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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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隠れる場所はないぞ!

「戦わずに逃げたか?」


 探索系のスキルを持っていないエトス枢機卿は目を閉じて、聞こえてくる音に集中した。


 肉体の性能が上がっているため、通常よりも多くの音が拾えている。脳も強化されているので処理も問題ない。葉が擦れる音、生き残った信者の呻き声、隠れている熊の息遣いといった関係のない音を無視していく。


 常人では脳が破壊されるであろうほどの情報処理を続けると、正人がつぶやいた声を耳が拾った。


 隠れている。


 すぐに動こうとしたエトス枢機卿であったが、大教祖の言葉を思い出し立ち止まる。


「倒すのではなく、能力の把握に努めろ」


 これが今回の目的だ。戦いの最中にも進化を続ける正人のユニークスキルを把握し、有用であれば殺す前に奪い取りたいと考えているのだ。


 誘き出すのであれば簡単である。


 地面に転がっている手榴弾を拾うと、ピンを抜いて全力で投げる。真っ直ぐに進むと正人が隠れている木の幹にめり込み、数秒後に爆発を起こした。


『障壁』スキルによって身を守って無傷ではるが、姿は見えてしまっている。


「隠れる場所はないぞ! さぁ! どうする!」


 エスト枢機卿は手を広げ、攻撃を待っている。


 正人はラオアキ信者の死体からライフルを奪い取り、狙いをださめてトリガーを引く。銃弾がエトス枢機卿の頭部を弾き飛ばすが、倒れることなく再生しながら前に進む。


「脳がなくても意識があるのか……?」


 生物としての不自然な動きに、思わず手が止まってしまった。


 すぐに正人は気持ちを切り替え、さらにライフル弾をエトス枢機卿に叩き込んでいく。


 途中で銃弾を補充して十発近くは当てたが、ゆっくりと近づいてきて距離が十メートルまで縮んだ。既に敵の間合いだ。銃での戦いは不利だと判断した正人は、武器を投げ捨てると腕を前に出してスキルを使う。


 ――毒霧。


 酸性の霧が扇状に広がっていく。エトス枢機卿は逃げず、真正面から受け止めると皮膚、筋肉、骨が溶けてドロドロの液体になる。数秒で地面のシミになってしまった。


 この状態になれば『復元』のスキルでも復活は不可能だ。死者は蘇らせられない。


 途中から攻撃を避けなかったこに疑問を覚えた正人ではあるが、倒せたと思った安堵感が優って些細なことだと考えるのをやめる。


 里香たちの所へ戻ろう。


 そう思って正人はスキルを使おうとすると肩を掴まれた。


 エスト枢機卿が使っている『怨讐』は魂さえストックさせていれば、スキルを使用しなくても肉体の損傷を察知して自動で発動するタイプだ。既に復活は終わっている。


「どこに行くつもりだ?」


 振り返るのと同タイミングで殴られ、吹き飛ばされる。地面を転がり土で汚れた体を起こそうとするが、正人は肩に強い痛みを感じて止まってしまった。よく見れば肉がごっそりと取られている。エトス枢機卿の力が強すぎて指で千切られたのだ。


 ――自己回復。


 スキルで傷を癒やそうとしたが、数十にも及ぶ光の矢が飛んできたので中断して横に飛ぶ。


「止まったら終わりだぞ! さぁ、どうする!」


 裸のエトス枢機卿が放っている光の矢――『エネルギーボルト』は撃ち終わらない。弾数が無限のマシンガンのごとく、次々と出現しては正人を狙ってく。立ち止まって『自動浮遊盾』や『障壁』で守ろうとすれば、身動きが取れなくなって魔力切れで負けてしまうだろう。


 だからこそ動き回るしかない。


 走りながら正人は『高速思考』を使う。


 視界外まで転移すれば攻撃からは逃げられる。撤退も可能だ。しかしラオキア教団の枢機卿を倒すチャンスを失ってしまう。次に出会えるとは限らず、大教祖を逃がしてしまったからこそ、敵の戦力を削るためにもエスト枢機卿を殺すのは必須と言えるだろう。またもし運よく捕らえることが出来れば、探索協会側の優位も高まる。余力がある中で逃げる選択は取れない。


 ラオキア教団の勢力が広がれば日本は誰も気づかず、静か乗っ取られるかもしれない。


 誰かを救うのではなく、弟や仲間、友人たちを守るために戦おうと決める。


 頭痛が激しくなってきたので『高速思考』を解除して計画した通りに動く。


 ――短距離瞬間移動。


 エトス枢機卿の頭上に正人は現れたが、影ができたことで気づかれてしまう。光の矢が迫ってる。


 当たる直前でスキルを発動させた。


 ――短距離瞬間移動。


 今度は足下だ。背を低くしていて視界に入りにくくなっている。


 顔を上げていることもあってエトス枢機卿は見失ってしまい、正人の発見に遅れてしまう。


「どこに行っ――」


 立ち上がりながら、正人は背後から抱きついた。腕が回しにくいこともあって全力が出せず、スキルを並行利用して能力を底上げしている敵を振りほどけない。


「何をするつもりだ!?」

「日本の文化に詳しいならわかるだろ?」


 神風特攻――自爆だよ、と心の中でつぶやいてから正人は、酸性の霧を周囲にばらまいた。


 二人の皮膚がドロドロに溶けていく。


 エトス枢機卿が『怨讐』スキルで取り込んだ人魂の力を使い、正人は『復元』のスキルで癒やしていく。


 破壊と回復が短期間で繰り返し行われ、消費する魔力以上に苦痛からくる肉体及び精神的ダメージが大きい。まだ正人は『苦痛耐性』を持っているから正気を保っていられるが、エトス枢機卿は目や口、鼻から液体を垂れ流しながらも耐えている。


「これが大教祖を追い詰めた力か! まだこんなものじゃないだろ!? 進化する姿を見せてくれ!」


 正人の持つユニークスキルを把握するべく、エトス枢機卿の戦意は高まっていた。

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