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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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後は任せても?

 豪毅からの通話を切ってすぐ、正人は『転移』のスキルを使って探索協会のビルに着いた。エレベーターに乗って指定された会議室へ入る。


 イラ立ちながら通話をしている豪毅の姿があった。


「こっちも急いで準備している! 一日ぐらいもたせろ! わかったなッ!!!!」


 一方的に言ってからスマホの通話を終わらせる。


 状況が切迫していると察した正人は、余計なことをしない。静かに待っている。


「来てくれたのか! 助かる!」


 先ほどとは変わって、豪毅は笑顔で歓迎した。


 今は座る時間も惜しい。壁につけられたテレビの電源を入れるとドローンから撮影された映像が映された。


 まず目に入ったのは崩壊しているビルや日本家屋だ。次に血を流して倒れている人々である。モンスターが跋扈していても、日本がここまで崩壊したことはない。完全な戦地だった。


「この映像はリアルタイムですか?」

「うむ。ワシの部下が今も配信している」

「場所は?」

「北海道の札幌、敵は言葉を発する腕が翼になったモンスターだ」


 隠れ潜んでいた鳥人族だ。一瞬だけ正人は表情が変わってしまい、豪毅は正体を知っていると察してしまう。人を欺し、陥れることに長けている彼だからこそ些細な変化に気づけたのである。


「あれは蟻人族や鬼人族と同じと考えて良いかね?」

「……それは……」


 探索協会が信じられないと思って黙っていることは多い。その中でも異世界の種族や侵略についてはヒントをだしても情報そのものを提供したことはなかった。


 その結果、どうなった?


 テレビに映っている悲劇だ。


 多くの人が死に、建物は崩壊している。


 情報を持っていても襲撃は回避できなかった可能性は高いが、その後の動きは全く変わっていただろう。被害はもっと抑えられたはずだ。


 だからといって正人だけが悪いとも言い切れない。信用できない言動を続けていた探索協会にも問題はあった。


 結局の所、現場と組織にできた大きな溝。そこをつかれ被害が大きくなったのである。


「相手の正体や目的が分かれば、より有効な対策がうてるかもしれない。ワシに情報を提供してもらえないか?」


 日本でも有数の権力を持つ豪毅が、ただの探索者でしかない男に頭を下げた。


 プライドの高い男が恥も外聞もかなぐり捨てている姿を見て、正人は保身だけ考えて良いのかと思い直す。


 答えはすぐに出た。


 多くの人が死に町は滅びようとしているのだから、できる限りのことをしようと。オーストラリアのように滅ぶ前に行動するべきなのだ。


「札幌を襲っているのは鳥人族という種族です。知能が高く、一部は日本語すら使えるでしょう」


 ついに情報の提供をしてくれたと喜んだ豪毅は、顔に出さず頭を上げる。


 責めるようなことは絶対にしない。


 隠していることをすべて暴こうとしている。


「どうやって覚えたか分かるかね?」

「わかります。が、その前にいくつか前提となる情報をお伝えしましょう」


 異世界の存在と、そこに住む種族のこと。また巫女やスキルによる世界間の移動、ダンジョンの目的までも正人は話した。保護しているレイアとサラの情報は秘匿しているが、それ以外については探索協会側にも伝わったのである。


「にわかには信じられんが……」


 驚愕しながら豪毅はテレビを見る。


 空には数え切れないほどの鳥人族がいて『ファイヤーボール』や自衛隊から奪った銃器を使って破壊行動を続けている。現地の探索者は反撃しているが、『結界』のスキルを使って防ぎ、大きな被害は出ていない。


 戦闘機による攻撃も同様だ。


 攻撃と防御のチームに分かれて銃撃なども防いでいる。


 知能が高い。


 今までのモンスターとは違う。


 先ほどの話を荒唐無稽と斬り捨てるなんてできなかった。


「正人君の話は本当なんだろう。本能のまま生きるモンスターではなく、我々と同じく高度な知能を持つ人類の一種、ということか」

「間違いありません。早めに手を打たないと日本全土が支配されてしまいます」

「ふむ……わかった。少し待ってくれ」


 スマホを手に持ちながら豪毅は会議室から出て行ってしまった。


 一人になったタイミングで正人はユーリにチャットを送る。


『鳥人族がついに動きました。今、札幌が戦場になっています』

『どうするんだ?』

『私は助けに行きます。後は任せても?』

『おう。マンションの安全は守るから、派手に暴れて人類は弱くないと実力を示してこい。それがお前の仕事だ』

『わかりました』


 短い会話を終わらせると、今度はパーティメンバーのみを集めたチャットグループを開く。


 既に三人からコメントが書き込まれていた。


『札幌に鳥人族が暴れてるんですよね。正人さん、助けに行きましょう』

『私も行くからね。ヒナタもだよね?』

『うん! みんなと一緒なら行く!』


 仲間は助けに行くと決心していた。すでに出発の準備を進めていて、正人が拒否するなんて誰も思っていない。


 日本最高峰の探索者である責任を全うしようとしていた。


『今後について副会長の豪毅さんと話すから、方針が決まったら共有するね』


 頼れる仲間がいるのであれば、今回も全員無事に生き残れるはずだ。


 豪毅が戻り次第、現地に行くことを伝え、鳥人族と戦う。


 そう決めた正人は、テレビを睨むようにして見ながら、副会長が戻ってくるのを待っていた。

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