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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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便利なスキルだな

 ヴァトールの攻撃が当たる直前に、冷夏が間に入った。『怪力』『肉体強化』『薙刀術』のスキルを使いつつ、両手剣を薙刀の柄で受け止める。スキルの効果もあって武器は破壊されずにすんだが、ギシギシと軋む音が聞こえてきた。長くは持たないだろう。


「お姉ちゃん!!」


 ピンチの冷夏を助けるべく、ヒナタが頭部を狙って刀身が淡く光るレイピアを突き出す。ガンと見えない壁に阻まれ、止まってしまった。ヴァトールが『障壁』スキルを使ったのだ。一定以上のダメージを与えないと破壊できない、透明な壁を作る能力である。


 諦めずに何度もレイピアを突き刺すが破壊には至らない。正人が二本のナイフで斬りかかり、里香が跳躍して片手剣を振り下ろすと、ようやくパリンと乾いた音とともに『障壁』が砕け散った。


 恐るべき耐久度を持つ『障壁』を、また使われるわけにはいかない。


「相手を休ませるな!!」


 正人、里香、ヒナタの三人が同時に攻撃を仕掛けると、ヴァトールは大剣で冷夏を押しつぶそうとするのを中断。腕を器用に扱って三本の大剣を使って、全ての攻撃を受け止める。


 人間であれば四本の腕を別々に扱うなんて不可能だろうが、脳の作りが違うヴァトールであれば別だ。まるで別の生き物のように腕を自在に操って攻撃し、正人たちを圧倒していく。


 人数差があるというのに攻撃が当てられない。

 閉じた扉にはガンガンとぶつかる音がしていて、いつアイアンアントが殺到してきても不思議ではない状況だ。


「人間にしては強い方だが、私と戦うには弱いな」


 ヴァトールがスキル『大剣術』を使うと、大剣が淡く光った。攻撃が鋭くなり、剣術系のスキルしか持っていない里香とヒナタが耐えられなくなって、後ろに下がる。


 正人と冷夏への攻撃が強まった。


 少しでも判断を間違えたら即死するであろう大剣をさばいているが、集中できる時間は長く続かない。距離を取りたい。二人が同時に思った瞬間、ヴァトールの頭に半透明の矢が当たる。深い傷にはなっていないが、動きを数秒止める効果はあった。


「後ろに下がって」


 正人の指示に従って冷夏が下がり、逆に自分は一歩前に進む。

 懐に入り込むとスキルを使う。


 ――短剣術。

 ――怪力。

 ――身体能力強化。

 ――格闘術。


 複数のスキルがあわさり、相乗効果を発揮した。ヴァトールの腹部にナイフが深く突き刺さる。だが、致命傷にはならなかった。昆虫型のモンスターは痛みを感じることがないため、傷を気にすることなく正人を蹴り上げる。


「ガハッ」


 内蔵が破裂すると、宙に浮かびながら吹き飛ぶ。

 クリスタルを砕きながら止まった。


 ――自己回復。


 即座に傷を癒やしながら前を見る。ヴァトールは腹部から緑の血を流しながら、追撃しようと走っている。立ち上がる余裕はない。正人は地面に転がったクリスタルのかけらを握る。


 ――投擲:魔力爆発。


 魔力が込められると、クリスタルの発する光が強まった。魔力を溜め込む性質があるため、いつもよりも消費量が激しい。


 ヴァトールが大剣を振り下ろす。

 回避するタイミングは逸しているので、覚悟を決めた正人は、先ほど見た魔力を再現する。


『障壁、一定のダメージが蓄積されるまで使用者を守る』


 スキルを覚えたのと同時に発動。大剣を受け止めた。


「便利なスキルだな」


 嗤いながらクリスタルの欠片を投げると同時にナイフを拾い、『短距離瞬間移動』を使って、座ったままその場から離れた。


 背後から爆発音が聞こえる。地震が起きたと錯覚するほど空気が、そして部屋が振動した。


「正人さん!!」


 爆発に巻き込まれてケガをしてないか心配した里香たちが抱きついた。冷夏やヒナタは体をペタペタと触って、状態を確認している。軽度のやけどはあるが、重傷ではない。ヴァトールから受けた傷は『自己回復』によってなくなっていた。


「安心して。大丈夫だよ」


 笑顔を浮かべながら優しく三人を体から離す。ナイフを持つ手に力を入れながら立ち上がった。視線の先は、煙が上がっている場所だ。


 爆発の威力は高く、仮に『障壁』を使えたとしても無事では済まないだろう。


 しばらく待っていると煙が薄れてくる。動く影が見えた。


「スキルで攻撃!」


 まさか生きていたのか。驚きと同時に指示を出すと、『ファイヤーボール』『エネルギーボルト』といった遠距離攻撃を開始した。接近されれば勝ち目は薄い。今のうちに殺さなければ!


 そんな焦燥感とともにスキルを使い続け、里香や冷夏の魔力が切れると止まる。

 煙が晴れると腕や足、腹部や頭部の一部が吹き飛んだ、ヴァトールの姿があった。


 攻撃は無駄でなかったのだ。

 驚異的な強さを発揮したボスにもダメージは与えられる。勝てるかもしれない。そんな希望が正人達に湧き上がる。


「――――――ッ!!」


 ヴァトールが叫んだ。

 人間には理解できない言語ではあったが、近くにいる同種族には伝わった。


 ボス部屋の扉が急に開くと、アイアンアントがなだれ込んでくる。さらにヴァトールの前に穴が空くと、アイアンアントクイーンも出現する。正人たちはトドメを刺す機会を失い、モンスターに囲まれてしまった。

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