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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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隠れんぼは終わりか?

「出てこないと、罪のない一般人が死ぬぞッ!!」


 隠れている正人をおびき出すため、ユーリは分かりやすく脅していた。単純であるが故に効果的である。例え他人だとしても誰かを見殺しにはできないため、出て行くしかない。


 だが相手は道明寺隼人を殺した相手だ。

 無策のままであれば負ける可能性はある。


 正人はスマホを操作して通話ボタンをタップした。


「蓮さん。今どこにいます?」

「そっちに向かっている! あと少しでつくぞ!」

「助かります! 状況が分かるようにするので、マイクはミュートしておいてください」


 一方的に話してから、スピーカーモードに切り替え地面に置く。音を拾いやすくなっただろう。


 ――探索。

 ――地図。


 脳内に近辺のマップが描かれた。至る所に青いマーカーが表示されているが、正人の近くにはユーリのものしかない。他に仲間が居ないと判断した。


「攻撃を止めて、私と勝負してください!」


 隠れていた正人が車から離れた。両手にはナイフがある。蓮にまで聞こえるように声を張り上げていた。


「隠れんぼは終わりか?」

「ルール違反者が出たのでゲームは強制終了ですね」

「違いねぇ」


 何がおかしいのか誰も理解できないが、ユーリは楽しそうに笑っていた。


「それじゃ、これから別のゲームをしようじゃないか。今度はルールを守ってやるぞ」

「何をするつもりですか?」

「スキルを使わずに殴り合おう」


 ユーリは正人が常識では考えられないほど多くのスキルを持っていると気づいている。いくらユニークスキル『復讐者』があったとしても、相性次第では負ける可能性があると考えていた。


 一方、スキル抜きであれば話は変わる。


 探索者デビューしてから一年も経っていない新人に負けるなんてあり得ないと、ユーリは自信を持っているのだ。


「断ると言ったら?」

「全力を出すから、派手に戦うことになるな」


 話に乗らなければ周囲にある建物、そして避難している人たちにも被害を出すぞと脅していた。モンスターより質が悪いと、正人はユーリに対する嫌悪感が増していく。


「どうしてそんなことが簡単に言えるようになったんですか?」

「お前達の前では抑えていたが、俺は昔からこんな性格だ」


 で、どうする? と、ユーリが目で問いかけてくる。


 諦めと共に深く息を吐いた正人は、ナイフを地面に投げ捨てると構える。殴り合いに応じると姿を見せたのだ。


「いいね。そうこなきゃ」


 赤い短槍を投げ捨てるとユーリも構える。


 足をじりじりと動かしお互いの距離が近づいてくと、


「死ねぇぇぇ!!!!」


 上空から白い羽の生えた女性――宮沢愛が、槍を突き出しながら急降下してきたのだ。


 隼人を殺さた怒りで冷静さを欠いているため、大声で叫んでしまい、奇襲にはならなかった。


 ――アラクネの糸。


 邪魔が入って機嫌を悪くしたユーリは、上空に向けて粘着性の高い糸を放った。


 急旋回などできず、宮沢愛は全身を糸で絡め取られてしまい、コントロールを失う。進行方向が変わり、近くのビルに突っ込んでしまう。幸いなことに堅いコンクリートの壁には当たらず、窓ガラスを割って室内に入ったので死んではいない。しかし糸が邪魔をして立ち上がれず、藻掻いていた。


「邪魔が入っ……どこに行った?」


 数秒目を離しただけで、正人の姿が消えていた。

 ユーリは周囲を見渡すが誰もいない。


「逃げた? いや、それはあり得ない」


 地面に落ちていたナイフが消えている。なにより、お人好しである正人が他人を見捨てる非情な行動はとれないと判断し、ユーリは赤い短槍を拾うと投擲の構えをする。


 狙う先は近づいてくる荷台付きの四輪駆動車だ。探索者が数名乗っていて運転席には蓮がいる。


 正人を助けるために駆けつけたのだ。スマホから聞こえてきた二人の会話から、状況は把握している。ユーリに向けて走っていた。


「雑魚が大量に釣れたな」


 狙いを定めてユーリが投擲のスキルを発動しようとする。その瞬間、正人が『短距離瞬間移動』で背後に出現。右手に持つナイフを突き出そうとする。


「上ッ!?」


 気配を感じた正人は攻撃を中断して振り返ると、仮面を着けた川戸が剣を振り下ろしていた。持っているナイフで受け流すのと同時に体を回転させて蹴りを放つ。


 半透明の盾が間に入って、川戸にはダメージを与えられなかった。


「どこから出てきたッ!」


 先ほどまで人の気配はなかった。脳内のマップにもマーカーはなかったはず。まるで転移したようにと、ここまで思考が進んで正人は最悪な可能性を思いつく。


 バックステップで距離を取ってから『投擲術』を発動し、両手に持つナイフを川戸とユーリに向けて投げる。半透明の盾と、『短槍術』を使ったユーリに弾かれてしまった。


「強奪スキルを使ってメイさんを殺したなッ!!」


 相手のスキルと命を同時にスキルを強奪する能力を美都がもっていた。ユーリと仲が良かったことを思いだし、正人は先ほどの結論に至ったのである。


「どうだろうな」


 ユーリが返事をしている間にも、荷台付きの四輪駆動車から降りた蓮たちが周囲を囲む。ビルからは糸を引きちぎって自由になった宮沢愛が、殺意のこもった目で見下ろしていた。


「これは流石に厳しいか」


 敵は探索者が七人、そのうち正人と宮沢愛はユーリに匹敵する能力を持っている。川戸の力を借りたとしても負けてしまうだろう。


「逃げるぞ」


 川戸が『エネルギーボルト』を周囲に放った。狙いは甘いため、全員回避したが、一瞬だけユーリから視線が離れる。


 ――透明化。


 ユーリがこの場から姿を消した。

 静かに移動して包囲網から逃げ出したように見えたのである。

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