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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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全ては生き残ってからだよ!

「なんでアイアンアントたちが守るの……?」


 戸惑いながらつぶやいた里香の声に、誰も答えられない。


 扉から侵入してきたアイアンアントの数は膨大で、さらに横に広がっている。手持ちのスキルではまとめて倒すことはできない。


 再生しているヴァトールも早く倒さなければならない。すぐに行動するべきなのだが、里香や冷夏は魔力が切れてスキルを使えない。ヒナタだけを戦わせても敗北は濃厚だ。勝てる見込みはないだろう。


 誰も死なせたくない。

 独善的とも言える強い想いが正人に湧き上がり、必死に解決法を探すために思考を続ける。偶然にもその行為が『スキル昇華』が動くきっかけとなり、道明寺隼人が使っていたスキルを再現することにつながった。


 ――高速思考。


 周囲がゆっくりと動いているように見え、考える余裕ができた。新しいスキルを覚えて驚きながらも、最善の方法を模索する。


 先ずは、集団で迫ってきているアイアンアントの対処を優先するべきである。一匹、もしくは数匹ならスキルなしでも勝てるが、あの数だと里香たちは容易に蹂躙されてしまう。まとめて倒す必要があるのだが、現在覚えているスキルの中に広範囲で攻撃可能なものは存在しない。


 可能性があるとしたら、道明寺隼人が使おうとしていた冷気を発するスキルだ。


 あのときは、両手に魔力が集まっていたことだけは覚えている。だが、発動していなかったので最後までは確認できてない。そんな状況で『スキル昇華』が機能するだろうか。不安を感じながらも、やるしかないと覚悟を決めて、正人はスキルを覚えるために魔力を動かす。


 両手に魔力を集めるだけでは、『スキル昇華』は反応しなかった。

 性質を冷気に変えるべく魔力へ意思を伝える。それでも動きはない。何かが足りないのだろう。


 アイアンアントとの距離は五メートルを切った。里香たちは武器を構えて戦う意思を見せているが、体はか細く震えていた。


(道明寺隼人のスキルは覚えられない。であれば、別のスキルを覚えるだけだ!!)


 接敵まで残りわずかというタイミングで、正人は方針を転換した。


 両手に魔力を集めたまま、前に出す。霧状に放出させながら、氷の刃になるよう具体的なイメージを作り上げ、スキル昇華がサポートしていく。


 最初はキラキラと光るだけだった氷の欠片が、縦に伸びて小型のナイフに変わる。その数は数百を超えるだろう。


『小刀:氷、氷で作られた小型のナイフを飛ばす。凍結効果あり』


 氷のナイフが突き刺さっても、大きなダメージは与えられない。アイアンアントは緑の血を流すものの足は止まらないのだが、凍結効果があれば話は変わる。


 覚えたばかりのスキルを使って無数の氷でできた小刀を、アイアンアントに向けて放った。外殻を貫通して突き刺さる。傷口から凍り付き、数秒後には動きが完全に停止した。


 氷像となったアイアンアントだが、まだ生きている。驚くべき生命力によって、体にまとわりついた氷を破壊しようともがいているのだが、正人は追撃せずに視線をボスに向ける。


 まだ傷を治している途中であった。

 動き出せる状態ではないようで、アイアンアントクイーンが守っている。


 時間は稼げた。次は邪魔なアイアンアントクイーンを倒すため、スキルを使おうとするが、


「っ!!」


 頭に激しい痛みが走り集中力は乱れ、全てのスキルが解除された。力が抜けて膝をつく。全身から汗が流れ、周囲の動きが通常の状態に戻る。


「大丈夫ですかっ!」


 里香は正人の前に立つと、片手剣をヴァトールの方に向けた。続いて冷夏とヒナタが駆け寄ると、倒れそうになっていた体を支える。


「無茶しないでください」


 泣きそうになっている冷夏の肩を軽く叩いてから、正人は安心させるために笑顔を浮かべる。


「私は大丈夫だから、アイアンアントを倒してもらえないか? あいつら、まだ生きているんだ」

「でも!」

「時間がないんだ。文句は後で聞くよ」


 まだ何か言いたそうな冷夏を置いて、ヒナタが走り出した。レイピアでアイアンアントを突き刺すと、黒い霧に包まれて消える。残った魔石を拾うことなく、次のターゲットを決めると突き刺し、順調に消滅させていった。


「お姉ちゃん! 全ては生き残ってからだよ!」


 妹であるヒナタに指摘され、冷夏はようやく決心が付いた。こうやって話せる余裕があるのも、正人が体を犠牲にしてつくったチャンスなのだ。死ぬしかなかった未来を変えてくれたのだ。一秒だって無駄にはできない。期待に応えなければ。


「わかってるっ!」


 もう、迷うことはない。

 アイアンアントの前に立つと薙刀を振り下ろす。頭部が両断されて消滅した。

 魔力が切れてスキルは使えないが、威力は充分である。数は多いが双子の力で全滅させられるだろう。


 不利な状況になったと気づき、ヴァトールは傷を治しながら立ち上がった。


「アイアンアントクイーンの相手はできる?」


 魔力が切れている里香には無茶だとわかりつつ、正人はお願いするしかない。ヴァトールと戦わせるよりも生存率は高いのだから。

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