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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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方法は?

「モンスターで身動きが取れないのは予想どおりだ。だからこうして、俺は会いに来たんだからな」


 日本を混乱の渦に落とした責任を追及されそうな雰囲気を察したユーリは別の話題に変える。


 リスクを負ってでも会いに来た理由。それが聞けると知って、正人は静かに話を聞く。


「俺は探索者が正当に評価され、報われる世界を作りたかった。そのために多くの探索者が死ぬと分かっていてもモンスターを地上に放った」


 淡々と語っているが、怒りや懺悔といった様々な感情が含まれている。


 復讐心に囚われて我を忘れているわけではない。悩み、苦しみながらも前に進もうとしている。それが間違っているとわかっていても後戻りできない。ユーリはそんな状況であった。


「ことは順調に進んで、俺が計画していたとおり協会の影響力は下がり、逆に探索者の影響力は増している。もうすぐ人々は、探索者という存在をありがたく思うようになるだろう。そうなったタイミングで協会の不祥事を暴露してやれば、どうなると思う?」


 予想は付くが、ユーリの考えを知りたい正人は首を横に振った。


「強い世論の批判を受けて上層部の人間は捕まる」


「権力と仲が良いようですし、逮捕までしないのでは?」


「探索者が捕まえないとモンスターとは戦わないなんて言えば、誰も逆らえないさ」


「みんな、そんな都合良く動きます?」


 白いアラクネを討伐する際、探索者たちは家族や友人のために戦っていた。


 探索協会の不祥事を認めさせるためにモンスター討伐を止めたら、そんな大切な人々が危険にさらされてしまうので、ボイコットを選択できる人は少ないだろうと正人は予想したのだ。


 なによりも共通の敵を倒すためと言っても、人の心は一つにならない。ラオキア教団などが良い例だった。


「俺は勝算があると思っているが、結果はわからん。その時の情勢しだいだろうな」


「そんな適当なことを……」


「最後は運が全てを左右するからな。そんなもんだろ」


 人生を賭けた行動をしているのに冷めたような考えをしているのは、何度も死ぬような目にあってきても運の力で生き残れたからである。


 運という要素は無視できず、しかしながらコントロールは不可能である。それを知っているのだ。


 だからこそ、人の手でやれることはすべてやる。それがユーリの行動指針であった。


「まぁ、だからといって準備を怠るようなことはしねぇ。成功する確率を上げるために一つ提案したいことがある」


「なんでしょう?」


「俺と手を組んで侵略者とやらと戦わないか」


 会話の流れから、正人はなんとなくそう言われることを予想していた。


 探索者として上位のユーリが味方になるのは心強い。強力な助っ人として期待できるだろう。


 だが彼は何をするのかわからない怖さがある。一緒に行動したことを公開するぞ、と脅してくる可能性もあるだろう。


 また侵略者に抵抗するのであれば個人より組織に頼った方が、打てる手は増える。リスクある個人と手を組む必要性は低いのも事実だ。


「私にメリットがありません。断ります」


 と、正人が断るのも当然の結果で、ユーリもそのぐらいは分かっている。


「だったらゆるく協力し合うのはどうだ? 例えば今回みたいにお互いが持っている情報を交換するとかだ」


「方法は?」


「直接会いに行く……と言いたいが流石に無理だ。匿名アプリを使った通話でどうだ?」


 一緒に行動するのではなく、情報交換をするだけなら協力して良いかもしれない。最初に無茶な提案をされたこともあって、正人はそんなことを考えていた。


「頻度はどうします?」


「月に一回でどうだ。これなら無理ないだろ」


「確かに……」


 腕を組んで正人は考え始める。想定されるリスクをリストアップしているとスマホが震えた。


 取り出すと立花里香の名前が表示されていた。


 結論を出すのに時間が欲しいと思った正人は、通話に出ようと考える。


「出ても良いですか?」


「もちろん」


 ユーリからの許可も出たので通話ボタンをタップして、スマホを耳に付ける。


「ニュース見ましたか!?」


「ううん。何かあったの?」


「オーストラリアがモンスターに占拠されたみたいですっ! 例の侵略者がついに行動したかもしれませんっ!」


 驚いた正人は返事をするのも忘れて、顔からスマホを離すと指を滑らせて画面を操作する。動画配信アプリを立ち上げて、現地映像を映しているチャンネルを開いた。


 画面には砂漠が表示された。所々に背の低い草が生えているだけの殺風景な光景だ。映像は荒い。上空から見下ろしているため、正人はドローンで撮影していると思った。


 しばらくして二足歩行する蟻のモンスターが見えてくる。画面を埋め尽くすほどだ。数は分からないが千は軽く超えるだろう。


 すぐに画面が切り替わって今度は都市が映る。建物や車は破壊されており、道路には血を流した人が大勢転がっていた。


「俺たちよりも先に侵略者が動いたか」


「みたいですね」


 まだ時間があると思っていた。二人の正直な感想だ。


 これからどうすれば良いか分からず画面を見続けていると、スピーカーから里香の声が響き渡る。


「正人さん! 襲われているのはオーストラリアだけじゃないです! 日本も危険なんです!」


 モンスター、ラオキア教団と頭が痛くなる問題を抱えているのに、さらに侵略者が来てしまった。


 静観していたら国として滅んでしまうかもしれない。


 そんな危機が訪れていた。

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