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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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ようやく終わりましたねぇ

 準備を終えた正人は森の中を進んでいく。近くを複数のトロールがのしのしと歩いているが、見つかってはいない。体が大きいこともあって感覚が鈍いため、『隠密』スキル効果が最大限発揮されているのだ。ぶつからない限り見つかることはないだろう。


 戦闘発生せず森の中を順調に進んでいくと、周辺の景色が一変する。


 草の生えた地面から荒れ地に変わり、気温が上がったのだ。至る所にある亀裂からは火柱が上がっていて、前に進むのを躊躇してしまいそうになるが、引き返す選択は出来ない。青いマーカーはもっと先にあるのだから。


「行こう」


 覚悟を決めるために声を出すと再び歩き出す。


 熱気が強く全身から汗は浮き出て、すぐに蒸発する。長時間滞在していたら熱中症で倒れてしまうだろう。そんな場所に影と風華は臆することなく入っていったので、やはり普通の感覚はしていないと言える。


 探索者には見えなかったので、特殊な集団に所属でもしているのだろうか。


 そんな疑問を感じながら正人は歩いていると、全長三メートル近い真っ赤な蜥蜴や溶岩でできたゴーレムなどのモンスターを発見する。余計な戦闘は避けたいため、遠回りしながら進んでいく。しばらくして青いマーカーの近くまでたどり着いた。


 隠れられる場所はないため、火柱の近くで地面に伏せると様子を見る。


「ッッ!!」


 あり得ない出来事を目撃した。なんと炎のような髪をした体が透けている男性と、風華が交わっているのだ。影は行為を見守りながら、近づいてくる火蜥蜴を斧で殺している。死体は黒い霧に包まれて消えるので、ダンジョンで発生したモンスターだというのが分かった。


 何が起こっているか理解できない。正人は状況が整理できず混乱して見ているだけである。


 半透明の男がぶるっと震えた。

 しばらく止まると、風華から離れて跪く。


「ようやく終わりましたねぇ。火の精霊は意外と長持ちするタイプだったようで」


 待ちくたびれたという感じで言った影は、しゃがみ込むと風華の股から流れ出る液体を見る。


「ヤらないと支配できないなんて不便なスキルですなー」

「そんなことありません。モンスターが全力で私を求める姿は、何度経験しても興奮しますよ」


 行為を思い出しているのか、頬を赤くさせながら興奮気味に言っている。


 会話を聞いた正人は、ようやく事態を飲み込めた。


 特定の条件を達成するとモンスターが支配できるユニークスキルを持っているのだと。村を占拠したモンスターが襲わなかった理由も、これで説明が付く。


 ユニークスキルは非凡な人生を送っているほど覚えやすく、また性格や個性……そして願望が反映される。


 この事実は探索協会が調べてことであり、少し前に里香が冷夏に説明していたことだ。


 法則は分かっているのだから狙ったユニークスキルが覚えられるよう、普通ではない人生を意図的に作り、願望をコントロールする輩も出てくるだろう。


 当然、一人、二人で達成できるほど難易度は低くないが、数十人もしくは数百人、数千を犠牲にすれば覚えられるかもしれない。


 人権を無視した唾棄するべき行動ではあるが、狙ったユニークスキルを覚えさせるには効率が良い。試行回数さえ増やせば手に入れられるのであれば、やる価値はあると判断する人が出ても不思議ではなかった。


「俺はそういうのいいかなぁ。殺す方が楽しいですしね」

「私はその考えの方が理解できません。教祖様と姿は一緒なのに、何故こうも性格が違うのでしょうか」

「しょせんスキルで作られた、まがい物ですからねぇ。本体と同じ者を求められても困りますよ」


 なんと影と呼ばれていた男もユニークスキルに関連していた。死んだはずの男と似ている理由も、その能力にあるのだろう。正人は驚きながらも考察を続けていたため、いつの間にか『隠密』スキルの維持が疎かになってしまう。


「諦めてはいけません。いつかは――っ!?」


 跪いていた火の精霊が立ち上がると風華を背に隠した。視線の先には正人がいる。


 効果が一時的に弱くなっていたとはいえ『隠密』スキルは効果を発揮していた。人間では気づけなかっただろうが、精霊は違う。感知能力が高いので発見されてしまったのである。


 攻撃される気配を感じ取った正人は立ち上がると、ナイフを構える。


 ――ファイヤーストーム。


 火の精霊がスキルを使った。足元から火の柱が立ち上る。


 ――凍結結界。


 隼人が覚えていたユニークスキルを使って、正人は体の周りに氷の膜を発生させる。炎が氷を溶かすが、魔力を供給されて再び固まる。地味な攻防が続いていく。


 この勝負は膨大な魔力を持つ正人が勝てるはずだったのだが、炎によって周辺の酸素が急速に素変われてしまい呼吸が苦しくなる。酸欠状態に入りかけてしまったのだ。


『ファイヤーストーム』が終わるのを待っている余裕はない。


 ――短距離瞬間移動。


 正人はスキルを使って、風華の背後に回って炎から逃れる。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 すぐに反撃したいところではあるが、呼吸を整える方が優先だ。もう少し情報を集めたいこともあって、今はダンジョンから逃げるようなことはしなかった。

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