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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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後で会いに行くからな

『強奪』スキルを使われた対象は、所有しているスキルをカード化された後、必ず死亡する。


 もう助からないと悟った川戸は、死ぬだけでは意味がないと考えて美都に『強奪』を使わせたのである。


 そういったやりとりがあったであろうことは、ユーリは想像できている。だからこそ「殺した」と言われても感情的になることはない。マグマのように熱い怒りは腹の奥底にしまい込み、冷静になろうと努める。


「辛い役目をさせてしまったな。ありがとう」


 殴られるぐらいの覚悟をしていた美都は、気を使われたことに驚いていた。いつもは眠たそうにしている目が大きく見開いている。


「彼の遺言は『俺のスキルを使って、探索者が生きやすい世界を作ってくれ』だったわ~」


 立ち上がるとユーリの胸にスキルカードを押し付ける。


「で、あなたはどうするの?」


 試すような言葉を投げかけた。ユーリは美都の目をじっと見る。


 何を考えているのか分からないが、偶然にも手に入れてしまったスキルで不自由な生活を強制されされている。さらに何度も殺人を強要されてきた哀れな女だ。


 生きやすい世界というのを望んでいるのは一緒だろう。道さえ間違わなければ今後も裏切ることなくついてくるはずだ。


「やることは変わらない。日本における探索者の地位を上げて、使い捨てられてしまう仲間を減らす。その世界の実現が探索協会への復讐につながる」


「心は折れてないわけね」


「当然だ。今立ち止まったら死んでいった仲間たちに顔向けができん」


 探索協会の無茶な依頼や脅迫に近い命令によって、多くの探索者たちが命を落とした。ユーリだって死にかけたことは何度もある。大切な仲間が死んでいく中で生き残れたのは、実力ではなく運がよかっただけ。


 判断を少しでも間違えていたら、いつ死んでもおかしくはない状況がずっと続いていたのだ。


 川戸の死は悲し、強い怒りも感じるが、足を止める理由にはならない。


 むしろ背中を押してくれる存在となるだろう。


「だったら受け取りなさい」


 無言でスキルカードを受け取ったユーリは、覚えると念じる。川戸の代名詞であったユニークスキル『自動浮遊盾』を手に入れた。


「後続の異端審問部隊がくる。場所を変えるぞ」


「川戸は~?」


「置いていく」


「いいの~?」


「後で会いに行くからな」


「後で~~?」


「すべてが終わった後だよ」


「ふーーーん。だったら早く逃げましょ~~」


 深く苦かなくても全てを察した美都は、ユーリの手を引っ張って外へ出ようとする。


「ゲンチジンカ?」


 洞窟の奥からノイズの多い声が聞こえた。機会音のように一定のリズムだったこともあって、性別はわからない。洞窟の奥は暗く、誰が言葉を発したのかは不明だ。


 ユーリは美都を背中に隠すとスキルを使う。


 ――自動浮遊盾。


 周囲に半透明の盾が浮かぶ。


 ――アラクネの糸。


 地面と壁、天井に粘着性のある糸を付着させた。触れてしまえば動きは大きく鈍るだろう。


 ピタッ、ピタッ。素足で歩く音が聞こえる。


 この洞窟は整備なんてされていないため地面には小石などが沢山転がっており、靴を履いてなければまともに歩くことはできないだろう。


 モンスターかもしれない。その予感は姿を見たときに確信へと変わる。


 近づいて姿が見えてきたのだが、緑の肌に筋肉質な体を持つ鬼のモンスターがいたのだ。頭部には左右に二本の角があり、全身は黒いプレートアーマーを着ている。手には真っ赤な金属製の棍棒がある。


 首には首輪、片耳についたイヤリングは現地の言葉を翻訳する魔道具で、意思疎通ができるようになっていた。


「ね~。あれってまずそうじゃない~?」


 人語を話すモンスターの存在は美都も知っているが、出会うのは初めてである。生物として格の差を感じてしまい、体の震えが止まらない。戦いになれていないため怯えてしまったのだ。


「逃がしてくれれば良いんだが」


「テハジメニ、コイツラノニクヲクウカ」


「だろうな」


 サブマシンガンの銃口を鬼に向けるとトリガーを引く。無数の銃弾が飛ぶものの、鎧によって弾かれてしまう。角度を調整して素肌が見えている首や頭にも当ててみるが、皮膚を突き破ることはなかった。


「スコシイタイナ」


「痛いで終わるんだ~。こいつ無敵なんじゃない~?」


「戦いになるからお前は外で隠れてろ」


「は~い」


 美都は走って外へ出てしまう。鬼は見逃すつもりだ。先ずは目の前にいる獲物の強さを確かめたいため、真っ正面から戦うと決めていたのだ。


「ジュンビハオワッタカ?」


「とっくの前に終わってるぜ!」


 空になったマガジンを取ると鬼に向けて投げる。


 ――投擲術。


 スキルの効果もあって威力が高まっている。まともに当たればダメージは与えられただろうが、持っていた棍棒を振るうだけで弾かれてしまった。


 一切の攻撃が効かない。せめて短槍があればよかったのだが、柄が折れ曲がったので捨ててしまっている。手元にはない状態だ。


 仕方なく銃弾が詰まったマガジンを付けると、トリガーを引いて銃弾をばらまきながら後ろへ下がる。


 不利な状況だと悟って、ユーリは逃げようとしているのだ。

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