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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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二人とも無事?

「ゴブリンの特殊個体を一人で倒してしまうとは! 里香さんもお強い!」


 ビデオカメラを回しながら先ほどの戦いを記録していた影倉は、拍手をしながら歩いていた。


 良い映像が撮れたと満足している。


 脳内では正人と里香をコンビとして売り出そうなんて考えが巡っており、探索協会の許可を取るイメージまで進めていた。


「ケガはありませんか?」

「里香さんと装備のおかげで無傷ですよ」


 先ほどまでは体温を上げるだけの邪魔な服ではあったが、長く丈夫だったので雑木林の中を走っても擦り傷を負うことはなかった。撮影しながら体力も温存できたので、影倉は元気である。


 里香は安全な場所に移動しようと提案しかけたが、ガサリと草の動く音が聞こえて中断。剣を構え、影倉を背に隠しながら警戒心を高めた。


「二人とも無事?」


 現れたのは正人だ。右手にはナイフ、左手には魔石がある。


「はい! 無事ですっ!」


 分かりやすく表情が変化した里香は、小走りで近づいた。後ろで手を組んで正人と話している。


 一人置いて行かれた影倉は、尻尾があれば激しく振っていただろうななどと思っていた。


 再会の挨拶が終わると正人は影倉に話かける。


「私が戦ったのは八咫烏だったんですが、魔石だけ残して死体は消えてしまいました」


 この近くに八咫烏が出るダンジョンはない。好戦的な性格をしているので、他のダンジョンから連れ出され、隠れて移動してきたとは考えにくい。


 正人は可能性が低いと言っていたが、未発見のダンジョンが近くにあるかもしれないと、影倉は思うようになっていた。


「それって、未発見の……」

「まだ確定していません。思い込みは止めましょう」

「わかりました。ただ、依頼達成のために記録は残したいと思います。少し時間をもらってもいいですか?」


 今回は情報が一切ない人食い山だ。三人の内の誰かが死亡して撤退しなければならなくなった場合を想定して、影倉は記録だけは残しておこうと考えたのである。また依頼達成したのであれば、宣伝用の映像として使えるかもしれないという期待もあった。


 本来であれば戦闘があった場所からすぐ移動した方が良いのだが、正人も意図は理解できるので受け入れることにする。


「わかりました。それでは私と里香さんは、この場を警備しておきます」


 リーダーの了承を得た影倉はビデオカメラの録画ボタンを押すと、ゴブリンの死体を映像に収めていく。グロテスクな場面ではあるが、レンズ越しだとなぜか気持ち悪く感じない。それほど映像を残すことに集中していた。


「死体が消えてないのでダンジョンの外で繁殖した個体ですね。ゴブリンは成長が早く繁殖力も強いので、この点について不審な点はありません。装備も作ったわけではなさそうですし、知能が著しく上がっているとも思えない。経験が浅い個体だったのでしょう」


 今感じていることを映像に記録させながら、カメラを通常のゴブリンから特殊個体へ移していく。


「問題はこっちです。特殊個体の死体も残っている。繁殖によって産まれたのは間違いありません。特殊個体はダンジョンしか創り出せないという通説は否定されたわけです。学者の皆さんが見たら大騒ぎになるでしょうね。里香さん、特殊個体の強さはどうでしたか?」

「へ? ワタシです?」


 質問をされると思っていなかった里香は、間の抜けた返事をした。唇が曲がっていて顔は少し変だが、残念なことにビデオカメラに記録されてしまっている。映像を見直したら「消してーっ!」と懇願されることだろう。その願いが叶うかどうかは、探索協会の判断にかかっている。


「戦った人の感想を聞かせてください」

「そうですねぇ……普通のゴブリンより機転が利くので注意は必要ですが、過去に戦った特殊個体と比べたら強さというか、その、恐ろしさというのはあまりありませんでした」

「恐ろしさ、ですか?」

「はい。特殊個体というのは知能だけじゃなく特別なスキルみたいなのを持っているんですが、今回のゴブリンは、そのような力はありませんでした。普通のゴブリンより少し賢い。その程度だったので……そう考えてみると特殊個体と言って良いのか悩みますね」


 顎に手を当てながら里香は適切な言葉が出てこないか、必死に考える。


「うーん。秀才、天才……いやそういったのとはちょっと違う。イレギュラーというか……人種……あっ!」


 ポンと手を叩いて影倉を見た。


 感覚に合致する言葉が思い浮かんで嬉しそうだ。


「亜種もしくは変種です。動きが素早かったし、ゴブリンシーフといった名前がイメージに近いかもです」

「なるほど! 特殊個体ではないが普通とは違う、ですか。通常個体をベースとして色彩や能力だけが少しだけ変わっているのであれば、性質が全く別になる特殊という言葉より適切かもしれませんね」


 里香が亜種と表現した理由を口に出しながら、影倉は少し安堵していた。


 亜種や変種であれば繁殖で生まれる可能性もある。特殊個体が地上で生まれる危険性より僅かにマシな状況だからだ。それでも探索協会は大騒ぎするだろうが、カメラマンでしかない影倉には関係ないことであった。

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