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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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危険ですっ!

「探索者どもが侵入してきました」

「また殺せばいいだろ。その程度のことでワシを呼ぶな」


 襲われるとわかっているのに、教祖は面倒だといわんばかりの態度で言った。


 組織もしくは自分自身に相当な自信がなければできない。探索協会と張り合える根拠が気になった正人は情報を集めるため、動くことなく聞き耳を立てる。


「今回の探索者は、あの神宮正人のようなんですっ!」

「ほう。あの男が来ているのか」


 ようやく興味を持ったようで教祖の表情が一変した。くぼんだ目はギラついていて、口角は上がっている。非常に楽しそうだ。


「風華、お前のモンスターで勝てるか?」

「既に特殊個体を含めたゴブリンが三匹、八咫烏が一羽、殺されています。非常に手際がいいのでかなり難しいかと……」


 正人はさらに二つの疑問が浮かんだ。


 一つ目は教祖が言った「お前のモンスター」という言葉である。まるでペットについて語るような表現であり、モンスターへ使うには違和感が残る。もう一つは先ほどの戦闘結果について風華が把握していることだ。現場を確認して戻ってきたとしても早すぎる。遠隔で監視でもしなければゴブリンや八咫烏が倒されたと知るには、時間的な問題で不可能である。


 雑木林に監視カメラが設置されていたのか、それともスキルを使った結果なのか。現時点の正人は判断しかねていた。


「ふむ。では、新しいモンスターを調達するか」

「よろしいのですか!?」

「ワシも大概だが、お前も好きよのぅ」


 黄ばんだ歯を見せながら下品な笑みを浮かべる教祖と恍惚した表情をする風華。


 一連の会話が理解しているとは言いがたいが、雰囲気からしてまともな内容ではないことぐらいは察せらる。


「日本最強の探索者を殺して人々を絶望させるチャンスだ。幸運が降ってきたと思って頑張りなさい。今回は特別に私の影を護衛として貸し出そう。必ず良いモンスターを手に入れるように」

「かしこまりましたっ!」


 嬉しそうにしている風華を見ていると、脳内に浮かぶ青いマーカーに変化が起きた。家の奥に残っている最後の一人が動いたのだ。教祖と同じ道をたどって中庭にある縁側にたどり着く。


「……ッ!?」


 姿を見た瞬間、正人は声を漏らしそうになり、慌てて口を手で押さえた。


 影と呼ばれた男は教祖と全く同じ顔をしている。体格や皺、ほくろですら寸分変わらないのだ。


 これで里香たちを襲った不審者と同じ顔をした人間が二人になる。動揺してしまうのも無理はない。


「今度は何の用ですか?」

「仕事だ。風華と一緒にダンジョンに入ってモンスターを調達してこい」

「また面倒な仕事を押しつけてきますねぇ……で、種類は?」

「トロール程度ではだめだ。もっと強いモンスターが望ましい」

「さすが教祖様。無理難題をおっしゃりますね」


 嫌嫌な態度ではあるが、影と呼ばれた男は断る素振りを見せない。縁側から飛び降りると風華の腕をつかみ、引きずるようにして中庭から外に出てしまった。


 命令を出し終えた教祖は部屋の中へ入っていく。


 二手に分かれてしまった。両方とも気になる存在だ。正人はどっちを追うか迷ったが、すぐに影の方だと決める。理由は明確で、二人は近くにある未発見のダンジョンに入る可能性が高いからだ。


 モンスターを調達する方法も知りたいため、正人は『隠密』のスキルを使いながら影と風華の追跡を始めた。


 姿を見なくてもマーカーを確認していれば居場所はわかる。徘徊しているモンスターに見つからないよう、隠れながら進んでいく。


 どうやら二人は、すぐダンジョンへ入るわけではないようだ。青いマーカーは近くの家に入ると、時間にして二十分ほど経過してから再び動き出す。


 車の下に潜り込んで様子をうかがっていた正人は、両手に斧を持つ影と革製の防具だけを身につけた風華の姿を見る。装備を調えてからダンジョンに行くことぐらいはわかるが、なぜ影は防具を着けず、また逆に風華は武器を持っていないか理解できない。アンバランスである。


 姿が見えなくなるまで隠れてから、『索敵』スキルで誰もいないことを確認すると車の下から這い出た。立ち上がって跡を追っていく。


 しかし順調だったのはここまで。キャベツ畑と家だけしか見えない道を進んでいると、突如として青いマーカーが消えた。


 正人は慌てることなく『隠密』スキルを使ってゆっくりと進むと、半壊している小屋に入る。鍬や鎌が転がっており、床には赤いシミがある。血の跡だ。奥に進むと獣の臭いがした。モンスターが近くで隠れているかもしれないと警戒したが、何も出てこない。


 不可解に感じた正人は臭いの発生源をたどる。


 空中にドアが浮いていた。半開きになっていて中が見えるので、覗いてみるとトロールが寝っ転がっていた。熟睡しているようで、腹を上下に動かしながらいびきをかいている。


 トロールがいる場所は植物が生い茂っていて森の中だ。正人がいる場所とは環境がまったく違う。


「やっぱりあった。未発見のダンジョンだ」


 ダンジョンの入り口は洞窟や穴から入るタイプもあれば、今回のように何もない空間にドアという形で出現する場合もある。


 どちらのタイプが良いなどというのはない。難易度は外観からではわからないのだ。


 影と風華はダンジョンに入ったからマーカーが消えたので、正人も追跡したいのだが、トロールが邪魔である。


 殺すか。


 と思ったが、風華が戦いの状況を把握していたことを思い出して方針を変える。まだ正人が村の中にいると知られたくないのだ。


 部屋の隅に藁の山があったので中に隠れると、状況が変化するまで待つことにした。



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