緊張しているのに気づき、正人は里香と冷夏の肩に手を置いた。

 

 迷路のような通路がある巣でも、たどり着く場所は同じだ。ロイヤルガードの前で合流して、一緒に戦えるかもしれないと希望を見せたのである。


「その頼もしい仲間とは連絡は取れるのか?」

「巣の奥へ入ると衛星通信も圏外になるようなので、現地で見つけるしかありません」


 事前に決めていた連絡手段は全て使えなかった。冷夏、ヒナタが持っている念話も限定的で他人には使えない。


 連絡系のスキルを他の探索者が持っていること、期待するしかなかった。


「科学技術が使えないか。支援は期待できない状況だが、正人どうする?」

「ダンジョン探索と変わりません。隊列を決めて進みましょう。運び屋の後をつけるなら『隠密』スキルを持っている私が先頭のほうがよさそうですね。後方は……」


 最後まで言わず、正人はユーリを見た。


「俺に任せろ」

「頼みました」

「私はユーリの隣にいるわ」


 敵地だというのに美都は緊張感がない。ユーリの腕を組んでいる。


「邪魔だ」

「冷たい男はモテないわよ~」


 悪女のような笑みを浮かべながら、美都は体を密着させた。


 文句を言えば言うほど、面白がって悪乗りをしてしまう。ユーリはため息を吐いてから静かに口を閉じた。


 いちゃついている二人を見るのを止めた正人は、視線を里香たちに向ける。


「三人はレイアさんとサラさんの護衛を任せられる?」


 細い通路が続く蟻人族の巣では横に並んで戦うのは難しい。


 過去の経験から天井や地下、壁からの奇襲を警戒して、護衛を多めにしたのだ。


「なるべく私だけで蟻人族は倒すけど、乱戦になっても自分たちの役割を忘れないでね。みんなで生き残ろう」


 全員が力強くうなずいたのを見て、正人は『隠密』スキルを発動させた。


 存在感が薄くなり目の前にいても見失ってしまいそうになる。背中を追うことになる里香たちは高い集中力の維持を求め続けられるだろう。


 さらに正人は『地図』スキルを起動させて、迷子にならないよう記録をしていく。


 ゴツゴツとした床を歩きながら低い天井を進んで行く。


 横幅は場所によって変わるが広くても5メートルほど、狭いと2メートルほどしかなく、剣を振るうのは難しい。ユーリの短槍や冷夏の薙刀も同様だ。突くことはできても払うなどの攻撃は、場所次第では封じられてしまう。唯一、正人のナイフだけが場所の制限を受けずに動けそうであった。


 蟻人族の巣を歩いていると、錆びたドアを開くような音が聞こえた。通路の奥はランタンの光は届いておらず、また『暗視』スキルでも奥までは見えないため、視覚は頼りにならなかった。


 ――聴覚強化。


 大きな音をだされると鼓膜が破壊されるため、普段は使っていないスキルを発動させた。


『そっちはどうだ?』

『順調』


 不快感の伴う錆びたような音がしたと思ったら『多言語理解』のスキルが発動して、蟻人族の声が理解できるようになったのだ。


「様子を見てきます」


 宣言してから正人は腰につけているランタンの電源を消して静かに歩き出す。


 すぐに見つかることはないだろう。


 両手にナイフを持ち、腰を落として音を立てずに進む。


 二体の蟻人族が見えた。身長は低い。


 片方は肩から銃をぶら下げておりカンガルーの死体を背負っている。もう一方は何も持っていなかった。体格が一回り小さいので、正人は運び屋だと判断した。


 正人が様子を見ているとカンガルーを素手の蟻人族に渡した。


(食事を運び屋に渡したのか? 後を追えばマザーにたどり着けるかもしれない)


 この場で殺すよりも道案内させることを選んだ。


『これでマザーも喜ぶ』

『後は頼んだぞ』


 握手をした運び屋は通路の奥へ行ってしまった。一般級の蟻人族はその場に残って座り込むと、土を摘んで食べ始めた。


 生物は全てマザーは捧げるため、一般級の蟻人族は土に含まれた栄養を摂取しているのだ。


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