表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

185/386

油断するな! まだ残っている!

 姿は見えないが付近にいるかもしれないと、正人たちは警戒をしている。


「お前の相手は、俺だ」


 黒い仮面をかぶった川戸が『エネルギーボルト』を放ったので、横に飛んで回避する。正人は電柱の影に隠れると、蓮たちが一斉に拳銃を構え、撃った。


 不意打ちではあったが半透明の盾に阻まれてしまい失敗する。しかし蓮たちは諦めない。何度も発砲を続けていた。


 ――水弾。


 すべての銃弾は半透明の盾が受け止めており、正人が放った水球は防げない。


 川戸は他のスキルを発動させて迎撃することも出来たが、あえて回避を選ぶ。横に飛んでやりすごし、立ち上がろうとしたら、背中に白い羽を生やした宮沢愛が突進してくる姿を捉えた。


 全身が淡く光っている。『突進』のスキルを使っているのだ。


 立ち上がっている途中なので川戸は動けない。蓮が率いる探索者の銃撃によって『自動浮遊盾』も動かせない。絶体絶命とはこのこと。待っているのは死だけであったが、諦めた様子はない。


 ――投擲術。


 赤い槍が急に現れ、宮沢愛の横っ腹に突き刺さる。ユーリは『透明化』のスキルを使って姿を隠し、逃げたように見せかけて致命的な一撃を放ったのだ。


「逃げたはずでは……?」


 蓮が連れてきた探索者は驚いて、銃撃を止めてしまった。


「おいおい。お前たち。まさか敵の言葉を信じたのかよ」


 馬鹿にするように笑っている。ユーリは絶対的な強者だと見せつけるため、挑発しているのだ。


 ――短距離瞬間移動。


 よそ見をしているユーリの背後に移動した正人が、ナイフを突き出す。川戸は気づくのが遅れて助けは間に合わない。吸い込まれるようにして腹に突き刺さった。


「ゴフッ、ガフッ」


 仮面の隙間から大量の血が吹き出た。手応えはあるが、正人はこの程度で殺せるとは思っていない。回復系のスキルで治してしまうだろうと予想して、攻撃を続ける。


 ――投擲術。


 持っているナイフを川戸に投げて動きを止める。


 ――格闘術。

 ――身体能力強化。


 接近戦のスキルを発動させるとユーリの腹や頭を殴り、半歩下がってから左足を軸にして半回転し、かかとをこめかみに当てる。


 勢いを殺すことなんて出来ず、ユーリは横に吹き飛ぶと道路を転がり、生け垣に当たって止まる。


 意識は失っているのか立ち上がる気配はない。


「すげぇ! 勝った!!」

「油断するな! まだ残っている!」


 正人の警告は少し遅かった。川戸はカーキー色をした円柱形の筒を二つ取り出すと、安全ピンを抜いてレバーを強く握る。赤い発煙が広がり、周囲にいる人の視界を奪った。


 ――探索。


 脳内に青いマーカーが浮かぶ。


 ユーリに近づいた川戸の存在までは把握できたが、捕まえに行こうと動き出す前に二人のマーカーが消えた。


「逃げた?」


 重傷を負ったユーリがいる。今度こそ逃げ出したと思った正人だが、裏をかかれる可能性は捨てきれない。視界の悪い状況だからこそ、不意打ちを狙って攻撃してくるかもしれないと警戒し、下手に動けないでいた。


「ゴホッ、ゴホ」


 近くから咳き込んでいる声が聞こえた。マーカーの位置からして蓮、もしくは他の探索者だ。ユーリや川戸ではなさそうだ。『自動浮遊盾』まで出して警戒していたが、赤い煙が消えても二人は姿を現すことなかった。


「どうやら、今度こそ逃げたみたいだな」


 左右を見ながら蓮が近づいてきた。


 正人も同様の判断を下し、警戒を少し解く。


「ありがとうございます。助かりました」

「市民の通報とお前の通話があったから、あのクソ野郎どもを撃退できたんだ。俺の方こそ礼を言わせてくれ」


 モンスターの襲撃にあわせて出現したユーリは、今回の事件と無関係だとは考えていない。裏で何かがつながっていると予想していた蓮は、直接戦う機会を作ってくれた正人に感謝していた。


「それより、あの女、どうするよ」


 赤い短槍が突き刺さったまま、宮沢愛は倒れていた。血は流れ続けており、痛みによって苦しみの声を上げている。


「回復系のスキルを持っている方は?」

「いない。病院に連れて行くか」


 血が流れすぎていて医者に診せても助けられるか怪しい。蓮の判断は見捨てると宣言したのに等しかった。


「私が何とかします」

「おい、なんとかって……」


 蓮が止めようとするが正人は足を止めない。倒れている愛の側につくとしゃがんで様子を見る。


 血と汗で顔を汚しており、短槍が刺さったあたりの皮膚が紫色に変色していた。


「毒か?」


 スキルはあるが、呪いは存在しない。

 変色している原因は毒だ。


「助けて……仇を討つまで……死ねない……」


 顔をゆがめながら、アイドルらしくない言葉を放つ。強い恨みを感じ、誰が見ても死んだ隼人と深い関係だったとわかる。


 憧れの女性に男がいた。願いは叶わないとわかっていたが、正人はこっそりとショックを受けていた。


「大丈夫です。愛さんは死にません」


 手を握ると冷たかった。時間はあまり残されていない。


 ――復元。


 ものをあるべき姿に戻すというスキルの効果が発揮する。腹から短槍が抜けて変色した肌がきれいになる。穴も塞がり、失った血も戻った。


「すげぇ……」


 傷と毒の両方を瞬時に戻す驚異的な力を目の当たりにして、探索者たちは感嘆の声を上げていた。


 今、目撃したことは噂として広がり、多くの人が知ることになるだろう。しかも有名人である宮沢愛を助けたとなれば、一日もかからず拡散される。


 もう誰も、正人のことは無視できない。


 英雄への階段を上り始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宣伝
【コミック】
202509181433590701CDFC668754E80A2D376104CE3C1FD6C-lg.webp
漫画BANGさんで連載スタートしています!
1話目はこのリンク。

【原作】
jmfa8c6ql2lp6ezuhp5g38qn2vsy_m4q_18g_1z4_1o5xu.jpg
AmazonKindleにて電子書籍版1~7巻が好評販売中です!
経験をスキルに~シリーズ販売サイトはこちら

矛盾点の修正やエピソードの追加、特典SSなどあるので、読んでいただけると大変励みになります!
※KindleUnlimitedユーザーなら無料で読めます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ