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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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先に進むね

 ミイラと戦っていた正人は、里香たちの勝利を見て安心した。精神を支配された影響はなく、臨機応変に動けている。頼もしい仲間だ。


「さて。そろそろ私も終わらせよう」


 包帯が正人の腕や体に絡みついているが、正人は焦っていない。近づいてくるミイラに『エネルギーボルト』を何発も叩き込む。一撃であれば耐えられてしまうが、数十となれば話は変わってくる。頭部に数え切れないほどの穴が空いてしまい、存在が維持できず黒い霧に包まれて消滅した。


「お! 包帯が残った」


 期待していなかった分、ドロップ品が出て正人は嬉しそうにつぶやいた。今は鳥人族を探すべきなのだが、モンスターがアイテムを残す可能性は低いため、喜んでしまっても誰も責めることはない。むしろ便乗するぐらいである。


「すごーい! きったないねー! どんな効果があるんだろう?」


 戦闘後の安全を確認したヒナタは、正人の手にある包帯を見ている。白かったであろう布は少し黄ばんでおり、黒く変色した部分もある。血液の跡だとすれば非常に不衛生だ。感染病になるかもしれず、さすがに誰も触ろうとはしない。ガントレッドをつけてなければ、正人も放置していただろう。


「スケルトンは魔石を砕いたので何も残りませんでした。包帯は売ります?」


 ミイラのモンスターは未発見である。探索協会に売ったところで定価が存在するわけではなく、研究目的で安く買われてしまって終わりだ。汚い包帯が「どんな傷でも治す」効果があったとしても追加料金はでない。大損するかもしれないし、逆に本当に汚い布だったとしても、数十万で買い取ってもらえるため得することもある。


 探索協会への売却は博打みたいな行為であり、里香の質問に正人はうなずけずにいる。


「悩むなら家で保管しておきません? 空き部屋は沢山あるので置き場には困らないと思いますよ」

「そうだね。そうしよっか」


 死蔵させても意味はないと思いつつも、現状はよい案が浮かばないため妥協すると包帯をしまった。


「先に進むね」


 三人に確認してから正人は再び歩き出す。


 通路を左に曲がってしばらく進むと行き止まりだったので、来た道を戻って脳内の地図を確認しながら、埋まっていない場所をひたすら歩いて行く。


 三階層は迷路のように入り組んでいるため住みにくいが、侵入者の進行を遅くする効果があるので逃げる時間は作りやすい。拠点として利用するには悪くない環境だ。


 現時点では鳥人族がいないとは言い切れず、探索は続行である。


 一行は奥に向かって通路を進む。


 時間にして二時間ほどだろうか、似たような光景ばかりが続き行き来しながら地図を埋めていると、ようやく小部屋が見えてきた。中は明るく音が聞こえてくる。正人が浮かべている火球に気づいた様子はなかった。


「鳥人族でしょうか?」

「わからない。私が調べてくるから、みんはここで待機して」


 後ろにいる冷夏がうなずくと他の二人に指示を伝えていく。


 その姿を見届けるとスキルを追加で発動させる。


 ――隠密。


 存在感が薄くなって注意しなければ気づかれないようになる。音を立てずに移動をして部屋の中を覗き込むと、大量のスケルトンとローブをまとった死体――リッチがいた。ゾンビのように体は腐っていているが腐敗臭はしない。手に杖を握っていて先端には球状の赤いクリスタルがあり、中に小さな火がある。一目で地球上にはない物質だとわかった。


 部屋の隅々まで正人は確認するが鳥人族の姿はない。

 奥には先に進む通路が一つ。


 不意を突ける今がチャンスだ。


 後ろにいる三人に向けて、正人が攻撃をしかけるとハンドサインを送る。


 ――暗殺。

 ――毒霧。


 膨大な魔力を惜しみなく使って部屋中に酸性の霧を発生させた。アンデッドであろうが物理的な肉体を持っているのであれば攻撃は効く。


 スケルトンはドロドロに溶けてしまい魔石だけを残して消えてしまったが、リッチは周囲に『障壁』を展開して無傷だ。生き延びている。攻撃した犯人を捜すべく周囲を見渡しているが、『暗殺』スキルのおかげで『隠密』の効果は切れておらず、未だに正人は発見できていない。


 さらに囮と言わんばかりに里香、冷夏、ヒナタの三人が部屋になだれ込んできたのだ。リッチは彼女たちが奇襲した犯人だと勘違いをして、目が怪しく光る。


 ――魔眼:麻痺。


 全身が鉛になったかのように重くなり、手足が動かなくなった。冷夏は膝を地面に着いてしまい、ヒナタは座り込んでしまう。里香は剣を地面に突き刺して体を支え、なんとか耐えてはいるが動く余裕はない。リッチは杖を前に出してさらにスキルを使おうとする。


 ――短剣術。


 後ろに回り込んだ正人がナイフを横に振るう。クビを半分まで切断するとリッチは新たな敵を確認しようとして後ろを向く。三人から視線が外れた。


 魔眼は対象を直接見ていないと効果は発揮しない。自由に動けるようになると、冷夏は立ち上がりながら前に飛び出して薙刀を胸に突き刺す。続いて里香が杖を持っている腕を斬り飛ばし、ヒナタが短槍で片目を潰す。


 生物であれば致命傷になるが、アンデッドであるが故に痛みを感じず、健在である。


 ――生命力吸収。


 リッチの近くにいる四人は体力が奪われていくが、たいした量ではない。軽く走った疲労を感じる程度だった。


 ――怪力。


 スキルによって正人の力が増幅されると、リッチの首半ばまで入っていたナイフが動き出して切断した。


 ぼとりと頭が落ちるのと同時に黒い霧に包まれて消える。


 残ったのは魔石と、人の周りに黒い霧が描かれたスキルカードだった。

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