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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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新商品が入荷されたんですかね?

 正人の悩みに気づけない恵麻は、生鮮食品売り場を抜け、食肉が置かれている場所へ移動した。


 豚、鳥、牛といったカットされた肉を選んでいると、一つのパックを手に取った。


「あ、このお肉は最近になって入荷したみたいですね」


 家畜がモンスターに襲われることも多く、野菜以上に新鮮な肉が手に入らない状況が続いている。新しいというだけで非常に価値があるのだ。


 恵麻は値段を見ずに買い物かごへ入れて確保した。


 もちろん正人も肉を五パックほど買い物かごに入れる。結構な量になったが、育ち盛りの男子が二名もいるので、一日か二日で消化されてしまうだろう。


 他にもソーセージやハムなど手当たり次第入れていると、スーパーの入り口が騒がしくなった。


「新商品が入荷されたんですかね?」


 それで人が殺到しているにしては、騒ぎが大きすぎる。悲鳴のようなものも聞こえてきたため、恵麻は楽観的な考えを改める。


 モンスターが、都心にも出てきたのかもしれない。


 そんな不安が生じるのと共に自然と正人の腕を掴んでしまうが、優しい手つきで離されてしまった。


「様子を見てきます」


 手に持っていた買い物かごを恵麻に預けると、正人はスーパーの出口に向かって走り出す。


 店内に向かって逃げてくる人の表情から、モンスターが出現したのは間違いないと確信した。


 ぶつからないように進んで外に出ると、オーガーが一体、視界に入る。武器は持っていない。周囲にけが人や死体らしき者はないが、腰を抜かして動けない若い女性と、その子供が近くにいる。


 さらにオーガーを挟んで向かい側には、フードをかぶった男性らしき男がいた。


「俺たちを見捨てた世界に破滅を!」


 ラオキア教団のメンバーだ。正人は渋谷の事件と同じように、スキルカードを使ってモンスターを召喚したのだと察した。


 だが疑問も残る。貴重なスキルカード、それも特定の種類を何個も持っていることになるからだ。探索協会ですら、そろえるのが難しいスキルカードを、裏ルートを使って集めるなんて不可能である。


 ラオキア教団には通常では考えられない、スキルカードを手に入れる方法がある、といった結論に至るのに時間はかからなかった。


「お兄さん、ママを助けてっ!」


 泣きながら助けを求める声で、正人の意識は現実に引き戻された。


 今は考え事をしている余裕なんてない。目の前にいる親子を助けなければならないと、気持ちを切り替える。オーガが動き出すよりも前に、スキルを使う。


 ――短距離瞬間移動。


 親子の前に正人が現れたのと同時に、オーガが走る。


 肉が固そうな邪魔者は殴りつけて排除し、親子を食べてしまおう。


 ずさんな考えのもと動き出したのだ。


 ――怪力。

 ――身体能力強化。


 子供に血を見せたくない。そんな理由だけでナイフを出さないと決めた正人は、殴りつけてきたオーガの腕を素手で受け止めた。


「すごい……!」


 スーパーの入り口から様子をうかがっていた恵麻が呟いた。手にはスマホがあり動画を撮影している。


 他にも正人の存在に気づいた人たちは、ライブ配信をしながら戦闘の様子を通しており、瞬く間に視聴者が増えていく。


『オーガの攻撃を素手で止められるって、初めて知ったんだけど』

『大丈夫。俺もだ』

『何度も殴りつけてるみたいだけど、正人さん全部受け止めてね?』

『力だけじゃなく、動体視力もヤバい』

『すげー安心して見れる』

『勝ち確定だからな』


 チャット欄には楽観的なコメントが多く投稿されている。


 二度にも渡る渋谷襲撃事件を解決した実力者と知れ渡っていて、視聴者は誰も傷つかないと安心しきっているのである。


 探索協会の狙い通り正人は日本最強の探索者として、人々に安心感を与えることに成功しているのだ。彼がいれば絶対に負けない。そういった希望があるため、モンスターが地上を跋扈しているという絶望的な状況でも、人々は暴動を起こさずに普段の生活を続けたれている。


『正人さんが触っただけで、オーガが吹き飛んだぞ!?』

『投げたんだよ! きっと! じゃないと意味が分からない!』

『いやいや、投げるって、おかしいでしょ!w 相手何キロあると思ってるんだよ!』

『調べたら500以上だって』

『0.5tの相手を押しただけで吹き飛ばしたのか……』


 ライブ配信を見ている視聴者がコメントしている間に、正人はオーガの顔を殴り続ける。


 鼻が陥没し、頭蓋骨は砕け、首があらぬ方向へ曲がると、黒い霧に包まれて消えた。


『マジで殴り殺した!』

『ゴリラパワーー!』

『すげーーーーー!!』

『正人さん最強で最高!』


 コメント欄が勝利で盛り上がっていても、正人の戦いは終わっていない。近くでいるフードをかぶった男を取り押さえたのだ。


「お前はラオキア教の信者か?」


 普段とは違って厳しい声色だ。


 それだけ正人が嫌っている証拠でもある。


「だったらなんだ? バカなことは止めろとか言うつもりか?」


「いや。そんな無駄なことはしない。お前が教団関係者だと分かればいい」


 スマホを取り出すと探索協会の谷口に連絡をする。


 たいした情報は出てこないだろうとは思っているが、尋問してもらおうと思ってのことだった。

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