表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

346/386

後はまかせてください

「外へ出る前に、これを着けてください」


 パイロットから渡されたのはゴーグルだ。飛行機は時速九千km近くの速度を出している。正人が外へ出るため速度は落としているが、それでも裸眼のままでは戦闘に支障をきたすだろう。


「ありがとうございます」


 ゴーグルを受け取った正人はすぐに装着する。視界は良好だ。腰には二本の新しいナイフに防具まで着けている。準備は終わった。


 戦闘機は触手を引きつけながら回避行動を続けているが、長くは持たないだろう。


 今すぐに撃墜されても不思議ではない。


「添乗員さんはユーリたちを見てくれませんか?」

「え、あ、はい」

「シートベルトを着用しているか、ちゃんと確認してくださいね」


 正人に言われて疑問に思うことなく、添乗員はコックピットから出て行った。後はユーリに任せればいい。


 パイロットはイグ=ヴァイアスを警戒していて正人を見る余裕はない。これで監視の目はなくなった。


 ――天使の羽。

 ――転移。


 白い羽を生やしてから、正人はコックピットの外へ出た。


 イグ=ヴァイアスは気づいていない。戦闘機を狙っている。


 囮として最高の仕事をして、命ほしさに逃げようとしないところからプロとしての矜持を感じた。


「後はまかせてください」


 声は届かないとわかっていても、正人は声に出して言い、『短距離瞬間移動』を何度か使う。


 近くまで来た。ようやくイグ=ヴァイアスも認識したようで、近距離用の短い触手が襲ってくる。


 ――自動浮遊盾。


 半透明の盾がいくつか浮かび、触手を受け流した。

 

 威力はあるが防げないほどじゃない。


 脳があると教えてもらった目の間に移動しようとするが、百にも及ぶ短い触手が迫ってきた。盾で受け流せる量ではない。『短距離瞬間移動』で回避しようとしたが、イグ=ヴァイアスは魔力の動きを察知して着地先に触手を向ける。


 逃げ切れず、守りに徹する。


 ――障壁。


 正人の周囲に膜ができるのと同時に触手がまとわりついた。外は見えない。


 魔力を注いでいるので壊れることはないが、逃げ出すのも難しい。


 ――凍結結界。


 道明寺隼人が使っていたユニークスキルを発動させた。周囲の気温が一気に下がる。『障壁』の外側にある触手にもダメージを与え、先端が凍り付いていく。


 急激な温度変化に驚いたイグ=ヴァイアスは触手の拘束を緩めてしまい、『障壁』の隙間から外が見えた。


 一瞬の隙を見逃さず、正人は『転移』で抜け出す。


 弱点がある脳の近くだ。真っ黒な目が正人を貫くように見ると光り出した。


「やばっ」


 危険を察知して『短距離瞬間移動』で逃げると、先ほどまで居た場所に炎の光線が通り過ぎていた。


 あんな攻撃があるなんて聞いてない、と正人は内心で愚痴を言った。


 実際にレイアが戦ったわけじゃないので文句を言うのも酷な話だ。弱点を知っていただけ幸運だと思うべきだろう。


 イグ=ヴァイアスの目が、後方に移動した正人を見た。


 敵を殺すために、目は360度回転が可能なのだ。炎の光線が襲ってくる。白い羽を羽ばたかせて上昇すると、炎の光線は追尾してくる。触手の一部が焼け落ちるが、イグ=ヴァイアスは痛みすら感じていない。


 触手は拘束再生前提であるため、痛覚は存在せず、また破壊しても問題はないのだ。


 回避を中断して『短距離瞬間移動』で離れたとしても、ユーリ達が乗っている飛行が狙われるかもしれない。引きつけておいた方が周囲は安全だ。


 遠距離攻撃で目を破壊しようと正人が隙をうかがっていると、護衛の戦闘機が機関銃でイグ=ヴァイアスの目を攻撃した。


 正人に集中して触手を動かしていたため、戦闘機の存在を見逃してしまったのだ。目と体を繋ぐ細い管に銃弾があたると吹き飛んだ。炎の光線が止まる。


 正人は戦闘機を見る。パイロットは親指を立ててから邪魔にならないよう、イグ=ヴァイアスから離れていく。


 最大の援護をもらった正人は『短距離瞬間移動』の連続使用で頭部に足を着けた。移動を続けているため風が強い。吹き飛ばされないよう片手は破壊された目の管を握る。


 正人はナイフを取り出し、スキルを使う。


 ――短剣術。

 ――怪力。

 ――身体能力強化。


 スキルの多重起動をさせて突き刺すが、刀身は半ばで止まってしまう。骨が硬く貫通させられなかった。


 何度か肉を斬りつけて剥ぎ取り、白い骨まで見えるようになったが傷はつけられない。物理攻撃に強い耐性を持っているのだ。


「異世界人はどうやって倒したんだ……?」


 攻略方法を知りたいと正人が内心で愚痴っていると、足元からトゲのようなものが出てきた。


 新しい触手だと危険を察知して頭から跳躍する。先ほどまで正人が立っていた場所に殺到していた。


 傷をつけた場所が隠れてしまった。さらに触手が正人へ向かって行く。


 逃げ切れたとしても、また近づけるとは限らない。


 ここは触手をまとめて消し去るべきだ。


 魔力をたっぷりと練ってから、正人はスキルを発動させる。


 ――毒霧。


 正人を中心にして紫色の煙が発生した。触れるとイグ=ヴァイアスの体はドロドロに溶けていく。


 攻撃が止まったので再び頭に着地をすると、骨も一部溶けているのが見えた。


 衝撃、斬撃には強いが、酸性には弱いのだ。


 魔力の残りは十分にある。正人は頭蓋骨に手を当てて『毒霧』を発生させた。


「ぐおぉっぉぉぉおおおっっ」


 出会ってから初めてイグ=ヴァイアスが痛みによって叫んだ。


 飛行機を追うのを止めて空中で止まると、全ての触手を正人へ向かわせることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宣伝
【コミック】
202509181433590701CDFC668754E80A2D376104CE3C1FD6C-lg.webp
漫画BANGさんで連載スタートしています!
1話目はこのリンク。

【原作】
jmfa8c6ql2lp6ezuhp5g38qn2vsy_m4q_18g_1z4_1o5xu.jpg
AmazonKindleにて電子書籍版1~7巻が好評販売中です!
経験をスキルに~シリーズ販売サイトはこちら

矛盾点の修正やエピソードの追加、特典SSなどあるので、読んでいただけると大変励みになります!
※KindleUnlimitedユーザーなら無料で読めます!
― 新着の感想 ―
前話と同じ話です
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ